公が負うべき責任と市民活動の自立。

少し遅くまで残って仕事をしているとたまにいろんな電話がかかってきます。

先日はNHK(と名乗る方)から電話取材があった。

取材内容はグループホームについて。今、大阪で話題の財政再建案でグループホームの強化加算が廃止になることへの影響など聞きたいという。

数字的に言えばあとからゆっくりとして今年度は4-5万円、来年度廃止になれば50万円ほどの収入減となる。

もうひとつ再建プロジェクト案にあがっているCSW事業、こちらは今年度で40万円弱、来年度廃止になれば580万円がやはり収入減となる。

グループホームの加算については関係する事業者や障害者団体などが「撤回せよ」というアクションを盛んにおこしているし、CSWだって(人知れず)継続してほしいという要望が関係者の間で行われている。

あとからゆっくりとして考えるなら今年度はともかく来年度は600万円以上を今年度予算より縮小した財政を組まなければならない。これは致命的なことだと思う。

600万円という額はうちのスタッフを半分にしてもおいつかない。ということはネガティブに考えるとあとからゆっくりという組織の崩壊まであるかもしれない。

橋本知事の言う財政再建プロジェクトはそういう意味で非常に痛いし、内容的におかしいと思うところも個人的にはたくさんある。でも一方でそうだなぁと思うところもある。

少なくとも先に挙げたようなうちの対象事業について、個人的にですけど自ら「反対!」の声を上げるつもりはありません。

ひとつはやはり「行政の補助は未来永劫続くものではない」ということ。これは明白です。

CSW事業だって元々5カ年事業というふれこみで受けているので当然時がくればなくなるものと思っていました。

いつも行っているおおさか元気ネットワークがうけてきた中間支援組織としての基盤づくり事業も約束どおり3年で終結しました。

橋本知事になる以前から行政の指向として期限を切らずに事業補助を続けるということはなくなってきていますし、少なくとも補助のある間に(主体が)事業を自立ができるものにかえていくという努力をしなければならないのです。

行政の補助の目的は継続的な安定を助けるものから自立するためのインキュベーションを目的とするものに変わっていると思います。

かえって行政の補助があるからとそれに頼って自立することを忘れてきた責任も市民活動の側にあるのではないでしょうか。

(ただ所謂「社会のセーフティネット」と呼ばれるものについてはその限りでないと考えます。)

昨日、おおさか元気ネットの総会がありました。

府の助成のなくなった今年度の事業をみんなで話し合いました。

議案書には「行政サービスが縮小したとしても必要な社会的サービスは提供し続けなければならない。行政が明確なビジョンをもたず自らの役割を縮小するなら、新たな「公」としてのCBの活躍する場が拡大するのは自然の成り行きである。」と書かれています。

つまり府の再建案が是か非かという議論はあるものの、少なくとも私たちはこれまでどおりサービス提供をし続けなければならないし、同時にCBの意義や必要性そして可能性があるということ。ぼくはそこに自分たちがやるべきことの『真髄』があるように思っています。

確かにお金がなくなるのは痛いし大変だけど、わたしたちもしっかりと自分たちの責任や使命を再認しなくてはならないし、続けていくことが必要ならばそうできる仕組みを作っていかねばならないのです。

そう思い、今年度はあとからゆっくりとして将来に向けた組織再生プロジェクトに取り組むつもりです。

このプロジェクトはあらゆる会員、支援者のみなさんに参加を呼びかけていきますのでよろしくお願いします。

今年はあとからゆっくりがこれからも生き残れるかどうか勝負の年です。

粟津