期 日 2022年6月18日(土)
場 所 松尾湿原
参加者 川本、東田、森川(久)、伊藤(格)、伊藤(千)、西川、西村(昭)、湯浅、藤田、西村(ァ)、三科、梶原、村上、小宮、福井先生とお嬢さんと息子さん
、河本係長(社会教育課)

梅雨の中休みといった陽射しの中、自然の家に到着するとたくさんの車や親子連れの姿がありました。湿原の近くの広場が大勢の子どもたちで賑わうのを見るのは何年ぶりだろうとふと感慨深く眺めていました。
さて湿原に到着です。いつものラジオ体操や本日の予定を共有すると、まずはハッチョウトンボの数を数えることから本日の活動が始まりました。 リーダーの音頭により、各自割り当てられた場所で目を凝らして小さいトンボを探しました。 中には羽に番号がついている個体も発見。 今年も5月22日から始まった大阪府大の平井先生チームによる調査が、2年目を迎えました。 手前の観察場付近ではよく見られたトンボたちは、水の少ない上手の方にはほとんど見つけられず、集計結果は34匹でした。 去年の同時期の165匹との大きな違いに戸惑いましたが、来月の「ハッチョウトンボ観察会」に期待を込めて今日の数合わせを終えました。

植生調査の前に、みんなで湿原内を観察しました。 橋の上から湿原を見ると、無数の踏み跡が見つかりました。 トンボや植生調査に夢中になって、知らず知らずに湿原内に獣道を作ってしまっていました。 今後は人が歩いた跡は歩かないようにとの福井先生の忠告に、皆神妙に頷きました。

本日の植生調査は、オニスゲ、ノハナショウブ、ササユリ、オオバノトンボソウ、アリマウマノスズクサ、カキラン等です。 それぞれ2〜3人のチームを組んで湿原内に散らばりました。 湿原内の湿った場所では、無数の小さな白い花が目を引きました。 午前中しか咲かない食虫植物のモウセンゴケが、「私たちを見て」と一斉に可憐な花を咲かせています。 そんな花たちを横目に見乍ら調査を始めました。 そろそろ終盤にさしかかった昼前、ふと見ると小さな白い花が閉じているのに気づきました。 束の間のモウセンゴケの饗宴でした。 
カキランの植生調査班のエピソードです。 これまでたくさんの花を咲かせていた場所にその姿がないことを不審に思った会員が目にした場所には、オオミズゴケがこんもりと堆積していました。 中に手を入れてみると手首迄入ったとか。 しかも物凄く密なので、カキランは芽を出せずにいたようです。 しかしよく見ると、オオミズゴケの大きな株の端からわずかに芽を出したカキランの姿が見て取れました。 光を求めて彷徨い出たようなカキランの健気でたくましい姿に心を動かされました。 
踏みつけられた湿原内には、サギソウの小さな芽も確認できました。今年も暑い夏に可憐な姿を見せてくれることでしょう。 
物言わぬ植物たちのしたたかな生き方を垣間見たひとときでした。

午後は、湿原を離れて樹木の名札つけを行いました。 自然の家の入口から湿原までの道中の木々にテープを撒いて番号札を取り付け、台帳にその番号と木の名前を記入していきます。 みんなの関心がある木に次々と取り付けられた番号札は39種類にもなりました。 名札を付けた木々が、訪れる人たちを湿原に誘うとともに、自然に関心を持ってもらえるようにとの願いを込めた取組に、自然の家の管理人(西谷ラボ)さんも協力的です。11月の里山イベントで、子どもたちと一緒に名札づけができるように、今から台帳や名札の形状等の準備を進めていきます。

今日も無事に作業を終えることが出来ました。参加された皆さまお疲れ様でした。(記:小宮)