地名の由来を調べるシリーズ(久斗山編)

今日は、新温泉町の久斗山(くとやま)について書きます! 

 久斗山集落は、新温泉町の東部、香美町との町境に位置し、久斗川最上流の山間集落です。久斗山という名の山(標高650m)もあります。

 地名の由来はよく分かりません...。新温泉町は、平安中期には、温泉、八太、熊野、刀岐、陽口、久斗、二方、田公、大庭の九郷に分かれていたとされています。久斗という名称はこのころからあったんですね。
 鎌倉期〜戦国期にかけては、久斗荘という荘園だったようです。江戸時代には豊富な木材資源を背景に、鉄穴流し(かんながし:風化して砂のようになった花崗岩を川の上流からながし、砂それぞれの成分の差による比重差を利用し、砂鉄を取り出す工法)やタタラ(鉄を作るところ)が盛んだったようです。

 氏神は「大杉神社」。境内には樹齢700年と言われるオオヒノキがあり、県指定天然記念物。この大木の根元に古丹波の壺を埋めて濁酒が仕込まれています。地元では万年酒と呼ばれ、秋祭り(10/1)の時に神前に捧げ、豊凶を占います。直会式(なおあいしき)と呼ばれ、全国的にも少ない神事のようです。

 参考 : 兵庫県の地名(平凡社)
 角川日本地名大辞典「28 兵庫県」(角川書店)