解凍後の食感生かす…冷凍保存した材料

解凍後の食感生かす…冷凍保存した材料

食材があまった時に便利なのが冷凍保存。しんなりするなど食感が変わる食材が多いが、その特徴をうまく生かせばおいしく料理できる

 冷凍した食材の調理法に詳しい料理研究家の池上正子さんは「サラダにして食べたい野菜やあくの強い野菜を除けば、ほとんどの食材が、生のまま冷凍できます」と話す。

 冷凍庫から取り出したのは、パックのまま冷凍した豆腐。しっかり水切りすることができ、これで作ったゴーヤチャンプルーは、豆腐に味がよく染みておいしい。パックに水が入っていない豆腐は冷凍に向かないので注意。 

〈ボウルに冷凍した豆腐をパックごと入れ、湯を注いで解凍する。豆腐を取り出し、手のひらで挟んで水分を絞り、大きめにちぎる〉

 水切りした豆腐を触ると、まるでスポンジのよう。

解凍した豆腐を両手で挟んで押し、水分を絞り出す

 〈ゴーヤは縦半分に切り、種とワタを除いて2ミリ幅、タマネギは5ミリ幅、豚肉は一口大に切る。フライパンに油を熱し、ゴーヤ、タマネギ、豚肉をいためる。タマネギが透き通ったら、豆腐、溶き卵、紅ショウガを入れていため合わせ、塩、しょうゆ各適量、粗びき黒コショウ少々で味を調える〉

 豆腐は硬く締まり、いためても崩れにくく味が濃い。マーボー豆腐にもお勧めだ。

 コールスローに使うキャベツの葉は1枚ずつはがして、太い芯を除き、水気を拭いて保存袋で冷凍する。解凍するとしんなりとするのでロールキャベツにも活用できる

 〈凍ったままのキャベツを袋の上から手でもんで砕く。袋にホールコーン、マヨネーズ、粉チーズ、酢小さじ1/2杯、塩、コショウ各少々を加えてよく混ぜ合わせる〉

 解けるにつれしんなりとしたキャベツが調味料とよくからむ。

 ジャガイモ、ニンジン、タマネギを保存袋で冷凍した「野菜セット」は、肉じゃが、シチューなどに使えて便利。

一口大に切り、ニンジン、タマネギは表面の水気を拭い、ジャガイモは水にさらし、ぬれたまま冷凍する。

少し乾いたような食感になり、変色することもあるが、「煮物にすれば気になりません」。

 トマトチキンカレーは爽やかな酸味が利いた夏向きの味。

 〈鶏肉は一口大に切り、トマト水煮はつぶす。鍋に油を熱して鶏肉をいため、表面が焼けたら水2カップとトマトを加える。

沸騰したら野菜セットを加え、蓋をして8〜10分煮る。ジャガイモが軟らかくなったら火を止め、カレールーを入れて溶かす。再び火にかけてしばらく煮る〉

 いずれも冷凍でおいしく食べられるのは1か月程度。池上さんは、「保存状態を良くするため、冷凍庫は常に整理しておきましょう」と話す。

 

 【材料=2人分】

 ■ゴーヤチャンプルー

 木綿豆腐1丁/ゴーヤ1/2本/タマネギ1/2個/豚バラ薄切り肉150g/卵2個/紅ショウガ少々

 ■コールスロー

 キャベツの葉5〜6枚/ホールコーン、マヨネーズ各大さじ2杯/粉チーズ小さじ1杯

 ■トマトチキンカレー

 野菜セット(ジャガイモ、ニンジン、タマネギ)200g/鶏モモ肉1/2枚/トマト水煮1/2カップ/カレールー適量

(2014年7月2日 読売新聞)