日本の高齢者の“七不思議”

日本の高齢者の“七不思議”

中国人の目に映った日本の老人たちの「なぜ」

123456 こうした質問が出るのは、中国では社交ダンスが中高年層の楽しみとして、地域の娯楽になっているという背景がある。

夜ともなると、地域の広場には「踊る中高年」が、どこからともなく沸いて出てくる。

 中国にはアクティブシニア向けに「老人大学」と呼ばれるコミュニティがあり、そこでは社交ダンス、タップダンス、卓球、太極拳などの、体を動かすメニューが多い。

日本が「静」なら中国は「動」、そんな違いが浮き彫りになる。

 また、富裕層のアクティブシニアには、「リゾートマンションを買って、夏は大連、冬は海南島で過ごしたい」「渡り鳥式に各地、各国の介護サービスセンターを尋ねて過ごしたい」というニーズが強い。

中国の高齢者は「移動性」が高いという点においても特徴がある。

「薬に頼らない健康づくり」がカギ
背景に医療への不信感

 高齢者の健康づくりも、日本人と中国人では異なる。

 例えば、中国の朝の公園では太極拳を楽しむ高齢者の姿をよく見るが、これはまさしく自分の健康維持のため。

「自分の脚が動かなくなったら終わりだ」という恐怖感を常に背負う中国の高齢者は、朝に夕に広場に出てきては競歩やストレッチ、器具を使った運動などを徹底して繰り返す。

 中国の高齢者の心理には、保険制度の未整備、儲け主義の病院、袖の下を要求する医師、効果のない外資系の薬、というような、「医療への不信感」がある。

中国の大都市には、富裕層向けの高質な医療を提供する医療機関も存在するが、一般市民にとっては縁のない場所だ

。「薬に頼らない健康作り」は、高齢者共通のキーワードなのである。

「日本の高齢者はなぜ医療に頼る?」と感じるのは、そこに原因がある。彼らの目には、「日本人は医療への信仰が相当に強い」と映るのだ。