中国の視点と理念で

日 時 2019年12月8日(日)13時30分〜16時
 富岡鉄斎の絵・書法にまつわる講座がありました。
 彼は1836年に京都三条通に生まれ、1861年に長崎へ
遊学しました。(この頃から絵画を志す。)
 その後15年間ほどは神社の宮司を歴任し、以後隠棲
生活に入ります。
 やがて京都市美術学校の教授を勤め、1924年に自宅で
没しました。
 彼の絵画は日本画とは少し異なり、中国人の視点や中国の理念を直視したものである由。
 因みに、中国画は(1)北宗画(画院画)と(2)南宗画(文人画)に分かれ、(1)は絵具を使った絵画であるのに対し、(2)は墨で描く水墨画が多いとのことです。
 彼の絵画は正に文人画であり、これは詩心を画にしたもので、老荘思想(自然賛美)とも言われているものだそうです。
 したがって、絵の中にその説明のため、詩を書いているものが散見されます。
 さて彼は京都に生まれ、京都で没しているわけですが、当時の京都は円山(応挙)四条(呉春)派が主流で、その円山四条派は写生画がメインでしたので、彼とは一線を画していたようです。
 ただ彼は、四条派の呉春の弟子(小田)に学んだことがあったとか。
 またやはり四条派の幸野楳嶺とも交友があって、品評員としても招かれたことがあった由でした。