紛争地から見えてくるもの ジャーナリスト玉本英子さんに聞く(3)

川西市男女共同参画センターのnewsletter
HOPP vol.14の記事。
紙面には載せられなかったエピソードも含めて
ロングバージョンでご紹介します。

コラム1
●忘れられないエピソード

2006年、イラクのアルビルという街で、警察官の面接試験を受ける若者たちの列に自爆犯が突っ込み100人以上が死傷する事件がありました。直後に取材に行くと、血が海のように道路に流れ、人の遺体があって。その時は本当につらかった。
 気が動転しながらも、自分で頬の肉をグワーってかんで「泣いてはいけない、ちゃんと記録せなあかん」って、必死で撮影しました。
 現地の男性記者が泣いていて、その人の背中ひっぱたきました。「アホかー、泣くなー、涙がうつるやないかー」って。彼は「何で外国人にたたかれなあかんねん」って思ったかもしれませんね(笑)。

コラム2
●大人気のおみやげ

 イラクでは韓国製の顔のパックがすごく喜ばれます。子どもには、百円均一の女の子の着せ替えシールとシャボン玉。一回ふっと押したらたくさんのシャボン玉がいっせいにブワーって出るんですよ。とても喜んでくれます。取材の荷物の半分はおみやげです。子どもはね、外国から誰か来て何かくれたら嬉しいでしょう。

●玉本さんオススメの本
『ジャーナリストはなぜ「戦場」へ行くのかー取材現場からの自己検証』
危険地報道を考えるジャーナリストの会・編/集英社新書

●玉本英子さん関連サイト

写真展の内容はこちらでもご覧いただけます。

*この記事は市民リポーターの濱崎輝さんに取材&作成していただきました。