6次産業化にカリスマはいらない

6次産業化にカリスマはいらない
味の社会学(第11回)
2014.07.16(Wed) 菅 慎太郎

 地方活性化の有力な手段の1つとして「6次産業化」が叫ばれている。6次産業とは、1次産業としての「農業」、2次産業としての「工業」、3次産業としての「サービス業」を全部足す(場合によっては「掛け合わせる」とも言われている)と「1+2+3=6次産業」となることからそう呼ばれている。

農水省では、これを「農林漁業生産と加工・販売の一体化や、地域資源を活用した新たな産業の創出を促進する」と定義している。

 2010年12月3日には、「六次産業化・地産地消法」が公布され、農水省はその事業計画を認定し、農林漁業の振興を加速させようとしてきた。直売所や道の駅、漁協直営のレストランなどが分かりやすい例にあたる。

 農業によって得られた生産物を素材としてそのまま流通、販売するのではなく、加工や飲食店でのサービスとして付加価値をつけ、収益を増やそうするのは理解できる

いくらきれいごとを言っても、結局のところ「儲かるかどうか」が最も端的で客観的な農家や畜産業、漁業への評価なのである。

 しかし、定年退職後のサラリーマンが新規就農しても事業として成り立たせるのには困難を伴うように、産業で培う経験や技術、ノウハウは早々に乗り越えられるものではない。

それぞれの産業には「専門性」があり、「専任」することによって効率や品質は向上していくからだ。そう考えると、「6次産業化」を実現するためには、各々の分野に精通した「高度な人材」が必要となってくることが分かる

B級グルメでは地域を救えない

 90年代のバブル崩壊以降、地方経済は加速度的に衰退し、どこもかしこも「シャッター商店街」と化している。地方では人口減少と高齢化が顕著だ。

地域の担い手としての「生産年齢人口」が増えない限り、いくら補助金を積み増したとしても、地域だけで町の活性化を実現していくことは困難になっている。