天狗倶楽部の結成

日 時 2019年8月7日(水)11時〜12時30分
 明治時代に押川春浪(おしかわしゅんろう)を中心に結成
された天狗倶楽部についてのお話しがありました。
 押川春浪(本名:方存)は当時の流行作家で、次々と新作
(冒険物)を出し続けた人気者であった由です。
 彼の父はプロテスタントの洗礼を受けた熱心なキリスト教徒
で、後に衆議院議員にまでなった人でした。
 さて彼はといいますと、明治9年に愛媛県松山に生まれ、
高等小学校を卒業後、単身東京の明治学院に入学しますが、野球に熱中なあまり二度落第し、仙台の東北学院に編入(15才)いたします。
 因みに、東北学院は父が設立した学校です。
 しかし彼はここでも粗暴が問題となり、退学となって父の縁故で札幌農学校に編入します。
 ここではヤクザと喧嘩をしてまた退学となり、東京専門学校(後の早稲田)に移り、何とか卒業します。
 ただ在学中に処女作「海島冒険奇譚・海底軍艦」を執筆しています。(出版もされた)
 やがて彼を中心に文化人などが集まり、明治42年に「天狗倶楽部」が結成され、文士チームとして野球をしたり、後に相撲に熱中したりいたしました。(最盛期には100人にも)
 会員には「金色夜叉」の作家・尾崎紅葉やその小説の主人公・間寛一のモデル・巌谷小波、さらに日本人最初のオリンピック選手・三島弥彦も在籍していたとのことでした。