阪神間ゆかりの作家

日 時 平成30年6月21日(木)10時〜11時30分
 3回シリーズの最終回は藤本義一が取上げられました。
 彼は1933年に大阪府堺市に生まれ、大阪府立大学を卒業
しています。
 在学中からラジオドラマや舞台劇など多数の脚本を手掛け
ました。
 卒業後は、宝塚映画撮影所や大映においてシナリオを執筆、
また1965年からは25年間にわたり、テレビ「11PM」の司会
を務めています。
 その間1974年に「鬼の詩」で第71回直木賞を受賞された他、1986年には第1回関西大賞を、また1987年には第7回日本文芸大賞を受賞いたしました。
 彼は一口で言いますと生涯書き続けた人で、あらゆるジャンル(小説・エッセイ・脚本・台本等々)を書き、原稿用紙に向かわなかった日はほんのわずかであったとのことで、執筆量は膨大であった由。
 彼の口癖、「僕はアーティストではなく、アルチザン(職人)」が人間性をよく表しています。
 彼は直木賞作家になりましたが、決して順調に受賞したものではなく、結構回り道をしています。
 当時マルチ活動をしている人は深みがないとの評価もあったようで、1969年に「ちりめんじゃこ」で第61回直木賞候補に、「マンハッタン・ブルース」で第62回直木賞候補に、また1971年に「生きいそぎの記」で第65回直木賞候補にノミネートされましたが、結局第71回まで待つことになりました。