時実新子の川柳と慟哭


・日時:7月12日(木)午後1時半〜3時半
・会場:すばるホール(富田林市)
・講師:平井美智子先生(大阪市生涯学習講師)
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〇時実新子(ときざね しんこ)(1929〜2007年)
・岡山県生まれ。川柳作家。
・25歳で新聞への投句から川柳を始め、34歳、初の句集『新子』を自費出版。その奔放な詠みぶりは川柳界の与謝野晶子と呼ばれた。

*右上は、平井美智子編の『時実新子の川柳と慟哭』(新葉館出版、平成29年11月)。

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〇時実新子の川柳と慟哭
(1)夫への愛(抜粋)
・「嫁ぎ来て十年恋はまだ知らず」
・「箸重ねて洗う縁(えにし)をふと思う」
・「大声で叫びたい日の妻の位置」
・「現実はあなたの膝にあなたの子」
・「いちばん遠い人かも知れぬ夫と妻」

(2)息子・娘への愛(抜粋)
・「旅に出て思う長女のランドセル」
・「つなぐ手の母なり子なりすべてなり」
・「子は日々育ってむごいことを言う」
・「子には子の生き方がある雪がふる」
・「母だから泣かない母だから泣く日」

(3)父への愛、母への愛(抜粋)
・「父あわれ太田胃散が膝に散り」
・「ひとことも言わずに母は粥を煮る」
・「母の祈りに私の未来縛られる」
・「親は要りませんから橋から唾を吐く」
・「花咲けば父花散れば母の事」

(4)恋人への愛(抜粋)
・「雨の街短く逢って満たされる」
・「菜の花の風はつめたし有夫恋」
・「どうしても好きで涙が膝に落ち」
・「ほんとうに刺すからそこに立たないで」
・「じんとくる手紙を呉れたろくでなし」