「東北・三陸海岸 旅修行⑩:嵩上げ地と奇跡の一本松」

3月19日(木)。

引き続き、陸前高田のことです。

いろいろ聞いて調べて観て来ました。

陸前高田の市街地の多くが大津波で

流されてしまいました。

つるかめ鮨のおじさんに、震災前と後の

拡大写真を見せてもらいました。

国主導で最高12メートルの広大な

嵩上げ地が作られています。

被災地最大規模の国家予算が使われています。

設計図上では「ベストな復興計画だ」と

想定された実施されたこの大プロジェクトですが、

実際は陸前高田に住んでいた方の

およそ10%が震災で亡くなり、

嵩上げ工事期間が待てない等の理由で、

多くの人が他の地域に移住してしまい、

嵩上げ工事が完了しても、半分以上が

使用用途が決まっていない=空き地になるそうです。

実際起こっている設計者たちにとって想定外だった

人口流出現象によって、

少し大げさな表現で申しますと

「計画失敗」だったということです。

となると、つるかめ鮨のおじさんのような

更に借金を重ねた上で、嵩上げ地で

復興を決意された方々にとっては死活問題な訳です。

おじさん曰く「ある意味、震災時の苦しみよりも、

こっちの方が苦しみが大きい」とのこと。

震災って自然災害で、みんなが同じような苦しみを

背負った訳ですが、この都市計画の失敗って、

明らかに人災な訳ですよね。

かつての賑わいを取り戻そうと、

国や市町村主導でがんばっているようです。

「奇跡の一本松」で有名になった場所には、

大きな公園が出来ており、道の駅と、

入館無料の「東日本大震災津波伝承館」が出来ています↓

https://iwate-tsunami-memorial.jp/

この伝承館、大変見応えがあります。

かなりの来館者があるとのことです。

次の段階として、ホテルを作って、

観光客の滞在時間を増やそうという戦略のようです。

確かにハコモノ(ハード)を作ることも

必要なことかとは思います。

だけど、つるかめ鮨のおじさんとも話していたのですが、

旅人は何を求めてここに来ているかと言いますと、

どこにでもあるハコモノよりも、

その土地土地の義理人情(ハート)であったり、

その土地にしかないオリジナリティ(文化・歴史)なんですよね。

となりますと、行政主導のみの復興は片手落ちであり、

つるかめ鮨のおじさんのような郷土愛ハンパない

市民も積極的に巻き込んでまさに地域ぐるみで

行っていく必要があると観じました。

嵩上げ地が出来てしまったので、

何とも言えないのですが、

嵩上げ地を作ったことにより、

全ての郷土が白紙になったことで、

他の被災地とは別次元の、

復興に向けての難しさがあるように思いました。

【参考】ニュース映像 2020.3.11

https://www.youtube.com/watch?v=ZNk453fPIcM