人生相談を熱心に読む子どもでした。
というのも、定期的にといっていいほど「人と話すのが苦手」という相談がのるからです。
でも、今から2〜30年くらい前の人生相談だと、答えはみんな同じでした。
「話し上手は聞き上手といいますから、話すより聞くことを心掛けてはどうでしょう。一生懸命相手の話を聞けば、必ず相手はあなたに好感をもってくれるはず」

そうですね。
でも、私は残念ながら、この文面だけでは「聞く」という行為がどんなものか分かりませんでした。だからしょうがないので、必死で相手の話す声に聞き耳をたてて、必死であごをカクカクさせてうなずいたことを覚えています。

歳月はたち、最近の人生相談は変わってきました。
昨日の毎日新聞、渡辺えりさんの回答はよかったです。
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お嫁さんとの話題に悩むお姑さんに、「無理に自分から話さず、お嫁さんの話をじっくり聞くことが大事」というのは従来の人生相談と同じです。
そのあと、「話していて相手のリアクションがないと会話は続きません…お嫁さんの話を聞いて、笑ったり驚いたり怒ったり、感情を出してみることから始めるのはどうでしょう?」と書き、さらに「それにはリラックスした雰囲気をあなたが作ってあげないといけないかもしれません…」と、具体的な例をあげながら説明しておられます。

す、すっごい分かりやすい!!
そうです。聞き上手とは、単に「耳をすませてよく聞く」だけではなく、「あなたの話を熱心に聞いていますよ」ということをリアクションで伝えることだったのです。
言葉そのものの意味はよく分かるけど、言葉にならないもの(この場合リアクション)が苦手な私は、ながらくそれが身につきませんでした。

話し上手は、リアクション上手というべきですね。

bako