誰のための、何のためのNPO活動 —NPOユース合宿

はいどーも。久方ぶりです。

 今回は1月10日から11日にかけて参加したNPOユースの合宿のご紹介をいたします。

 この合宿は若手のNPOワーカー、活動家を対象に、明石市の明石公園の中のあさぎり荘という合宿所のようなところにて一泊二日で行われました。今回のゲストとしてせんだい・みやぎNPOセンターの代表理事をされている加藤哲夫さんがこられ、お話を聞かせて頂くとともに、皆で話し合うワークショップも行いました。

 加藤さんはご自身の活動の経験を通じて、NPO活動やコミュニティー等多岐にわたり話されました。その内容はとても興味深く、おもしろく、ためになるものでした。聴いていて非常に哲学的でありながら、実践的で、自分の考えとも共感できる個所も多数ありました。

 いきなり全部紹介すると、長くなりすぎて「史記」と同じくらいのボリュームになるので(確実になりません。もし本当になったら司馬遷もびっくり !!(゜ロ゜屮)屮 )、今回はまちづくりに関して述べられたことをもとに話していきます。

 まずまちづくり事業というのは市民参加型事業である、ということを述べられました。そしてそれを行う際に必要となるのが、リスクを負って人とを信用するということです。例としてはごみを決まった日や場所に捨てない人がいた場合、その人を責めるのではなく、その人はごみを捨てられない理由があるのだろうと考えて、皆でその人をサポートをする、といった感じです。この「責めない」ということが“信頼社会”を構築する際に必要な態度であるということです。

 後、安心社会と信頼社会の差についても興味深い説明をされました。講師によると安心社会というのはいわゆる“ムラ社会”のことで、こういった社会では人を信用、信頼するリスクがないということです。なぜなら皆お互いの顔を知っていて、つながりがあるからです。例えば誰々さんのところの息子といえば、その本人がどういう人間か新しく知る必要なく誰だか分ります。

 現在では意外と親に何事も相談する子供が増えていると聞いたことがあり、親と子供のつながりは昔よりも強くなっている傾向はあるかもしれませんが、その一方地域社会ではご近所づきあいが少なくなり、隣にだれが住んでいるのかあまり知らないというケースも増えているそうです。親族以外の他者と付き合って、共生していくときにはこのリスクを負って他者を信頼するという考え方は有効かもしれません。また学びの観点からみても知っている人や近い人とばかり付き合うだけではなく、あまり知らない人や自分と全く違う立場にいる人と付き合う能力というものもこれからは求められるのではないでしょうか。

 昔のよく顔を見知った者同士や血縁のコミュニティーが(部分的には)崩れてきた現在において、昔は良かったと懐かしむよりも、この信頼社会の構築ということの方が、現実の問題(地域の安全や助け合いのシステムの欠如など)に対処するための一つの方法になるのではないかな、と感じました。

 今回は手始めに、合宿の紹介とその中で出てきた一つのテーマについて極めて単純にまとめましたが、他にもまだ色々とあったので、またこの合宿のことに関しては言及していきたいと思います。