サポート倶楽部の平成19年度の年度テーマは<森への帰還>だった。
そして、20年度は<失われしものの回復>である。

テーマ設定のきっかけは、今年3月の「森林CSRフォーラム」に講師として招いた宇江敏勝さんである。フォーラムで配布した宇江さんの「マヨヒガ」はそれを凝縮したものだと思われた。
金澤洋一会長の「納豆や濁酒を自分の手で作る」ことや、「もう一つの経済学」の模索もここに重なってくる。
更に、個人の生き方も関わってきた。聖書に出てくる「放蕩息子の話」は、個人レベルでの<失われしものの回復>である。
では、どうやって<失われしものの回復>を実現するのか。

その時与えられたのは「天の声を聴く」ということであり、更にそれは、「天の説き(とき)を聴き、地の理(ことわり)に学び、人の環(わ)を促す」に展開した。
一番大切なことは、天の声を聴くことである。

人間中心原理が支配する今の世の中では、天の声を聴くことは難しいようのも思われる。
だが、人間中心原理は「平均」へと収束することで、かろうじて均衡(バランス)を保っているようにも見えるが、問題を根底から解決する力を持ってはいない。その「破れ目」に何とか「継ぎ」を当てているようなものである。
当面を繕う生き方を取るか、回復甦生して新しい道を歩み出すのか、何れかしかないと思われる。

なお、<失われしものの回復>であって、<新しきものの創造>ではない。アインシュタインだって、E=mc2を見出しはしたが、決してそれを創造したわけではない。