「東北・三陸海岸 旅修行⑦:福島湯」

ゲストハウス3710には、シャワーしかないので、

白いカゴに入ったシャンプーセットを借りて、

近くにある昭和レトロ感満載の銭湯

「福島湯」に行って来ました。

宮古市街地では未だ銭湯が数軒あり、まだまだ健在です。

福島湯に入る前、この銭湯の裏側を通ったのですが、

そこに銭湯の燃料になる木材が

沢山積まれていたのですが、

それが明らかに地震津波で潰された

家屋や家財道具なんです。

何とも言えない気持ちになりました。。。

福島湯に入りますと、

何とも言えない昭和レトロ感に、

生まれて始めてこの町に来たのに、

めっちゃ懐かしいと思いました。

番台にいるおばさんも、お客さんたちも

みなさんとってもフレンドリー・仲が良くって、

旅人である私も何だか地元人になったかのような

気分になりました。

着替えを入れる場所が結構あったのですが、

どこも荷物が入っていました。

入っている人は4人しかいないのに・・・

番台のおばさん曰く

「みんな(常連さんが)荷物置いているからね〜 

8番は空いているよ」って、常連さんの量がハンパない(笑)。

しかも、入れる場所がイッパイなんで、

お風呂への入り口までも、

誰かのシャンプーセットが4つ程置かれてるし(笑)!

浴槽に入ってますと、4歳くらいの男の子が

一人で遊びながら体を洗っていました。

脱衣所には既に上がった妹(2歳くらい)と

お母さん(私と同世代)がいて、

番台のおばさんとワイワイ楽しくお話されていました。

そうか。。。今目の前で体を洗っている男の子は、

あの震災を知らないねんな。。。

だからこんなに無垢で人生楽しそう、、、

【影】がないねんなーって分かりました。

みんな笑顔であっても、人生いろいろ辛いことがあれば、

どこかに影があります。

でもこの男の子には影がないんですよね。

こうやって人間は死んではまた生まれてくる。

いろんなものを学んで、命を継承しながら、

どんどん新しくなっていく。

あの辛く悲しい苦しい出来事に囚われずに、

前を向いて歩いていくしかない。

やっぱり、この地球で生まれて来ることって、

希望であって、歓び、そのものなんだから。。。

そんなことをこの男の子から教えて貰いました。

東北の人って、定期的にこの手の震災が起こったりして、

所得の多い人って比較的少ない地域なのですが、

漁業などの第一次産業って、

みんなで分け合い助け合って、

仲が良くないと出来ない仕事なんですよね。

東北の方々が大切にして来た、

分け合い助け合う、共助の精神が、

きっと震災復興のベースの力になっていて、

みんな辛いし苦しいんやけど、

みんなで頑張っていこう、みんなで良くなって行こうと、

口に出さずとも日々一所懸命されてはるんやろうな

って思いました。

銭湯から出る時に、番台のおばさんから、

「ありがとうございました」ではなく

「おやすみなさいー」と言われ、

何故、ゲストハウスのハヤカワ君がこの町で

生きていくことを決めたのか?分かったような気がしました。

大都会にはいっぱい人や仕事やお金があるけど、

大都会には少ない、、、全ての人を包み込む

【愛】がちゃんとあって、家族のように

愛をみんなで分かち合って、

勁く生きているんやなーって思いました。