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2010/12/31のBlog
ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

昨日までの生温かい空気が、一気に冷え冷えとした空気
に入れ替わり、上空を雪を孕んだしぐれ雲が覆っていま
す。

2日前に行方不明になっていた美浜町のナベヅルとカナ
ダヅルが、再び日高町に帰還したという報せを鳥仲間か
ら聞きました。

孟子不動谷、平成22年、52度目の訪問です。

大晦日です。

今年の不動谷は、未来遺産調査で賑やかでした。向陽
中学校理科クラブの面々が、水田調査に、野鳥調査に
走り回りました。
そんな賑やかだった孟子不動谷も、平成22年最終日を
迎え、時折粉雪の降る冷たい気候の中、とても静かです。

いつもの鉄塔にオオタカが止まっています。
わんぱく公園のカワウも産卵しているので、彼女にとって
も、この寒い冬空でもすでに「春」なのでしょう。

「来年からちょっと作物を作りはじめようと思うてんのや」
そういって笑った森さんの畑に、セグロセキレイとハクセ
キレイが下りています。いと
ハクセキレイは孟子では渡りの途中に通過するだけの
旅鳥なのですが、今冬はこの時期に確認できました。
頭が黒色なので♂個体ですが、初列風切に幼羽が残っ
ているので、今年生まれの個体に間違いないようです。

そのまま水路道を歩きます。

そここからシロハラが「ピシピシッ!」と叫びながら暗い森
の中に飛び込みます。
ルリビタキの声も聞こえますが、森の奥深くで、出てくる気
配はありません。

ひときわ高いハゼの樹に、10羽余りのイカルの群れが来
ています。
キキコーキコー
澄んだ声で鳴き交わしながら、ハゼの果実を咥えています。
ハゼの果実を咥えたイカルは、その不格好なまでに大きな
黄色い嘴に生えた「缶切り」のような刃で果肉をそぎ落とし、
種子をバリバリッと万力のようにつぶして食べてしまいます。

ハゼノキにとって、種子をつぶして食べてしまうイカルはたぶ
ん「招かざる客」なのでしょうが、自然の摂理は鷹揚に彼らの
「食」を受け入れます。

イカルと競い合うように飛来するツグミたちは、果実を丸のみ
にし、果肉を消化して種子は糞と一緒に排泄するハゼノキに
とっては大変ありがたい「種まき鳥」なのです。
いっぱいに果実をつけたハゼノキの樹は、ありがたいツグミも
、ありがたくないイカルも、同様に、鷹揚に、受け入れます。

故・後藤伸先生が自著「明日なき森」の中にこんなことを記し
ています。
「どんぐりは森の動物の大切な食糧です。どんどん食べられ
たら良いんです。たとえばそれがカシの樹なら、そのカシの
樹が枯死するまでに、1本のカシの樹が生産できたら、それ
で成功なんです」

ハゼノキも、カシと同じ心境なのでしょう。
「儂が枯れて倒れるまでに、ハゼノキが1本育てば本望。イカ
ルさんや、どんどん食べなされ」
里山のエコシステムは、ことほど左様に鷹揚にできているの
でしょう。

ハゼの実を美味しそうに食べるイカルを見送ってしばらく歩く
と、また懐かしい声に足が止まります。
「ヒィフゥー ヒィー」
ウソの声です。
声のする方をじっくり探すと、コナラの枝先にぽったりと止まる
♀のウソの姿があります。
今冬、孟子でウソの姿を観察したのは、初めてのことです。
今日の一気の冷え込みに、山が風雪に凍り、それに呼応して
孟子まで下りて来たのです。
その後も上空を、小規模な群れは「ヒィフゥ」と鳴き交わしなが
ら通過するのを、何度も確認できました。

天堤池の上空を、アオサギの成鳥が翔けています。
「グララ グララ」
濁った声で鳴きながら、時雨雲の垂れこめる寒々とした空を
バックに、大きく旋回しています。

北風が強く谷を走り、鼠色の時雨雲から、雪片が落ちてきます。

今日は、本当に、寒いです。

そろそろ帰途につきます。
行きに水路道を通ったので、帰りは参道を歩きます。
行きにオオタカが止まっていた鉄塔に、今度はノスリが止まっ
ています。
今年孟子で越冬しているノスリは成鳥で、目が優しい黒褐色を
しています。

参道沿いのモモの樹に、お腹の白い小鳥が数羽止まっていま
す。
双眼鏡で確認すると、カシラダカです。
はるかカムチャツカ半島から冬鳥として渡来する小鳥で、孟子
のような田畑のそばに雑木林のある環境を好んで越冬します。
頭に黒い夏羽を残している♂も混じっています。
カシラダカは漢字で書くと「頭高」
頭にある冠羽を逆立てると、頭が高く見えるのでこの名があり
ます。

チッ チッ
小さな声で鳴き交わしながら枝に止まるどの個体も、冠羽を逆
立て、とんがり帽子をかぶったように見えます。

33種、ひととおりの冬鳥を確認できました。

みなさん
今年もいろいろな場面で一方ならぬお世話になり、本当にあり
がとうございました。
平成22年は、わんぱく公園長2年目ということで、ひたすら突
っ走ってまいりました。
また今年は、日本ユネスコ未来遺産プロジェクト1年目というこ
とで、向陽中学校の諸君と一緒に、どっぷり孟子に自然に浸か
り込み没頭する日が多かったように思います。

来年はわんぱく公園も3年目、未来遺産プロジェクトも最終年
となります。
おそらく来年も、今年以上に皆さまにお世話になる機会が増
えることと思います。

平成23年が、みまさまにとっても、ビオトープ孟子にとっても
、実り多き一年になることを祈念しつつ、平成22年最後の孟
子不動谷便りを、締めくくらせていただきます。

みなさん!! 良いお年を!!!
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<鳥類>
アオサギ、オオタカ、ノスリ、キジバト、アオバト、コゲラ、キセキ
レイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ
ルリビタキ、イソヒヨドリ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ
ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、クロジ
アオジ、カワラヒワ、ウソ、シメ、イカル、スズメ、カケス
ハシボソガラス、ハシブトガラス
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
2010/12/26のBlog
ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

一か月のご無沙汰でした。
公園の業務ばバタバタしていたこともありますが、あり
もとはしばらく日高郡美浜町に通っていました。

今冬、美浜町は渡り鳥のパラダイスになっています。
ナベヅルが最大14羽まで渡来し、その中に県下初記
録となるカナダヅル幼鳥が混じっています。
それにハイイロチュウヒ♂が1羽越冬し、美浜町の水
田に越冬するカワラヒワやスズメの大群に依存して、
ハンティングを見せてくれています。
それに、ホシムクドリ、コクマルガラス、ミヤマガラスに
、一回だけの確認ですが、オガワコマドリまで記録され
ました。

美浜町の水田地帯は、和歌山県立日高高校生物部員
により営々と調査がなされ、県下随一の渡り鳥の宝庫
として知る人ぞ知る好ポイントなのですが、今冬ほど、
珍しい渡り鳥が集中する年も珍しいのです。

そんなことで「浮気」して、孟子に1ケ月訪問していなか
ったのですが、今日、今年最後の未来遺産調査で、向
陽中学の理科部員17名を迎えるということで、久々に
孟子不動谷を訪れました。

美浜町が前述のように珍しい渡り鳥でごった返している
のに対し、わんぱく公園でも同じような傾向がみられる
のですが、今年は孟子も雑木林の小鳥の個体数が少
ないです。

今日もなんとか29種の確認ができたものの、しっかり観
察できた種類はほんの数種と、本当に鳥影の少ない孟
子不動谷でした。

まぁ長年調査していたら、こういう年もあるのですが、や
はり我がホームグラウンドに冬鳥が少ないのは、寂しい
ものです。

そんな中朝10時
向陽中学の面々が到着しました。

本日のテーマはフクロウに巣箱作り
今日はうぐいす台エコクラブの松本朱実先生も一緒に
巣箱かけに参加してくれました。

延命地蔵から南西に入る谷を詰めたところに立つスギ
の大木の根元の穴に営巣しているフクロウはほぼ毎年
獣(タヌキが多い)に卵を食べられて繁殖が成功してい
ません。
2009年はとうとう巣穴を覗きに飛来したものの、産卵
は行いませんでした。

フクロウのような定住性の強い、寿命の長い猛禽類は
繁殖が滞ってもそのペアは生き続けるので、ちゃんと生
息しているので安心していると、新しい子孫を生産でき
ないまま落鳥して、姿を消してしまうという危険性が大き
いので、今回の未来遺産調査により巣箱を架設し、繁殖
の担保性を上げるとともに繁殖状況を無人カメラを設置
することでモニタリングするのが目的です。

中学生がやるにはかなり高レベルな調査ですが、本当に
孟子の自然が好きな彼らにこれを経験してもらうことで、
必ず彼らの将来にプラスになると確信しての取り組みです。

小林君が巣箱を担ぎ、その後を林君が支え、他の15名
も廻りを囲んで、延命地蔵南西の谷を登ります。

この孟子便りでかなり詳細に記述しているのでご記憶の方
もおられるかもしれませんが、2年前の11月、この谷は、
時間雨量100mm超の集中豪雨に見舞われ、土石流が
発生し、谷の形状が大きく変化しています。
その豪雨の後、ありもともこの谷に入っていなかったので
地形がこれほど変わっているとは思いもよりませんでした。

事前に一度歩いておくべきでした。
比較的登りやすい山道であったところが、その山道がそぎ
落とされ、登りづらくなっています。

小林君!ゴメン!!
心の中で何度も叫びながら、彼らを気遣いつつ、漸く営巣
地のスギまで辿り着きました。

スギの樹が太過ぎるので、隣りのコナラの樹に巣箱を設置
します。
結構重たい巣箱なのでありもとが背中で支え、それを学生
たちが携えてきたロープで幹に固定します。
コナラの生えた斜面も急で、作業が思うにまかせませんが
なんとか幹に固定することができました。

地形が変わっていて小林君には気の毒なことをしてしまい
ましたが、自力で担ぎあげた巣箱を自力で架設する経験を
通して、彼らが得たものは大きいと思います。

今回の未来遺産調査を通じて、ありもとは、彼らにもてる知
識はすべてさらけ出して提供はしますが、それをまとめたり
採集の作業をしたりするのは全部彼らに任せるようにして
います。

自然の中で膨大な時間過ごすことで、またその中で作業を
じっくり行うことで、彼らの語る言葉に「重み」が出ることを、
彼ら自身に体感してほしいのです。
これは社会に出て、どんな仕事についても通用することで、
一生懸命頑張ること、すべてのプロセスをしっかり自分で
体験することで、それについて自分が他人に話す際に、言
葉に重みが増し、説得力が増すのです。
また、人に伝えることを目的で行う学習は、最も効果的で、
学習効果の高いプロセスであるということを、彼らに知って
欲しいと思っています。

そしてその副産物として、自然大好きな彼らに、自然の深遠
さと楽しさが伝われば、今回の未来遺産調査は、大成功だと
ありもとは思っています。

そのために、時間をかけて、自然の中で、出来る限りすべて
の行程を、彼らに体感してもらいたいと思っています。

重い巣箱を担いで谷を登り、その巣箱を取り付け、そして下る
だけで、午前中の調査行程は完了です。

このシンドイ作業を笑顔で行ってくれた小林君と林君の背中を
今日見た下級生の諸君には、先輩を尊敬する心も芽生え、彼
らの思いをしっかり引き継ごうという「自覚」も生まれると思いま
す。
「後輩が先輩を尊敬する」という当たり前の事柄を、しっかりと
胸に刻ませるためにも、ちょっとはシンドい作業を彼らにさせ
る必要もあると思っています。

こういう長くてシンドイ作業を生徒にしっかりとさせる時間を捻出
してくれる顧問の前川先生の功績も非常に大きいと思います。

午前中のメニューを終え、前川先生に連れられて、14名の生徒
諸君は帰路につきましたが、林君、高橋さん、西林君の3名が
孟子に残るというので、ありもとも昼食後つきあいます。

「せっかく残るんやからデータを取りたい」
そう真剣なまなざしで喋る林君に触発され、ありもとも何かとれ
るデータを考えます。

冬鳥のデータを取ろうと思い、天堤池まで歩きますが、ヒヨドリ、
モズ、ルリビタキの3種しか出ず、これは無理だとあきらめます。

その時根来昆虫調査隊でオオムラサキ調査をしていた高橋翠
さんが「ヒント」をくれました。
「ありもとさん! エノキの樹無いん? ゴマダラチョウの幼虫
調べようよ!!」

ありもとも膝を打ちます。
冬の調査としては格好の材料です。

天堤池までに山道にある目立つ4本のエノキと、きみひろ池の
池畔に立つエノキの樹下で、「神経衰弱」を行います。

「ほらいてた!!ゴマダラの幼虫やで!!」
高橋さんの元気な声が響きます。
この子は本当にチョウが好きな子です。
本当に目を輝かせて、エノキの落ち葉をひっくり返しています。

林君はエノキの樹をしっかり撮影し、どちらの方角に何頭の幼
虫がいたかを、しっかり記録しています。

「また、新しいデータを取ってしもうた!これでまたまとめる時間
が増えてしまう!勉強の時間が無くなるわ・・・」
そう苦笑しつつもなぜか楽しそうで「オマエらも手伝えよ!!」
と高橋さんと西林君に言う姿は、すっかりリーダーの風格を漂わ
せています。

・自然の中で、しっかりと長い時間をかける。
・その調査を、しっかりと楽しむ。
・調査データを、しっかり時間をかけてまとめ、ありもとのアドバイ
 スを参考にしつつ、自分で考察してみる
・他人に伝えることを目標に、プレゼンの資料をまとめる

来年もこのプロセスだけは、しっかりやらせようと思っています。

「オレ、今年で卒業やけど、オマエら来年大丈夫か?」
そう心配する林君を安心させるためにも、引き継いだ下級生たち
にしっかり上のプロセスを経験させることで、林君がそうだったよう
に、下級生諸君も成長してほしいと思います。

さぁ!!明けて平成23年
いよいよ未来遺産の「ラストイヤー」です。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<鳥類>
 カイツブリ、ノスリ、キジバト、アオバト、コゲラ、アオゲラ、セグロ
 セキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、ミソサザイ、ルリビタキ
 ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ
 シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、クロジ、マヒワ
 カワラヒワ、シメ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
2010/11/13のBlog
ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

今日は未来遺産調査です。
9時に向陽中学を迎える前に6:30 孟子不動谷に行きます。

朝もやけぶる薄暗い水路道を歩きます。
今年はクロジの個体数が多いです。
ネザサ藪から飛び出して、コナラの横枝に止まります。

アオジとクロジはどちらもネザサ藪が好きな鳥です。
しかし人に驚いて逃げる逃げ方に違いがあります。
アオジはネザサ藪を低く移動して逃げることが多いのに対
して、クロジは樹上高くに移動して逃げます。

この両種の違いはかなり顕著で、薄暗くて羽衣の区別がつ
きにくい時でも、その「逃げ方」で察しがつく場合が多いです。

道の真ん中にアオジと思われる小鳥の1羽分に羽毛が円
状に散っています。
ハイタカ類の食痕です。
おそらくハイタカのものだと思います。
彼らは森の中を潜行する忍者のような狩人で、渡来しても
なかなか姿をとらえ辛いのですが、このような食痕で渡来し
ていることが確認できます。

といっても食痕だけではツミの可能性もあるので、なんとか
姿を探したいと思います。

上空のアトリ類の群れが次々と渡っていきます。
カワラヒワ、マヒワ、アトリ、イカル、シメ、ベニマシコ、ウソ・・・
孟子で記録のあるアトリ類が全種確認できました。

ルリビタキもジョウビタキも入っていますが、まだ個体数は少
ないです。

先週くらいからソウシチョウが久々に渡来して、囀っています。
このチメドリ科の帰化鳥類は、1998~1999年の冬に多量
に確認できたのですが、その後めっきり見かけなかったので
すが、久々に声を聞きました。

ジェー ジェジェジェー
カケスが独特のダミ声で鳴きながら上空を過ぎていきます。
今年は本当にカケスが多いです。

那賀寺の庫裏の前に草地にアオジの群れが下りています。
近寄って観察してみます。
アオジは孟子ではごく普通の鳥ですが、藪の中を潜行してな
かなか姿を見ることが難しい鳥です。

前に草のケラレが入りましたが、なんとか♂♀の姿を結構
近くで撮影することができました。

グアララ グアララ・・・
ハシブトガラスが騒いでいます。
この声でハシブトガラスが騒ぐ時は普通猛禽がいる時です。
数羽のカラスが執着している森を観察していると、1羽の褐
色の小型のタカが飛び立ちました。

ハイタカの幼鳥です。
コイツがおそらく、水路道でアオジをバラしたのだと思います。
ハシブトガラスに追い出されて、上空で旋回上昇したあと、林
の中に突っ込みました。

いつの間にか9時になり、向陽中学の面々が孟子に到着しま
した。

まずはとんぼ池(A地点・B地点)と荒糸川の水を採取し、パッ
クテストを行います。
PH、リン酸値、アンモニウムイオン値、BOD・・・・
定番の値を次々に測定していきます。
生き物調査の際にはなかなか測定する時間が取れなかった
ので、一通りの生き物調査を終えたこの時期に、一気に測定
してしまいます。

ひととおりの測定を終えて11時
いよいよみんなで孟子の森林の植生の観察を行います。

孟子不動谷の特徴は、最大標高200m前後の丘陵地型であ
るにも関わらず、山地性の鳥類の生息種数が多いことです。
それは緑色片岩による肥沃な土壌の上に形成された里山とし
ては比較的樹高の高い落葉広葉樹優占の森林が形成されて
ることと、里山が放置されて中層に灌木の藪ができ見通しの悪
い森林になっているためです。

植生遷移が進み、樹高の高い、見通しの悪い林になることで、
ウラナミアカシジミ等の本来の手入れの行きとどいた里山林
を住処とするチョウが減少しているのに対して、鳥類の種組成
が一気に豊富になったということです。

森林の植生遷移とそこに生息する動物との因果関係は、本当
に複雑で難しいものです。

手入れの行きとどいたすっきりした里山林にすることで、里山
独特の昆虫類は栄えますが、逆に鳥類の種組成は貧弱にな
ります。
いっぽう植生遷移が進行して里山独特の昆虫類が減少すると
今度は鳥類の種組成が豊かになります。

どちらが「良い」「悪い」ではないのです。

未来遺産として指定された所以は「里山」だとしたら、やはり手
入れの行きとどいた里山林をある程度保全しなければなりませ
ん。

しかし一方孟子不動谷の大きな特徴である鳥類の豊かさも失
いたくないので、天堤池周辺の林は下層の発達をそのままに
保全したいものです。

これを実現するには、森への手入れの度合いを変えていくしか
ないでしょう。
これこそが昔の里人が行った「奥山に思想」に通じる管理のし
かたなのでしょう。

中学生である彼らには難しすぎる問題でしょうが、この年齢から
こういうことを考える習慣をつけることは、きっと彼らの将来にお
いて、プラスになると信じて今回、この観察を調査メニューに入
れました。

「森を保全する手法は、その森をどんな森として保全するか?
つまり、植生遷移をどの時点で止めて管理するのかによって
大きく変わるものなんよ。だから、何が正しくて何が間違ってい
るかということは、決して一意に決まるものではなくて、保全し
ようとする森のタイプによって異なるものやということを覚えて
おいてほしい。正解が1つではないことが、自然科学の一番の
特徴で、また一番の魅力なんやで」

このことが、今回彼らに送りたかった「メッセ-ジ」でした。

来る12月11日
和歌山県立自然博物館レクチュアルームにて、彼らの「檜舞台」
が待っています。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<鳥類>
カイツブリ、カワウ、マガモ、ハイタカ、キジバト、アオバト、コゲラ
アオゲラ、キセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ
ルリビタキ、ジョウビタキ、ノゴマ、シロハラ、ツグミ、ウグイス
ソウシチョウ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ
アオジ、クロジ、カシラダカ、アトリ、カワラヒワ、ウソ、ベニマシコ
イカル、シメ、スズメ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
2010/11/08のBlog
ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

いつの間にか、立冬を過ぎていました。
一気に寒気が入り込み、暑かった秋が、冬に衣替えを済ませ
たようです。

11月7日、86人のお客様を孟子に迎えるので、わんぱく公園
を数時間抜け出して、孟子に行きました。

犬飼池に30羽ほどのオシドリが下りています。
ありもとの気配に驚いて飛び立ちましたが、池畔に降りてどんぐ
りを食べていたようです。
本当に今年はオシドリが多いです。

ジョウビタキとルリビタキの声が、雑木林の中から聞こえていま
す。
ツグミが上空を通過し、水路道のいつもの藪に、シロハラが来
ています。
暦は本当に正直です。孟子も冬鳥の季節になりました。

明けて11月8日
久々に貴志川河川敷を歩きます。
ノビタキはまだかなり残り、アリスイも1羽確認しましたが、ノジコ
やノゴマは確認できません。
アオジ、オオジュリン、カシラダカが揃い、川の奥のツルヨシ群
落にはベニマシコの幼鳥が来ていました。

オオブタクサの種子に、夥しい数のオオカワラヒワとアトリの群
れがついています。
アトリの群れの中に、見事な夏羽の個体を見つけました。

高水敷の草地の上を、ツグミが歩いています。

貴志川の渡り鳥も、もうほぼ「冬鳥」にかわっていました。

鼠色の時雨雲から時折雨粒が落ちるうっとうしい天候の中、
孟子に入ります。

山案山子のテラスに、クロジの♀が死んでいます。
モズか何かに追いかけられて、あわててガラスに当たったので
しょう。
今年「初見」のクロジは、死骸でした。

蕎麦狩りに大忙しの丸嶋さんの傍らで、キセキレイが杭の上に
止まっています。
雨覆羽の縁に淡色部のある、若い個体です。

セグロセキレイの幼鳥は、すっかり成鳥羽に換羽を済ませ、電
線に止まって囀っています。

モズの高鳴きが賑やかです。
小川さんの庭付近に1羽入っている♂が、小川さんの庭のイチ
ョウの樹上で、けたたましくナワバリの詩を歌っています。

クロコノマチョウの蛹に、すっかり翅を延ばした秋型♀が止まっ
ています。
どんどん緑色の蛹が増えているのに、どういう訳が終齢幼虫の
姿を見つけることができません。
昼間は土の中にでももぐっているのでしょうか?それとも、茎の
中にもぐるのでしょうか?
とにかく見えるのは蛹と羽化した新成虫だけで、幼虫の姿は、
どれだけ探しても見出すことができませんでした。
こんな普通種のチョウなのに、一歩その生態に踏み込むと、わ
からないことだらけです。

水路道を戻り、犬飼池に戻ります。

池畔の藪の中で、クロジの群れを見つけます。
今年初めてクロジと対面です。

結構近い枝先に♀が出てきて止まったので、記念撮影させて
もらいました。

一気に冬のたたずまいになり、冬鳥が一通りそろったことを確
認できたので、ありもとは一路、和歌山市永穂に向かいます。

11月に入り、和歌山県にナベヅルが結構渡来しています。

美浜町和田不毛に2羽、御坊市塩屋水田に6羽と飛来し、
白浜町や田辺市などでも見つかったようです。

そしてとうとう11月5日、和歌山市永穂の水田に3羽飛来して
いることを、和歌山県環境生活総務課自然環境室の谷脇さん
に教えてもらったのでした。

この周辺には1997~1998年の冬、30数羽が飛来し越冬
し、その後も不定期に飛来が確認されています。
和歌山市の地図を見ても、和歌山市周辺でツルがおりそうな
のは、この周辺と岡崎周辺くらいなのではないでしょうか??

新24号線を西に走り、永穂の交差点を南西に折れると、広い
水田地帯が広がり、そのまん中に、3羽のナベヅルが下りてい
ました。

ありもとにとっては本当に久々のナベヅルとの出会いです。
すぐ近くで農作業をするおじさんを少し気にしていますが、それ
ほど警戒するそぶりもなく、水田で盛んに餌をさがしています。

谷脇さんが観察したときは、農作業の車が来て飛び立ち西に
消えたようですが、それは渡来直後であったらかのようで、もう
周辺の農作業の人々の営みには慣れたようです。

1997年の個体は、毎週のように観察に行きましたが、一度
バードウオッチャーが無理に近づいて飛んだのを見ただけで、
農作業の車や人には一応警戒はするものの、飛び立つことは
無かったです。

彼らの日本における「本来の」越冬地で、万単位の越冬個体
群の生息する鹿児島県出水市周辺も広大な水田地帯で、農
作業の人に関する過度な警戒は示さないのが普通なのでしょ
う。

ありもととツルの距離は100m強。
この距離さえきちんと守れば、ツルたちも過度に警戒するこ
ともなく、のんびり餌をついばんでくれています。

立冬が寒風を運び、それに乗って、和歌山市にもナベヅルが
降り立ちました。

これでいよいよ、「冬本番」ですね。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<孟子鳥類>
カイツブリ、オシドリ、キジバト、ケリ、コゲラ、アオゲラ、キセキ
レイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、ルリビタキ
ジョウビタキ、ツグミ、シロハラ、イソヒヨドリ、ウグイス、ソウシ
チョウ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、ア
オジ、クロジ、カシラダカ、アトリ、カワラヒワ、イカル、シメ
スズメ、カケス、ハシブトガラス、ハシボソガラス
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
2010/11/01のBlog
ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

10月25日、ありもとは理事長とともに、名古屋に赴きまし
た。
COP-10開催地である名古屋国際会議場に隣接する名
古屋学院大学名古屋キャンパス白鳥学舎で開催された
「ユネスコ 未来遺産運動と自然再生」において事例発表
を行うことが目的でした。

ちっぽけな取り組みとはいえ、孟子不動谷の地で、生物多
様性保全を行っている身として、COP-10本会議場のフ
ォーラムゾーンで、10分間とはいえ喋る機会を得ることが
できたことは、大きな財産になったものと思います。

翌10月26日、「ユネスコ 未来遺産運動と自然再生」の
エスクカレーションとして、ユネスコ未来遺産指定の多様性
保全の仲間である、いきもの不思議の国・中池見湿地(福
井県敦賀市)、久保川イーハトーブ世界自然再生事業(岩
手県一関市)の面々が孟子不動谷に来場されることにな
っています。
10時にJR和歌山駅にお迎えに行くということで、朝6:30
「下見」の目的で孟子に行きました。

カケスが相変わらず叫び声をあげています。
天堤池では、美しい羽衣に身を包んだオシドリが泳いでい
ます。
今日お迎えする方々はみんな北国からのお客様なので、
和歌山のできる限り「南起源」の動植物をお見せできれば
と思っています。

一番の「スター」は、近畿地方特産のトンボ・ナニワトンボ
で、25日に再会した東京大学・須田先生にも「ぜひ!」と
言われているのですが、朝から時雨模様の天気に、黄信
号がともっています。

そんな中、ごく普通種ですが、南起源の昆虫を見つけました。

先日いちいがしの会の来訪を受けた時、後藤岳志先生の
御子息が見つけた、クロコノマチョウの蛹が羽化しています。
和歌山ではもうごく普通種で、孟子でもしっかり越冬している
のですが、福井や岩手ではまだ、そんなに定着していないこ
とでしょう。

普通種とはいえ、なんとか「お土産」ができそうです。

岩出町のレンタカーショップでバスをレンタルして、そのまま
国道24号線を走り、JR和歌山駅を目指します。

10時に到着したJR和歌山駅東口には、皆さん勢ぞろいして
おられます。
中池見の方々、久保川の方々、水ネット東北の方々に加え
て、和歌山大学の原先生、和歌山NPOセンターの高橋さん
の顔も見えます。
総勢15名
和歌山の旅が開始されました。

紀州藩55万5千石の和歌山城のまわりを一回りしたあと、
総面積47ha、近畿最大の干潟・和歌浦干潟を窓の外に見
ていただき、海南市わんぱく公園に到着です。

わんぱく公園にもナニワトンボは多産しているのですが、ど
んどん雨雲が湧き、北風が吹く天気に、全く出てくる気配は
ありません。
公園に展示しているナニワトンボの標本を恨めしそうに眺
める東京大学の須田先生と桶田さんには、本当に申し訳な
いのですが、この天候では致し方ありません。
カワウのコロニー効果で産するアカマダラコガネや、東日本
では珍しい長翅タイプのヒメギスの♀、それに熱帯性の昆虫
タイワントビナナフシの標本に、とても喜んでいただいて、少
しはほっとしました。
また、すいれんの谷に多産する食虫植物・コモウセンゴケも
久保川にも中池見にも分布していないということで、なんとか
唯一「生物(なまもの)」を喜んでもらえました。

ガーデンレストラン・シャンボールで昼食を取ったあと、今や
全国区になっているわかやま電鉄貴志川線の終点・貴志駅
に赴き「タマちゃん」と対面していただきました。
カワイイ(?)三毛猫のタマちゃんに女性陣は大喜び!!

その後、貴志川町神戸平池に向かいます。
ここには希少水草であるオオミクリ、オニバスが自生してい
ます。
須田先生が水草が大好きということで、急きょ訪問することに
したのです。
オオミクリは和歌山県ではここらあたりでしか記録のない貴
重種で、須田先生も大喜びです。

残念ながらオニバスは終わってしまっていましたが、オオミク
リが多数大きな実を付けていたので、本当に良かったです。
大きな果実が数個ついた花柄を1本、お土産に差し上げて、
一路・孟子不動谷を目指します。

孟子不動谷入口では、和歌山大学・中島敦司教授がお出迎
えです。
なごやかに談笑しながら、参道を歩き、途中ジュズダマにクロ
コノマチョウの食痕を見つけて蛹探しをしたりしながら、山案
山子テラスに到着です。

ログハウスの中で、里山文化や多様性について、それぞれの
フィールドのとっておきの話を披露しあい、和やかなエスクカレ
ーションとなりました。

今年は生物多様性年です。
そんな年に、日本ユネスコのおかげで、COP10の会場の雰
囲気を肌せ感じることができ、また、かけがえのない仲間たち
と、孟子をはじめ和歌山北部の地で、エスクカレーションの経
験もでき、本当に有意義な2日間でした。

今後も、たゆまぬ精進をし、孟子の多様性を保全してゆかね
ばならないと、再認識した2日間でもありました。
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<孟子鳥類>
カイツブリ、アオサギ、オシドリ、トビ、キジバト、カワセミ
コゲラ、アオゲラ、キセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ
ヒヨドリ、モズ、キビタキ、シロハラ、ウグイス、エナガ、ヤマ
ガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、イカル
シメ、スズメ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
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