「誰のための老前整理?」 8月30日

行動経済学と老前整理 ⑫

大阪は今日も猛暑。はじめにその日のお天気を書く。だんだん小学生の宿題の絵日記のようになってきました。

そういえば夏休みの宿題代行サービスがあるということに驚き、先日は文部科学省がネットのフリーマーケットやオークションの主要サイト3社に「ネット出品」禁止で合意したとの記事。夏休みの絵日記も代行できるのかしら? と思った次第。

そうだ、今日はドナルド・ノーマンの話でした。

ノーマンはMIT(マサチューセッツ工科大学)で電気工学士、ペンシルベニア大学大学院で電気工学修士、心理学のPh.D.を取得。カリフォルニア大学サンディエゴ校名誉教授。1988年に『誰のためのデザイン』(新曜社)を上梓、25年後の2015年に増補改訂版(写真)。お気に入りの日本の料理はオコノミヤキだそうです。(これで大阪人は親近感を持つ)

改訂版のまえがきより

ーこの本の目的の一つは、あなたの生活の中の製品の制御権を取り戻すことにある。それは、使いやすくて理解しやすいモノの選び方を知ること、あまりにも使いにくい、理解しにくいモノの修正の仕方を知ることであるー

まとめより

ー時が経っても、人の心理は同じである。だが世界にある道具やモノは変わる。文化は変わり、テクノロジーも変わる。デザインの原則は同じだとしても、それが適用される方法は新しい活動、新しいテクノロジー、新しいコミュニケーションやインタラクションの手段に応じて変えることが必要であるー

ノーマンはこの本で毎日使う道具のこと、日常の行為のこと、頭の中と外の知識、何をするかを知る、デザインとビジネスなどについて、具体例を挙げながら21世紀のデザインについて著しています。(もちろんスキポール空港のハエの話も載っています)

タイトルの『誰のためのデザイン?』ですが確かに、そうですね。使う人のためのものかどうか怪しいものもありますね。そして言い換えれば「誰のための老前整理」ですね。

この1年余りの私のブログで、身の回りの物・事を写真で取り上げていることが多かったのにお気づきでしょうか。ブログのネタ探しというのもありますが、ノーマンに触発されて、まず自分の身の回りを観察することから始めました。地下鉄の誘導表示や、エスカレーターの案内、ゴミ箱のことなどなど、これは「ナッジ」探しともいえます。また変化しているものとそうでないものも知りたいと思っていました。

振り返ってみると、それまでは素通りしていた物を立ち止まって見たり、考えたりするようになりました。また、見えているけれど、見ていなかったかということにも気づきました。そして物を見ながら、どのように老前整理とつなげていくかのアイデアを溜めていました。

このように私の中で、行動経済学ーデザインー老前整理と1本につながっていきますます面白くなりました

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