仏法の真髄〜麻生恵光氏 荷車の講話〜にふれる、遍路旅<前編>

3月4日(木)、45番・岩屋寺近くの国民宿舎を出て、

またまたハリキッテ!お遍路、開始〜っ(%笑う女%)(%ハート%)

やっぱり、カーナビがあるので、すーいすーい♪と

行ってとっても便利(%ハート%)

だけどその分、感動・感謝の出来事がないのが

寂しいところです(%ショボ女%)(%涙%)

今日一日の車のBGMは、大阪の倫理法人会の

辻田先輩から頂いた、麻生恵光氏

(高野山真言宗副総監)の講演CD。

麻生氏は、大正のお生まれで、数え年8歳(昭和23年)の時、

親の一存で、大阪・梅田にあるお寺に出家されたそうで、

長いお坊さん人生で得られた、様々なことをぎゅっ☆と

CDに濃縮されていました。

氏曰く、人間には『無財の七施』が必要なんだそうです。

1.眼施(げんせ/がんせ)優しい温かいまなざしで人に接する。

2.和顔施(わげんせ/わがんせ)優しいほほ笑みをもって人に接する。

3.言辞施(ごんじせ)優しい言葉をかける。

4.身施(しんせ)肉体を使って人のため社会のために働く。

5.心施(しんせ)心から共に喜び共に悲しみ、感謝する。

6.床座施(しょうざせ)自分の座席や地位を譲る。

7.房舎施(ぼうしゃせ)雨露をしのぐ場所などを分け与える。

とりわけ氏が講演で時間を割いたのは、④の『心施』です。

その『心施』を私たち凡人にも分かりやすいように

1つの実話をお話されておられました。

麻生氏のお師匠さん(8歳の時に出家したお寺の住職さん)が

おっしゃっていた話なんだそうですが・・・

梅田は実は、「埋田」が本来の漢字であり、

その漢字の通り、田んぼを埋めてできた土地のごとく

雨が降ったら、水はけが悪く、たちまち

あっちこっちにぬかるみが出来たそうです。

今みたいに舗装された道路なんて無い時代のお話です。

そんな中、ある男の人が荷車に、大きくて重い荷物を乗せ

えっちらおっちらと、前で押してはったそうです。

ところが、道のぬかるみにぶっぽりはまってしまい、

にっちもさっちも動かなくなってしまったそうです。

すると、通りすがりの人・お一人が、何も言わずに、後ろから

荷車を力いっぱい押して下さったそうです。

2人の押す力、引っ張る力が合わさった時、

そして、2人の「押して頂いてありがたい」という気持ちと

「困っている人を助けたい」という気持ちが合わさった時、

その荷車はぬかるみから脱出しました。

荷車の持ち主が、お礼を言おうと、後ろを振り向くと、

押してくれていた人は、既に後ろの方に去ってはったそうです。

ぬかるみの中に足をつっこんだんで、

すそや足元は泥で汚れてはりました。。。

荷車を押した人は、何の見返り(押したお礼の金銭、物、お礼の言葉など)を

求めずに、去っていったんです。

以上の実話を例に麻生氏は・・・

「仏法は、ひたすら「与え続ける」この必要性を説いているんですよ。」

・・・とおっしゃりました。

欲に囚われている、私たち凡人は、何かをしたら

何かを返してもらおうというクセが完全に根づいてしまっています。

何かをしなくても、ラクしても、ズルしても何か欲しい・・・すら思ってしまいます。

その欲に囚われている時は、完全に不足不満の心しか存在しません。

だから何をどれだけ沢山得ても、人にどんなに感謝されようとも

心が満たされることはありません。

逆に、その欲から開放されている時は、

例え手元に1円も持っていなくても、誰にどんな文句言われても、

何とも無い・・・というか、ほわーんと朗らかな春の陽気みたいな気分です。

いかに、後者の気分でい続けるかが、

今の私の最大の関心であり、“修行”です(%笑う女%)(%ハート%)

49番・浄土寺と50番・繁多寺の間に、

『東道後そらともり』という

超現代的でオシャレな、日帰り温泉施設があり、

ランチついでに入らせて頂きました(%ニコ女%)(%音符1%)

実は昨晩、夕食後7時から爆睡した為

(23時に目覚めたのですが、お宿のお風呂は22時まで(%痛い女%))

お風呂に入れず、ブルーでしたので、

ここでキレイさっぱりさせて頂きました(%笑う女%)(%ハート%)

道後温泉のような、昔ながらの温泉地もいいですが、

たまには、よかけんって思いましたぁ〜(笑)。

麻生氏のCDを、丁度50番・繁多寺に着いた時

聞き終えました。ほんと、涙、涙の講話でした。。。

(CDの内容を全部書くと、超長文なんで割愛っ!)

そこのお寺の境内には、私と遠くの方に

ご近所で散歩で来はったという感じの、おじいちゃんが

おられました。

私は、麻生氏のCDを早速実践しよう(%笑う女%)と思い、

めっちゃニコニコで、おじいちゃんに「こんにちは〜!」って

挨拶をしました。

するとおじいちゃん、めっちゃ、ばーってしゃべりかけて来て下さりました。

(超地元のお言葉でしたので、あまり聞き取れませんでしたが・・・さすが方言!)

ご自身のお遍路体験や、過去出会ったお遍路とのエピソードを

20分くらいおしゃべりしておりました。

おじいちゃんが帰りしな、急にかぶってはった帽子を脱がれますと、

帽子の底には、金色の納札(おさめふだ)が2枚・・・!

「おじょーちゃんに、あげるけん。」

とおっしゃり、さらっと私にお渡しになられました。

どうやら過去、何度か金のお札をお遍路さんから

頂いたらしく、それを私に渡して下さったようです。

金の納札は、50回以上、100回未満、お遍路を周れた方が

お接待を受けた方のお礼や、お寺に奉納するお札(紙)です。

私はまだ2回目ですので、白い紙の納札です。

そのおじいちゃん曰く、

「金のお札の端をちぎって、ぺろっとなめると、病気がけろっと治るよ。」と

おっしゃりました。それだけ金のお札には

強力なお遍路パワーがあるそうです!

これは、おじいちゃんの村での言い伝えかと思いますが(迷信?)、

「信じる者は救われる」精神で、お遍路さんのはしくれとして、

私も信じてみようと思います(%笑う女%)(%ハート%)

そんなかんだで、そのおじいちゃんは

去っていきました。。。

私は、そのおじいちゃんの後ろ姿に、

麻生氏がおっしゃる『心施』を感じたのです。

きっと一生にもう二度と会わない私に、

そんな貴重な金のお札を2枚も下さる・・・

ポケットとかでなくて、帽子という頭の頂点に接している

大事な場所に、折り曲げず大切に保管されてはった物を

頂ける・・・本当に感動で、ありがたくて、

おじいちゃんの後ろ姿にそっと手を合わせました。

『心施』。私にはなかなか実践出来ていない・・・

だけど、あの世に召されるまでには、

ちょっとは体得したい『施』です。

〜後編に続く〜