「お四国旅、ふりかえり」 後編

・・・引田さんは団塊世代のおじさまで、

伊予西条駅近くで鍼灸院を経営されておられます。

その鍼灸院に入ったところにある待合室には

ありとあらゆる「お四国グッズ」が

ずら〜〜〜っと並べられており、鍼灸院ではなく、

『お遍路サロン』のようになってました(笑)♪

午後3時から7時まで、

その『お遍路サロン』にいさせて頂いたのですが(更に笑)、

入れ替わり立ち替り、どんどん地元の方がやって来られ、

その『お遍路サロン』は地域の井戸端会議の場にもなっていて、

私も一緒にその世間話の輪に入って、

あたかも地元の人(ジモッチー)になったかのような気分になり、

めちゃくちゃ面白かったデス(^0^)♪

患者さんの治療の合間合間で引田さんが

お遍路のことや弘法大師空海の教えについて、

あれこれ教えて下さったり、

先日公表させて頂いた「法螺貝」を下さったり、

他にもパワー溢れる写経セットや、

車につける赤い「お遍路さんマグネット」などを頂き、

さらに「弘法水」という海から淡水がコンコンと湧き上がっている場所

(右写真)まで連れてって行ってくださいました!

ほんと・・・終始、感謝、感激でした☆

以前にもお話しをさせて頂きましたが、

この引田さんに始めてお会いした時に、

「丁度4周目をお参りをしたら、先達になれますよ。

貴女は先達になった方がいいですよ」とズバッ☆と言われ、

そのお言葉が妙〜に説得力があり、

それがきっかけで私は先達にならせて頂きました。

そんな感じですので、

引田さんは私にとって完全なる『お師匠さん』な訳ですが、

面白いのですが、

四国遍路の世界って、縦の関係(師匠・弟子)のようなものではなく

「同じ道で修行をする仲間・同志」という感じで、

仲間と言いますか、先輩・後輩という

横の関係・要素が強いという感じがいたします。

・・・お四国修行に励む人によって

“お大師さん”(弘法大師空海)とは

『宇宙(いっぱいに満たされているもの・空間)』のような感じです。

私たち人間は、「お大師さんという名前の宇宙」から見れば

みんな平等だと感じています。

引田さんのような私よりもお遍路を回る回数(経験や知識)が多い先輩は、

私にとって所謂『師匠』と言われる存在と思われますが、

お大師さんを信仰する私たちは

『師匠・弟子』というタテの関係ではなく、

共に学び支え助け合う『仲間(先輩後輩)』という、

ヨコの関係の方が本来の姿に近いような気がし、

そして一つの大きなコミュニティ…

つまり『家族』のような気がしています。

お大師さん信仰が『家(イエ)』そのものであり、

私たち今を生きる人間が、

その家に暮らす『家族』のような感じです。

そこまで思い至りますと、

お遍路のコミュニティだけではなく、

日常生活における、あらゆる組織の仲間が

みんな『家族』に思えてきます(^^)。

ほんと、完全ボランティア

(っていうか持ち出しばかりでしたヮ^^;)の

エミリさんの映画制作のサポートのおかげで、

ほんと、いろんな方々とのご縁を頂き、

感謝の気持ちでいっぱいです。

10日夜は引田さん常連の居酒屋さんに

連れてって頂き、地元のおじさま方と

ワイワイ盛り上がりつつ、

美味しいトンカツ定食をマンキツさせて頂いたのです。

が、美味しいお料理ばかり食べまくってまして、

いよいよお腹の調子がわるくなって来て、

トンカツ一枚しか食べれなくて、

断食状態になって来ました。。。(ー0ー;)

それから夜、西条市のお隣の新居浜市に移動し、

新居浜市倫理法人会のじゅんこさんチに

ナント☆2泊もさせて頂きました(ー人ー)☆

11日は終日一人で歩きお遍路をさせて頂きました。

山道はなくずっと街中でしたが、

一人で黙々と20キロ程歩かせて頂きました。

61番香園寺〜64番前神寺(右写真)まで

お参りをさせて頂きました。

公認先達になるためには、

88ヶ所のお寺いづれかのご住職さんに「推薦」を

頂かなければなりません。

私は引田さんのおかげで、西条市にある

64番前神寺さんの推薦を頂くことが出来ました。

ですので、前神寺さんには早く『お礼参り』に

行きたいと思っておりましたので、

今回行けて本当に良かったです。

前神寺さんから新居浜市の市街地に向けて歩いてますと

大分日が傾いてきました。

そんなところに、犬の散歩連れのおばあさんが

話しかけて来てくださいました。

「よくまぁ・・・歩いてお参りで・・・ああ、すごいねぇ〜」

と感慨深くおっしゃられ、

私の方に正体され、手を合わして最敬礼されました。

私はそのお姿に、何とも言えない「神々しいもの」を感じ、

ウルウルと何か熱いものがこみ上げてきました。

仏様といいますか、仏像といいますか、

そのような祈りを捧げる対象物の中だけに、

『ホトケサマ』というものが存在するかと思っていましたが、

確かにそうではあるのですが、その対象物に対して

手を合わせる人の心の中にも『ホトケサマ』というものが存在し、

その2つの『ホトケサマ』が合一することによって始めて、

その祈りの対象物が持つ威力というものが発揮され

と同時に、自分自身の無限の可能性が発揮されるのだと、

その時確信した次第です。

ですので例え、仏像などの祈りを捧げる対象物が

仏心が宿っている本物であったとしても、

それに祈りを捧げる人間に、

信仰心(我を捨てて仏に帰依する・オマカセする)というものがないと

祈りというものは伝わり昇華して行かないし、

全く持って無意味な行為・時間に成るということです。

従って、いくら有名無名の神社仏閣へお参りしまくったり、

お四国巡りをしたとしても、

『我を捨て仏に帰依する・オマカセする』という

無我の自分を目指そうと努力しない人間は、

どれだけお遍路をしても、真の効果は出ません。

時間とお金と気力をドブに捨てるどこか

「罪」にしかなりません。

四国遍路とは、

『要らないもの全てを捨てることにより、

要るもの全てを得る為の道(修行)』であります。

最初から何かを得たいと思い周るものではなく、

ますは捨てることから始めなければなりません。

悲しい現実ですが、そのあたりのことをカンチガイして、

お参りしている“輩”が若干数、見聞きいたします。

そのような方には

「自己快楽や満足、名誉を得るためだけに周るのはおやめ下さい」と

これから先、ちゃんとお伝えしてゆこうと考えております。

それが他のお遍路さんたちや、そしてその人自身のためになるからです。

そんなかんじで、神仏のパワーを得ることによって、

自分を神格化しよう・良く見せようとしている類の“輩”は許せません。

神仏のパワーを利用・悪用し、

人間に優劣(縦の関係)を持ち込むとは、何たる無礼者・・・

神に対する冒涜であります。

私は同じお遍路をする人間として、

そんな偽者の行者は未来永劫、絶対に認めることはしないし、

“お大師さん(時代)”によって淘汰されてゆくでしょう。

・・・新居浜の市街地まで、

夜にならないと着かないと発覚し、

遍路道から外れ、国道11号線に出て、路線バスに乗りました。

すると、同じ境遇にあった、

歩きお遍路のおじさんが乗って来ました。

そのおじさんはものすごい量の荷物を背負い・・・

大きなリュックサックに更に、ビニール袋を4〜5個ぶら下げ

野宿グッズも背負って、ものすごいことになっていました。

野宿お遍路さんは過去多数見かけましたが、

こんなに荷物が多い人は初めて見ました。

そのおじさんは運転席に近いところに

どん!と座って、運転手さんに

『とにかく荷物が重い。荷物に殺される!』と

何回も嘆いてはり、そして3つ先のバス停で

降りてゆかれました。

私は、そのおじさんに思わず・・・

「荷物が悪いのではなくって、

不必要な(もしくは殆ど必要のない)荷物を溜め込もうとする

あなたのその心が、あなた自身を殺そうとしているのですよ」って

言って差し上げようかと一瞬思いましたが、

この日本語を理解出来ない魂の持ち主のようでしたので、止めました(笑)。

・・・歩き遍路をよりスムーズに達成するためには、

『“荷物”をなるべく軽くする』が基本となります。

つまり、人生においても

「余計なもの・不必要な“もの”は抱え込まない」

ということです。

私は3周目・歩き遍路行を通して、

このことに気づかせていただきました。

ですので私の人生のモットーは、『取捨選択』&『選択と集中』です。

「持つものは持つ、持たないものは持たない。」です。

別の言葉で表現しますと

「やることはやる、やらないことはやらない。」です。

人間には「欲(あれも欲しい、これも欲しい)」があります。

だからつい、あれこれ抱え込み、抱え込んだ“もの”が足かせとなり、

混乱し、自滅していってしまう訳です。

ですので私は定期的に、自分が意識的・無意識的に

抱え込んだ“もの”を、意識的に捨てる

という作業(それが取捨選択&選択と集中です)を行うようにしています。

言わずもがな、最たる『余計な“もの”』とは、

煩悩・我欲・強欲というたぐいのもの・・・

「自分さえ良ければいい」という感情(色欲)であります。

・・・余計な“もの(荷物)”を持ちやすい人には

3つのタイプ(もしくは併用型)が存在するようです。

まず『(所有)欲』が強い人間であります。

欲(わがまま)が強過ぎます。

とにかく欲しい、欲しい…

全てを自分のところに掻き寄せたいのです。

(先述の歩き遍路のおじさんはこのタイプです)

次に『憂い心や心配性』というマイナス感情により、

荷物(抱え込む事柄)が増える傾向にあります。

「これとあれとそれがないと、山の中で遭難した時に困る〜」とか

ほぼ100%起こらないことでも、絶対に起こるような勢いで

あれこれ心配しまくる人であります。

そして3つ目は、必要なものと不必要なものを

適正に分別出来ない…

優先順位や取捨選択が出来ないという、

思考レベルの問題のある人であります。

これから先のことと・未来のことを的確に想像し、

創造する能力に乏しい人が陥りやすいようです。

こんな感じで、その人の所有物を静かに観察いたしますと、

その人の『価値観(心)』が観えて参ります。

日常生活でもお遍路の場でも・・・いつでもどこでも観察・勉強です。

11日夜は、新居浜市倫理法人会の

大西さんご夫妻のご自宅で夕食を頂戴いたしました。

大西さんの奥様のお料理は、

いつ食べてもクリエイティブでめちゃくちゃ美味しいんですっ(^0^)!

2泊させて頂いた、じゅんこさんや、

以前エミリさんと一緒に

別宅に泊まらせて頂いた、ちあきさんもおいでになられ、

みんなでワイワイと楽しませて頂きました。

翌朝・12日は朝6時から、新居浜市倫理法人会の

モーニングセミナーに参加させていただき、

四国お遍路について5分間、

「会員スピーチ」をさせて頂きました。

過去新居浜市&新居浜別子&西条市倫理法人会に

講話も含めて、お邪魔させて頂いたことがあり、

知っている方ばかりで、本当に嬉しかったです(^0^)!

モーニングセミナー&朝食会参加の後は、

西条市倫理法人会の井上さんのお車で

西条まで送って頂き、さらに井上さんの社員さんに

お車で今治駅まで送ってくださり、

本当に感謝感激でした。。。(T0T)☆

で、今治駅から高速バスに乗って広島に行き、

そして12日夜の夜行バスで13日朝、大阪に戻って来ました。

こんな感じで、今回のお四国旅も、

本当に多くの方々のお世話になり、

またご縁が広がり、本当に素晴らしい旅となりました。

改めまして、今回の旅でお世話になった皆様方に

厚く御礼申し上げます。

ますます、お四国が大好きになりました!

ありがとうございましたぁ〜(%笑う女%)(%王冠%)