行動経済学と老前整理 ⑦

大阪は相変わらず30度超え、夜も熱帯夜ですがスーパーに行くと「新生サンマ」が並んでいました。もう少しの辛抱でしょうか。

昨日は老前整理をいかに伝えるか、だれに伝えるか、どのように伝えるか、くらしかるの足跡を紹介しましたが、ここで行動経済学と老前整理に話を戻します。

5回6回と、2回にわたり、錯視と色彩対比で、見ているものが必ずしも正しいものではないという話をしました。それによって経済学と行動経済学の「人間は合理的」と「人間は不合理な部分がある」という前提の違いをご理解いただけたでしょうか。

つまり、私が書いていることが伝わっているかどうかですね。そこで今日は改めて「伝えること」について考えてみたいと思います。

錯視と色彩対比の現象を言葉だけで伝えるとどうなるでしょう。一度考えてみてください。このような場合は、百聞は一見にしかずで、見ればわかることを言葉のみで伝えることはすごく難しい。

私は30年あまり講師、つまり伝えることを仕事にしてきました。講演では、パワーポイントで写真や図を使える場合は,できるだけ「見てわかる」ことを考えて作ります。(基本姿勢として、オリジナルの写真、図を使います。下手な絵を描いたり写真を撮ってアップしているのもそのためです)

講演と違い、2018年4月から3か月担当したNHKラジオ第2「こころをよむ」講座「老前整理の極意」(放送終了)では、ことばでいかに伝えるかを考えます。パワーポイントを使えばカラー写真をバンバン使えますが、本の場合は予算の関係もあり写真を使えても次のようにほとんど白黒です。これはこの講座のテキストに掲載した明度対比の例です。(第4回 不合理な行動の理由をさぐる)

ラジオを聞いてくださる方の多くはテキストなしですから、自分で体験できるように折り紙を使った作り方の話も加えておきました。

他に、本で活字にする場合は、「読んでわかる」が基本です。また写真以外にイラストも使えます。本の場合は、前回の「考えてきたこと」に書いたように、読んでくださる対象やどこで売るか、単行本と新書、文庫などの違いも考えます。

そしていつも「伝える」ことが難しいと感じています。

私が「伝えるスペシャリスト」だと思っているのは、第2回で紹介した『ヘンテコノミクス』をつくられた佐藤雅彦氏です。

NHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」をつくられた方、NECの「バザールでござーる」のCMをつくられた方といえば、ああ!とわかるでしょうか。

スペシャリストのようにはなれませんが、私なりに「いかに伝えるか」を考えています。

またまた余談ですが、錯視図形や色彩対比については幸いなことに、カラーコーディネートを教えていましたので、知識がありました。

6回のカラーカードを使った対比の図はその頃に作ったものです。

インテリアやカラー、バリアフリー、老前整理と伝えることは変化しましたが、試行錯誤は続いています。

今日はこれまで。

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