わんぱくクラブと暖かい雨(平成23年2月26&28日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

2月26日8時 孟子不動谷にいました。
本日10時に、わんぱくクラブの面々が孟子にやって
きます。

ホーホケキョ!!
ウグイスの初音です。
2002年 3月20日
2003年 3月 1日
2004年 2月15日
2005年 2月20日
2006年 2月 4日
2007年 2月10日
2008年 2月 8日
2009年 2月10日
2010年 1月18日
2011年 2月26日
年明けからの低温は、ウグイスの生殖活動にもすく
なからず影響があったようです。
昨年孟子観測史上初めて、1月に初音が聞けたウグ
イスが、今年は2月末まで「沈黙」していました。
ウグイスの生殖ホルモン分泌を司るものが、若干は
「積算気温」の要素もあるという 証左なのかもしれ
ません。

丸嶋水田に探餌に降りていたキジバトが♀のハイタカ
の襲撃を受けて、すんでのところで逃げおおせました。
♀のハイタカはバツが悪そうに、コナラの横枝に止まっ
ています。

延命地蔵のそばの谷道を、ヤマドリの♀が歩いています。
今朝は鳥によく出あう朝です。

ニホンアカガエルの卵塊を調べます。
北原池 2
黒江池 9
きみひろ池 94
森さん水路 13
クランク水路 10
合計127個の卵塊を確認しました。
ここ数日暖かい日が続いていたので、もう少し個数が増え
ているかと期待しましたが、若干「立ち上がり」が悪いです。
これも遅れたウグイスの初音同様、積算気温の影響なの
かもしれません。

ノスリの成鳥が枝を掴んで飛んでいます。
これは大変興味深い行動です。
今年孟子ではこの♂成鳥1羽しか確認できず、♀の存在
は未確認なので、この枝運びも単なる「誇示行動」にすぎ
ない可能性もあるのですが、特筆すべき行動なのでしっか
り写真を撮ります。

ノスリは和歌山県では繁殖記録はありませんが、大阪府、
三重県などで近年繁殖記録が増えています。
孟子では2006年9月3日に、巣立ち雛のような若い幼鳥
を確認したことがあり、あまり遠くない場所で営巣している
のかもしれないという疑念を、ずっと持っていたのです。

今シーズンも1羽しか確認していないので「糠よろこび」にな
る可能性も大きいのですが、しばらく行動を見守りたいと思
います。

10時
わんぱくクラブの面々11名が到着しました。
お手伝いをお願いしていた山鷲君も到着し、孟子でのわんぱ
くクラブが開始しました。

まず森さんの水田の水溜りに産卵して、干上がりかけたニホ
ンアカガエルの卵を、水路に移動してもらいます。
「わぁードロドロで気持ち悪い!」
口ぐちに叫び声をあげながらも、めいめい卵塊を掌にのせて、
水路に向けて運んでいます。

この年齢の子どもたちにとって、「触る」ことは何よりの「勉強」
です。
この年齢のうちにカエルの卵を触っておくことは、彼らにとって
必ず何者にも替え難い貴重な体験になるはずです。

その後もクランク水路、きみひろ池、黒江池・・・とニホンアカガ
エルの卵塊をとにかく「触らせ」ました。

また、黒江池のそばの橋をめくって見つけたカスミサンショウウ
オの産卵待機中の成体も、バケツに入れさせ、触らせ、観察
させました。

この時期に卵をいじりまくられるのは、卵塊調査をしているあり
もとにとっては「迷惑」でしかないのですが、彼らのためには、お
もいっきり触らせることが一番の勉強なのだと信じ、触ってもら
います。

未来遺産調査を託している向陽中学の子どもたちと違って、小
学生ばかりの彼らに、小難しい理論をまくしたてても何の効果
もありません。
この年頃の子どもには、まず、思いっきり触らせることこそ一番
重要なのです。

自分の経験から言っても、この年齢の頃に触りまくって覚えた感
触は、上の学年になって教科書で習う生物の知識の上に、みず
みずしい「色付け」をしてくれます。
逆に言うと、この年齢の頃に、この経験をさせないと、生物の教
科書が「白黒」に写り、大学入試を終えると忘却するだけの、単
なる「受験対策のみの知識」に終わってしまうと思います。

生物多様性という言葉を、一般民衆の中にも植え付けようという
「里山イニシアチブ」の理念は、中学生以上の子どもたちにとって
、生物の知識が、「センター試験対策のみの知識」であっては、
「絵に描いた餅」に終わります。

そういう意味でも、彼らには思いっきり「触って」もらいたいのです。

取り組みとしては些細な取り組みかもしれませんが、これこそが
「里山イニシアチブ」を定着させる最も効果的な取り組みであると
信じつつ、行ってみました。

2月28日
朝から暖かい雨が降っています。

犬飼池に、久々にオシドリが下りています。
ありもとの気配に驚いて、谷の奥に飛んでしまいます。

雨ガッパを着て、ニホンアカガエルの調査を行います。
北原池 2
黒江池 14
きみひろ池 102(内21個孵化)
クランク水路 10(内 4個孵化)
森さん水路 20(内 4個孵化)

卵が孵化をはじめました。
孵化している卵も含めて、26日より21個増加しています。
これからどんどん卵の個数は増えることでしょう。

本格的な春はもうすぐそこです。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<鳥類>
オシドリ、ハイタカ、ノスリ、フクロウ、ヤマドリ、コゲラ、アカゲラ
キジバト、アオバト、ビンズイ、キセキレイ、ヒヨドリ、モズ
ルリビタキ、トラツグミ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ
ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、クロジ
ミヤマホオジロ、カワラヒワマヒワ、ウソ、シメ、スズメ、カケス
ハシボソガラス、ハシブトガラス
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@