「戦没者慰霊法要会&前神寺先達会 〜64番前神寺にて、後編〜」

9月24日午後1時からは、

毎年秋のお彼岸に開催されている

「戦没者慰霊法要会」に参加させて頂きました。

現・管長(※前神寺は、宗派の総本山ですので、

「住職」ではなく「管長」となります)のお父様で、

戦争世代であられる先代管長さんが始められた法要で、

先の大戦で亡くなられた方々の慰霊法要が出来ない

“お寺の空白地”が周辺域地にあられたそうで、

それでこの法要をお彼岸

(お盆はいろんな行事があり出来ないので)

され始めたとのことです。

参加されていた方々は、

地元の御詠歌をされている

おばさま・おばあさま方が多かったです。

法要の後、美しい鉦(しょう)と鈴の音色と共に、

御詠歌をご披露頂き、、、

それが何とも言えない程に感慨深く、

何故かウルウルと感動の嵐でした。。。☆

声明(しょうみょう)は日本の伝統的な

仏教聖歌(ぶっきょうせいか)で、

仏教とともにインドから中国へ伝えられ、

中国で新たに作られたものも加わり、

日本へと伝えられたとのことです。

御詠歌とは、在家の人々が

寺院・霊場めぐりにうたう歌で、

明治時代に現在のかたちとなったとのこと。

前神寺ではその主要な流派の一つ

高野山金剛流を継承されているとのことです。

般若心経等の数々のお経は、

元々外国語(サンスクリット語など)を漢字に直し、

更に日本語の意味をつけたりして、

読経しているだけでは意味がピンと

理解し辛いものですが、

この御詠歌というものは、

日本人が日本人のために作ったものですので、

仏の教えがとてもすっと入って来る

内容となっています。

巡拝道中にお遍路さんが気軽に

口ずさむことが出来るもの

ということで生まれたそうです。

四国遍路歴12年ですが、

始めてマトモにリアル御詠歌を拝聴させて頂き、、、

その素晴らしさ尊さがダイレクトに伝わって参りました。

深遠なる御仏の想いをシンプルな言葉と

美しい鉦(しょう)と鈴の音色に乗せて、

かつてこの世に生きていた人も今生きている人も

全ての心に響き渡る、その想い。。。

御仏の慈愛を五感で見える化し、

一本の糸で繋ぐ御詠歌の世界。。。ステキです(*^人^*)☆

15時からは「先達研修会」が開催されました。

前神寺から推薦頂いた、

四国88の公認先達が集う勉強&交流会です。

今回で7回目となりました。

公認先達になっても、

四国八十八ヶ所霊場会では、

公認先達を認定するのみで、

この手の公認先達としての資質向上や

先達同士の交流を促すための機会提供がない・

乏しいようですので、

前神寺が独自に任意組織を作り、

補っておられるとのことです。

まずは佐々木善康管長の法話があり、

先の御詠歌のことを始め、

本当にいろいろなことを教えていただきました。

最も印象に残ったお話は、

法事などの読経は35分程度で終わらせる・・・という、

現代人に合わせた方法を模索されているというもの。

「もしも死んだ人を地獄から救い出せるのであれば、

読経は何分でも何時間でもいたします」という

管長さんの気概。だけど、実際問題、そうは出来ないし、

お経を聴いている人(生きている人)の

集中力はもって40分程度。

現代人・生きている人がちょうどいい時間

【生きている人が徳を積むための時間】を僧侶として、

どう構築していけるのか?古き良きものを継承しつつ、

常に【新】を探り、模索しています・・・というお話でした。

後半では、当会発起人代表の引田大先達を始め、

先達のみなさまと情報&意見交換会♪

お四国以外の巡礼遍路の情報や、

四国88の現状など・・・

ここには書けないこともいっぱいお教え頂きました(笑)。

さすがに伊予西条まで毎回行けませんが、

今後も数回に一度は参加させて頂きたいなと思います。

本当に善きご縁【おかげさま】を頂いております。

ありがとうございます(ー人ー)☆

【写真】
・戦没者慰霊法要会&前神寺先達会
・前神寺 本堂&境内