地名の由来を調べるシリーズ(実山編)

今日は、香美町の実山(さねやま)について書きます!

 実山集落は、香美町小代区の中心近くに位置し、背後を山林に囲まれた山間集落です。

 但馬国知高帳では「真山村」とあり、130石。地名の由来は、よく分かりません。でも、「真の山」の中にあるといったところでしょうか。

 元和元年(1615)の大阪の陣には、村岡藩の池田日向守清由が山名宗全の代わりに出陣。旗持ちとして実山の牧野新八を召し連れたとのこと。
 また、江戸時代には、実山の井上家は「小代」の大庄屋となっています。そういえば、実山には「井上さん」が多いですわ。

 近年では、実山宮ノ前に室町期前期の役所跡なども発掘され、往古より小代の中心となる村であったと思われます。内倉山は朝倉高清の伝説(※)でも有名ですが、近年、実山の人たちで内倉洞内に鎌倉時代を偲んで祠が祀られたそうです。

※ 源平の争乱で朝倉(養父市八鹿町)の居館を捨てた朝倉高清主従が実山に流れ来り、内倉と称する岩窟の洞穴に潜居したと伝えられています。

 参考 : 兵庫県の地名(平凡社)
 角川日本地名大辞典「28 兵庫県」(角川書店)