紫式部の同僚を考察する

日 時 2019年12月16日(月)13時30分〜15時
 紫式部の同僚であった「赤染衛門」と「伊勢大輔」の生き方等
についての考察がありました。
 まず赤染衛門(957〜1041)ですが、彼女は当初藤原道長の
正室となる源倫子に仕え、そのころ学才のすぐれた大江匡衡と
結婚しています。
 彼女は夫を支え子を守る良妻賢母型の女性だったと言われて
います。
 歌人としてもすぐれており、百人一首に「やすらはで 寝なましものを さよふけて かたぶくまでの 月を見しかな」(ぐずぐずして寝ずにあなたを待っていましたが、結局 あなたは来なかったので、西の山にしずむ月を見てしまったじゃないの)を残しています。
 彼女は良妻賢母とされていますが、以前から恋人がいて、それは夫のいとこだとも言われています。
 一方伊勢大輔(989〜1069)は伊勢神宮の祭主をつとめる家系に生まれ、中宮彰子に出仕いたしました。
 当時 彰子サロンには紫式部がおり、また遅れて和泉式部が入ってきて、話し相手を勤めたとか。
 彼女はサロンの文学的な雰囲気の中、歌人として力量を発揮して多くの歌を残しています。
 その後 高階成順の妻となり、三人の娘を儲けました。
 百人一首には、「いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に 匂いぬるかな」(昔の都である奈良から八重桜が送られてきて、今の都の京都の九重(宮中)に咲きほこっています)と詠んでいます。