瀬戸内国際芸術祭シンポジウム「瀬戸内トーク」速報!!

アートによって瀬戸内海の魅力を世界に発信し、過疎高齢化が進む島々を含めた瀬戸内海全体の活性化を目指す「瀬戸内国際芸術祭」。
2010年7月19日から10月31日まで開催するこの祭典の概要を発表し、アートによる地域の活性化について語る『瀬戸内国際芸術祭シンポジウム「瀬戸内トーク」』が3月20日に開催されました。

香川県知事の挨拶のあと、総合プロデューサーの福武總一郎氏があいさつ。
その内容は、
「経済至上主義の陰で過疎に苦しむ瀬戸の島々で現代アートを展開し、地域の人たちの意欲をわき起こして楽園を作りたい。本当の豊かさを持つ瀬戸内が世界を変えると本当に信じている。」

続いて、総合ディレクターの北川フラム氏から開催概要が発表。

近年、私たちは内陸ばかりに目がいって、豊かな海(瀬戸内)は、単なる交通だけになってしまった。それ故、本プロジェクトは「海の復権」を目指す。
そして、香川、瀬戸内、四国に交流人口を増やし、地域の人たちが元気になることも目指したい。したがって、今回のプロジェクトの評価軸は、「地域のおじいちゃん、おばあちゃんが元気になるかどうか」である。
コンセプトは以下の7つ。
1.アート・建築
2.民俗−地域と時間
3.生活−住民(島のお年寄りたち)の元気
4.交流−日本全国・世界各国の人々が関わる
5.世界の叡智が集う場所
6.時代を担う若者や子供たちへ
7.縁をつくる

これらコンセプトを『島×生活×アート』で実施する。

主なプロジェクトとして、
直島での安藤忠雄とリー・ウーファンとのコラボによる新美術館整備や大竹伸朗とgrafによる直島銭湯、
豊島での西沢立衛と内藤礼とのコラボによる新美術館整備やクリスチャン・ボルタンスキーによる「世界の人々から集めた心臓の鼓動音をアーカイブした建築作品、
犬島での、長谷川祐子と妹島和世による家プロジェクト、
高松市での海鮮市場やまち歩きの開催、
美術家や思想家など世界の叡智を集めたクルーザーでの国際シンポ開催など。

加えて20名程度のアーティスト公募もあり。4月17日に告知、8月まで募集、その間2回程度の現地説明ツアー、11月発表。

次にパネルディスカッション。
パネリストの印象的なコメントを列記すると、

真鍋武紀氏(香川県知事)・・・これからは、芸術文化だ!

福武總一郎氏・・・要求のピラミッド説を唱えたマズローは、最高位に「自己実現」を置いたとされるが、実は更にその上位に「『コミュニティ(共同体)発展欲求」を唱えていたことが最近になってわかった。コミュニティこそ、我われが大切にすべきものだ。よい地域にいないと人は幸せにならない。島々の持つ多様性の中にその鍵がある。何度も言うが、瀬戸内が世界を変えると本当に信じている。

北川フラム氏・・・アートとは道祖神のようなもの。本プロジェクトでは、アート作品を自ら回遊して五感を通して体験する。それは、記号ではなく、自らの身体に返ってくる全体性である。それを私は四国88箇所巡りの中に学んだ。これまで現代美術は都市のなかで展開され、都市とともに病んできている。だからこそ、日本で最も豊かな瀬戸内の海で、我われ生命体が海から誕生し暮らしてきた太古から記憶とともに、アートプロジェクトを行う。

大西秀人氏(高松市長)・・・あるものは残し、ないものは作る。これからは文化と環境だ!

大竹伸朗氏・・・自らの作品であることと地元のお年寄りに愛される作品であることの間ですごいプレッシャーを感じている。でも、暴走はしている。とは言え、入浴するにはフツーの銭湯。

青木野枝氏・・・ワークショップを行うと、美術家でもない一般の参加者が自分よりもよい作品をポンと出してくることを度々経験していることから、地域の人たちとの作品づくりはうまくいくと確信がある。対象となる場所は、手を加える必要もないほど素晴らしい場所で、そこを自ら作品化することとの狭間で闘っている。今は、ひたすら地域のお年寄りにヒアリングをしている。

芸術祭の概要は以下のとおり。

名称:瀬戸内国際芸術祭 「アートと海を巡る百日間の冒険」
会期:2010年7月19日(海の日)〜10月31日(日)
開催地:瀬戸内海の7つの島(直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島)+高松
主催:瀬戸内国際芸術祭実行委員会
備考:
瀬戸内国際芸術祭は2010年を第1回として、3年後との開催を目指します。開催初回は香川県の島々を中心として、将来、瀬戸内海全域に広がることを目指して展開します。世界の『希望の海』となるべく取り組まれるさまざまな事業を3年ごとに発表する場として芸術祭を位置づけ、世界に向けて瀬戸内の魅力を発信し、交流人口の増加、地域振興、活性化へと大きく実を結ばせるものとします。

瀬戸内国際芸術祭ホームページ
http://setouchi-artfest.jp/index.php?lang=jp