企業と子育てネットワークの協働(埼玉県新座市)

食育プログラムの開発

昨年、これからの子育てネットワーク活動を考えた場合、ネットワークと企業との協働ということも、活動を安定させて地域に広げるために必要だと思われる。こども城としても、こうした取り組みを中間支援したいと考え、企業と子育てネットワークの協働に取り組んだ。その成果の一つが、NPO法人新座子育てネットワークとネスレ ミロとで協力して実施している食育教室の事業だ。

この両者の出会いは、こどもの城からの提案によって始まった。新座子育てネットワークはNECと「子育てママのためのIT講習」を実施した実績もあり、企業との協働で食育教室を実施してみないと、こどもの城から提案した。新座子育てネットワークでは、まず、ネットワークの強みを生かして、小学生を持つ母親などからこうした食育教室へのニーズや協働相手の企業の商品についてのイメージなどを調査した。そして、この調査をもとに「教室のニーズはある」「自分たちだけで取り組むことは容易でない」「相手企業の商品については、子どもたちの健やかな成長をめざす栄養補助的な食品で、食育教室の趣旨とも合致するし、安心できる」と、食育教室を実施する方向性を打ち出した。お互いに相手を理解することが大切である。

次の段階は、子育てネットワークから企業への食育教室の内容に関する提案だった。今のお母さんたちが求めている内容を、いかにプログラム化していくかという作業だ。こどもの城の管理栄養士などとも打ち合わせをして骨格を組み立てていった。「親も子どもも楽しく体験できる」「具体的で日常生活に生かしやすい」と、子育て当事者の意見を反映した、子育てネットワークらしいプログラムを提案することがポイントである。
 次に、企業との考え方の刷り合わせだ。特に今回は企業は社会貢献としてでなく、商品のPRを目的としていたので、この作業は時間を費やした。子育てネットワークと企業が対等な関係で話し合い、そして教室に来るだろう親子を含めて3者ともにメリットがあるようにしていくことが必要だ。この作業をしっかりと行うことが大切である。その後、新座を舞台に2度のシミュレーションを実施した。このシミュレーションを経て、教材を見直したり、教室の台本などを詰めていった。企業との信頼関係も築かれていった。

 企業との協働のためには、子育てネットワークの長所をしっかりと認識し、両者の目的に合致する提案をしていく能力が求められる。

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