日 時:2022年7月16日(土)10時〜12時
場 所:松尾湿原
参加者:全40人
・応募者参加者16人(大人12,子ども4)
・当会員16人(西村昭、西川、川本、東田、安藤、森川、伊藤格、伊藤チ、小宮、湯浅、藤田、西村ア、村上、梶原、宮原、目黒)、
・福井先生とお子さん2人、
・宝塚市自然保護協会(足立顧問、和田会長)2人、
・平井先生(大阪公立大)、
・市役所社会教育課 (番庄部長、河本係長)2人、
・里山ラボ関係者

夜明け前まで降雨。雨は止んだもののいつ降ってもおかしくない曇天の中、宝塚自然の家で例年通りハッチョウトンボの観察会を行った。
〇開会式…自然の家 事務所前で受付、資料配布。応募の参加者全員にハッチョウトンボ缶バッジを渡した。「ハッチョウトンボ(オス)とムラサキミミカキグサ」の絵柄バッジの人気が高い(色合い鮮やか?)。
開会あいさつ、本日の流れの説明の後、松尾湿原へ移動した。

写真右上
ハッチョウトンボ観察会の受付
当日同じ時間に”にしたに先生!夏のザリガニ釣り”イベントが行われ受付周辺は混雑しました

〇湿原とハッチョウトンボの話(足立先生)…恒例の紙芝居を使ったお話。自然の家ができて活用が進むにつれ、反対に湿原は衰えていき(遷移が進んで乾燥)ハッチョウトンボの姿は無くなった。コツコツと湿原再生の取り組みを開始。36年ぶりにハッチョウトンボが甦った。このような本湿原変遷の経緯とハッチョウトンボ理解を深める話だった。

写真右 観察広場で足立先生の”湿原とハッチョウトンボの説明”

〇ハッチョウトンボ数の調査…先ず湿原内のハッチョウトンボの姿をみてもらい予想数を記入して提出。その後、湿原内の17区域に会員が入って数えた。

写真右 トンボ数の調査をするために生息場所を17区画に仕切っています

〇平井先生の話…11時過ぎから、たくさんのトンボ標本を前にしてトンボや水生昆虫の話をされた。昨年から2年間ハッチョウトンボ保全のための基礎的データをとるにふさわしい場所として松尾湿原を選ばれ、調査研究は現在進行中。
① 個体数変動の調査(成体全頭の羽根に雌雄別の個体番号を記入して個体を把握する)
② プラ舟による繁殖実験(条件を変えた8つのトレーを置いて、ハッチョウトンボの産卵・孵化行動の違いの有無を調査) 
この実験結果から、ミズゴケを敷いたトレーだけにハッチョウトンボのヤゴが沢山生息したが、他の条件のトレーにはハッチョウトンボは見られなかった事が判明した。
多い日(昨年6/20)には1日で283個体確認された。最も寿命の長い個体は36日間生きるとわかった。
初めて聞く話ばかりで、みな興味深く聞き入っていた。トンボ標本を前にして、質問もたくさん出た。
※ 先生には朝早く大阪府内からこの湿原までお越しいただき、種々のトンボ標本をご持参、生体展示するハッチョウトンボや水生昆虫・ヤゴを当日朝に捕獲いただくなど、そのご尽力に深く感謝いたします。

〇湿原植物の観察(福井先生)…この季節に見られる湿原植物について、説明したりみなさんの質問に答えたりしながら一緒に湿原回遊した。

〇集合写真撮影…湿原内の橋に集合して撮影した。

写真右 集合写真

〇トンボ数の予想をするクイズの答え発表…全部で37匹(オス24、メス13)だった。投票された中で、残念ながらピタリと正解の方はゼロだったが、最も近い数字の方は40(1人)・33(2人)で何れも大人の方だった(拍手)。最後に、子どもたちには参加賞として玩具を各自2個ずつ選んで貰い、お土産にした。

写真右 トンボ数当てクイズの表彰式

〇閉会式…引き続き、湿原広場で行った(アンケートも)。

終了後、昼食
午後、エコネット会員は通常作業(植生調査・湿原保全活動)13時〜14時半
昼食(バーベキュー広場)後は晴れ間が出てきて、更に蒸し暑くなった。会員で分担して、植生調査(アリノトウグサ・ノギラン・チゴザサ)や草刈り(刈り取った草の後片付けも)を行った。

【私のビッグニュース】
・シロウツボホコリ(粘菌の仲間)…昼食後、村上会員から6倍の拡大鏡で木片を見せてもらった。私にはただの枯れ木破片に見えたが、拡大すると不思議な世界があって驚いた。
・シマヘビ(と思われる)…湿原広場入口付近の植込みの下に2匹いた。
・オオバノトンボソウ開花…2本が開花。(4本あるが、他の2本は食害されて花はない) 春先から見守っているが、タイミングよく 開花時期に出会えるのは幸運だった。

みなさま、蒸し暑い中の長時間の作業、お疲れさまでした。

(記・伊藤チ)(%くもり%)(%ニコ女%)(%ニヤ男%)