皆さまこんにちは。ころころ通信委員のムニュです。

ゆっくりと世界が新しい環境下での暮らしの模索を始めています。
各々がこれまでの暮らしを踏まえた上で模索する新しい生活にも、命の尊厳と自己決定権があるように願います。

さて、すっかり初夏となった夜は、ムニュはしばらく窓を開けて外の空気に当たります。
ムニュが幼い頃は、家の周りにまだ田んぼがあり、どこからともなく蛙の鳴き声が聞こえてきて、夏の訪れを告げていました。

ムニュは、病気になった次の年に、家族で奈良県の奥深くの農村に旅行に行ったのですが、そこで夜におびただしいほどの蛙の大合唱を聞きました。

ひとり夜中に目が覚めて、窓ごしに聞こえてきたその声、まだ病気の真っ最中だったムニュの神経には強烈で、まるで電子音が乱れ飛ぶような音の波と、目を閉じても眩いほどの光の渦が視界の中で飛び散っていました。

少し危険な状態だったのかもですが、その蛙の大合唱に圧倒されて、苦しくて苦しくてもなぜか無性にうれしくて、むせび泣くようにまた布団に入った記憶があります。

命のボルテージが上がっていく初夏に、それから何十年たっても、未だにあのときの蛙の賛歌の音と光に、ぐっと息をのむようなエネルギーの突き上げがあります。
 ムニュ