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環境ボランティアグループ・宝塚エコネット
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2021/08/10のBlog
6月9日(水)、6月20日(日)、7月10日(日)、7月25日(日)、8月10日(火)

場所:松尾湿原

全日程参加者:府立大学 平井規央教授及び辻本実穂修士1回生、エコネット伊藤格
 時期により同大学学生、エコネット伊藤千賀子の応援もあり

6月9日、6月20日についてはブログ参照

 写真1は8月10日の調査の様子
調査は松尾湿原及びリーダーハウス跡湿地についてハッチョウトンボを全数捕獲しテネラル(幼体)以外にネームペンで通し番号をマーキングしていきます。2回目以降も全数を捕獲し記録、マーキングしていない個体にはマーキングして記録します。これを各回繰り返されました。
 写真2は水温計を取り付けたところ。常に水中に計器が沈んでるようご承知ください
捕獲した数(再捕獲した個体を含む)
6/9~オス143、メス82 6/20~オス176、メス108
7/10~オス84、メス94 7/25~オス32、メス16
8/10~オス9、メス0
飛翔したピークは6/20で284匹でした
 写真3は設置したトレイに停まるオス
マーキングした数でみますと
6/9~オス143、メス82 6/20~オス88、メス79
7/10~オス45、メス65 7/25オス16、メス11
8/10~オス4、メス0 
松尾湿原で今年度はオス296匹メス237匹、合計533匹存在した事になりますね

平井教授は環境動物昆虫学研究グループに在籍されており、松尾湿原にやってくる様々な昆虫のことを教えてくださいました。話を伺っている自分が歳も忘れ、まるで知識に飢えた少年のように何でも吸収しようという気にさせてくださいました。悔しいかな、聞いている尻から先ほどの話や名前が消えていくのが歯がゆくてなりません。メモを取ろうとしてペンを取ると「え?今のは何て名前でしたっけ?」お手間ばかり取らせてしまいます。ですが、とても楽しい時間でもありました。
 写真4クルマバッタ、後ばねが黄色いのが特徴。
今年度の調査は8月10日をもって終了だそうです、続きは次年度6月に再開の予定です。
嬉しかったのは、冬季の湿原の草刈りについて、お手伝いしましょうと言ってくださったことです。是非、ご一緒いたしましょう。

追伸、辻本さんのお話では、再捕獲の様子から30日間命を長らえている個体がいるとの事でした。データから色々読み取れることでしょう。研究成果が楽しみです

写真5ショウリョウバッタモドキ、農道など地道を好む種類なので数が減ってきているとのことでした(記;伊藤格)
2021/08/07のBlog
・期 日 2021年8月5日 10時45分~12時
・場 所 宝会館 宝塚市野上 2階会議室
・参加者 川本、西川、安藤、伊藤(格)、森川、小宮、伊藤(千)、山本
参加した子供たち6人(西山小 1年2人、2年2人、3年3人) 
世話役 5人

朝から太陽がぎらぎらと照り付け最高気温が体温を超えるとの気象予報に、少し不安を感じながら徒歩組は10時に逆瀬川駅前に集合しました。
道中おしゃれな外観の家やお庭の花々を見ながらメンバーの道案内で迷わずに会場へ到着しました。
車組のメンバーが既に紙芝居などのセットを完了してくれていたので簡単な打ち合わせを後に、1階で学習指導を受けていた子供たちを迎え入れました。
最初に挨拶と宝塚エコネットの活動内容を説明しました。

写真右上
引き続き 紙芝居「ピカリ君とキラリちゃん」を上演しました。
写真右
その後 ホタルの幼虫・成虫の標本写真イラストなどを用いてホタルについて説明しました。
会員が今朝ピカピカランドに寄って、今年4月に上陸できなかった幼虫を今日の説明会のために先日探し出して水槽に入れて置いたものを、持って来られたので、元気に動き回るホタルの幼虫とカワニナを見るのは新鮮で興味深かったようです。
大人の方からも質問が出たり、昔の話、近隣のホタルのことなどの話題がありました。
最後にピカピカランドで起こった不思議な出来事を紙芝居にした「こまったお客様」を見てもらって終了しました。
“ホタルを触ったことがあるよ”、”私は捕まえたことがある”と話してくれた子供さんもいました。
写真右 ホタルの幼虫を見る子供たち

暑い中 皆さんお疲れさまでした。
(記 山本)
2021/08/06のBlog
・期 日 2021年8月1日
・場 所 ピカピカランド
・参加者 川本、西川、西村(昭)、小宮、浜地、浜地、湯浅

 連日の猛暑日、朝9時にピカピカランドヘ集合しました。クマゼミが大合唱で出迎えてくれました。人の声や川の流れの音もかき消されます。地面に目を向けるとあちこちに1cm強の穴凹がたくさんあります。地中でゆっくり成長してやっと羽化したセミ達。羽化した後は最後の集大成。子孫を残すこと。そう考える一生懸命大合唱してね~って応援してしまいます。桜の木の木陰がとてもありがたく作業する私たちを助けてくれています。

本日の目的は、通常春の桜の咲く雨の日に川から上陸して土の中に潜ってサナギになるゲンジホタルの幼虫ですが、成長が間に合わなかった等何かしらの理由で上陸しなかった個体がいます。
ピカピカランドヘの水槽Aと水槽B、さて何匹残っているのでしょうか?
ワクワクしながら。一生懸命探しました。

写真右上 作業の様子
久しぶりの幼虫確認作業。最初は目が慣れず、なかなか見つけることができませんでしたが、1匹見つけるとすぐに感覚が戻ってきました。
1cm~2cm個体差がありますが、2cmぐらいの立派な幼虫が多かったです。
のんびりと水槽の中で過ごしていて、急に外に出されたせいか、とても元気に動いていました。

写真 今年上陸しなかったゲンジボタルの幼虫
ゲンジボタルの幼虫にとって、切っても切れない存在が、食糧となるカワニナです。
カワニナが閉じている蓋の隙間から消化液を注入して、スープ状にして食べます。
ピカピカランドではカワニナも大切に育てています。
ゲンジホタルの幼虫は自分の大きさにみあったカワニナを食べると言われています。今年親ホタルが産卵し、無事に孵化した幼虫たちは現在まだ数mm程度の大きさです。小さなカワニナが必要となります。
ピカピカランドでは、野菜を入れてカワニナを育てています。
キャベツについているゴミのようなゴマの様な黒いものがカワニナの稚貝です。
一番小さいもので1mmくらいでした。ルーペで見るとちゃんとカワニナの形です。たくさん生まれています。
ゲンジボタルの小さな小さな幼虫たち、ちゃんと餌にありつけるように。

写真 カワニナの稚貝
さて、今年上陸をしなかった2年幼虫は
水槽Aに4匹、水槽Bに8匹見つかりました。
水槽以外に滝つぼに5匹でした。

その他ピカピカランド内の川の中等調査できないところにも2年幼虫がいるものと思われます。
ゲンジボタルの幼虫、カワニナたちが安心して成長できる環境を守っていきたいです。

写真 幼虫たち
汗だくになりながらも幼虫が見つかり、近々に予定されている夏休みの子供たちへのホタルの説明会で教材として見ていただけるので嬉しく思っています。
皆さんお疲れさまでした。

(記;湯浅)
2021/07/26のBlog
[ 20:50 ]
期 日 2021年7月26日(月)
場 所 宝塚市社協のボランティア活動センター(ぷらざこむ) 一階
参加者 川本、森川(久)、伊藤(格)、東田
 環境政策課 浜崎係長、他1名

 宝塚エコネットの展示内容は松尾湿原の活動とピカピカランド(ホタルの幼虫及びホタル)の内容です。是非見に行ってください。

主催者 環境都市宝塚推進市民会議
展示団体は 宝塚エコネット、 兵庫県地球温暖化防止活動推進員、 武庫川流域ネットワーク、 櫻森の会、 Cキッズ・ネットワーク、 エコグールプ武庫川です。
展示期は 7月26日(月)から8月23日(月)まで

 写真右上 掲示作業 。 
掲示作業終了しました。
暑い中ご苦労様でした。
 (記;東田)
2021/07/21のBlog
期 日 2021年7月17日(土)晴れ 10時~13時
場 所 皿池湿原(三田市)
参加者 川本、山本、東田、安藤、森川、伊藤(格)、伊藤(千)
 小宮、湯浅、村上、浜地(聡)、浜地(紀)、浅倉、西村(昭)
 三田市里山のまちづくり課 村本課長
 人と自然の博物館 石田先生 ひょうご環境創造協会 
 皿池湿原の守り人 

JR相野駅9時半集合 徒歩で30分皿池湿原に向かう。

山の方へ行くと溜池が所々あり皿池湿原の看板(写真右上)がある。

高速道路の高架下をくぐり少し行くと小屋のある広場に出る。
本日は皿池湿原の守り人活動日で10数人が参加されていた。
村本課長の挨拶があり守り人は草刈作業、我々は湿原見学をしました。


写真右 皿池湿原周辺の観察
湿原は5箇所見学しました。湿原周辺の地表面には円い礫が沢山見られました。
初めてみたものではヤマドリゼンマイ、ヒメタイコウチで特にヒメタイコウチが
湿原を数匹這いまわるのを身近で観察できて良かったです。


写真右 ヒメタイコウチ
写真右 ハッチョウトンボとミミカキグサ
写真右 皿池湿原見学会集合写真

皿池湿原は10箇所あるので周辺の草刈り、里山林の管理が大変だと思います。
今回の見学に際しご案内頂きました皆様に御礼申し上げます。
 (記:西村)
2021/07/14のBlog
期日 2012年7月10日
場所 松尾湿原
参加者
・観察会一般参加者 30名(10家族)
・主催者
宝塚エコネット 川本、伊藤(格)、伊藤(千)、森川、小宮、西川、安藤、湯浅、西村、山本、東田、浜地(聡)、浜地(紀)、藤田
宝塚自然保護協会 足立顧問 和田会長、垣田事務局長 村上さん 他3名
福井先生とご子息
宝塚市社会教育課 千原係長

本日は、ハッチョウトンボの観察会です。
天候を心配していましたが、観察会を予定している午前中はなんとか持ちそうで、ほっとしながら、宝塚エコネット会員や参加者、自然保護協会さんなど各自現地の宝塚市自然の家に集合しました。

 早速、会員はパンフレットや缶バッジ等の配布物準備や受付をする一方、現地の湿原ではハッチョウトンボの数をカウントするための調査区域の区割りをロープによって行いました。

写真 七夕の笹飾りを前で受付
10時になり、観察会の開始です。

まず、自然の家の管理事務所の前で、主催者の宝塚市社会教育課千原係長のあいさつ、続いて宝塚エコネットの川本副代表から本日のスケジュール等観察会の内容説明を行いました。
その後、全員で松尾湿原に移動し、湿原の前で、自然保護協会顧問の足立さんから、松尾湿原の概要、ハッチョウトンボの生態などの説明がされました。蜂やハッチョウトンボの標本を参加者に見てもらい、いかにハッチョウトンボが小さいかを実感してもらいました。
そして、このような珍しいトンボが36年ぶりにこの湿原に帰ってきた(発見できた)のは、常緑樹の伐採や落ち葉の除去、ハンノキの伐採など湿原の周囲の里山化によるものであることが説明されました。

写真 足立先生が紙芝居を用いてわかりやすくハッチョウトンボの説明をされています。

次に、ハッチョウトンボの匹数を数えるため、区割りした区域を会員が一斉にカウントしました。
結果は、98匹でした。雌雄の区分はカウントしていませんが、雌が多かったようです。
赤い色が鮮やかな雄が少なく残念でした。その後、参加者のみなさんには湿原周囲で思い思いにハッチョウトンボの観察をしていただきました。捕虫網を持ってきているご家族もいらっしゃいましたが、小さくデリケートなトンボなので、捕まえることは遠慮していただきました。

写真 葉に止まっているハッチョウトンボ (メス)

その後、給水タイムのあと、福井先生により食中植物のムラサキミミカキグサやモウセンゴケなど湿原植物の説明をしていただきました。
湿原植物に興味を持つ子ども、ハッチョウトンボや他の動物(虫)に興味を持つ子などさまざまでした。

・写真 福井先生による湿原植物の説明
正午近くになり、参加者全員で記念撮影した後、管理事務所に移動し、今日の感想アンケートを記入してもらい、閉会、解散しました。

写真 観察橋の上で集合写真

※ ブログは次のハッチョウトンボの観察会と保全活動 (午後の部)に続きます。

<>前のブログの続き<>
午後からも宝塚自然の家で過ごす参加者のみなさんと一緒に昼食を取った後、エコネット会員は分かれて午後の作業に入りました。

一つは新しく湿原にしたい小屋跡の区域の植生調査やハッチョウトンボ゙の生態調査をするため、正確な区割り地図を作成するための測量を実施しました。

写真 地図作成のための計測作業
他方はノギラン、チゴザサ、アリノトウグサ等の植物の植生調査を実施しました。
 

写真 開花しているノギランの花

その後、小屋跡の草刈を全員で実施しましたが、その時、マムシ(毒蛇)を発見し、興味があるのか、全員が恐る恐るだが見に集まってきます。
草むらの作業では注意が必要なことを改めて認識しました。

写真 草刈り時に突然出てきた”まむし”

なお、ハッチョウトンボの観察会とは別に大阪府大の平井先生と学生3名一行は、ハッチョウトンボの生態調査をされていました。
午前中は小屋跡の草地部分に設置したハッチョウトンボの生態研究用の実験用水槽の観察、ハッチョウトンボのマーキング調査を実施され、午後は、観察会が終了した松尾湿原でマーキング調査を実施されました。
マーキングしたハッチョウトンボの羽です。
今日のこの時点までで、今年、松尾湿原で確認されたハッチョウトンボは「402」匹です。

写真 捕えて羽にマーキングされたハッチョウトンボ
<追記>平井先生から一連の生態調査で昨日までに確認されたハッチョウトンボ数は、「502匹」との連絡がありました。
宝塚エコネット、平井先生一行で記念撮影をして本日の作業は終了です
集合写真にはハッチョウトンボの生態調査をされている平井先生と3人の学生さんも入ってもらいました。

皆さん疲れ様でした本日はご苦労様でした。(記;藤田)
2021/06/25のBlog
・ 期 日 2021年6月25日
・場 所 カワモトランド(会員の自宅)

 逆瀬川やピカピカランドでは今年のホタルが飛び交うシーズンは既に終了しています。
梅雨のこの時期は、ホタルの幼虫が生まれる時期です。

写真右の装置には、ゲンジホタルの卵が産みつけられていミズゴケを3か所に置いています。 ミズゴケの下には白い布を敷いて孵化した幼虫を見やすいようにしています。

親ホタルが産んだ卵から先日孵化が始まっています。
白い布の上に孵化した幼虫がたくさん(約200匹)います。
幼虫の体長は1.5~2mmぐらい、黒い糸くずなような小さいもので水槽の中のカワニナの糞に似ています。
 幼虫の動きは非常に"ゆっくり"で、しばらく見つめていると頭を動かしながら移動しているのがわかります。
最初の孵化を確認したのは、6月22日で本日(6月25日)までに約500匹が孵化しています。
 孵化は、午後9時頃から早朝にかけて行われ、その後、水槽の水の中に入って行き見えなくなります。

 過去の記録では、孵化は約1週間程度続き、午前8頃までは布の上で幼虫を観察することができそうです。
 水に入った幼虫はカワニナを餌として、これから長い生活が始まります。


この装置で育てた幼虫は、近隣の小学校の環境学習としてホタルの幼虫の放流会等に使用する予定です。(記;川本)

2021/06/22のBlog
期 日:2021年6月20日(日)10:00~
場 所:松尾湿原
参加者;大阪府立大学 平井教授、院生(辻本さん)、他学生さん2人
 TEN伊藤(格)

今日は自然の家が開放されていました。前回来られた2人に加えて助っ人2人計4人での調査になりました。

写真1 府立大学調査員のみなさん

調査場所を区切ってトンボの採集記録、マークの無いものはマーキングして記録。そして区切りごとに安全な虫かごに集めていました。1区切りの作業が済むとその場所でまとめて逃がしていました。
なお、ハッチョウトンボは弱いので、マーキングや一時保管は木陰で実施するという配慮をされていました。

 写真2 木陰で記録・マーキング・一時保管

昨日と打って変わって天候も良く多くの家族連れがひと時を自然の家で過ごされていました。
湿原近くを通られた方には私が声をかけハッチョウトンボや湿原の話をさせていただきました。やはりハッチョウトンボの説明には、赤いオスを見つけてもらってそれが1円玉に入るサイズであることを実物を目の前にして説明できる利点がここ松尾湿原です。
皆さん、目をまあるくして、驚いて、絶滅危惧種ですかあ、etc感心されていました。
虫取り網を持ってこられていてもここでは取らないんだよと理解していただきました。

 写真3 熱心に写真撮影されている訪問者
私はハッチョウトンボを捕まえるのはチョットにしてもっぱら、見学者への対応と先生がたの様子を見させていただきました。
調査はどんどん進んでいかれましたが、私はお昼で失礼させていただきました。

 写真4 産卵行動中の雌のハッチョウトンボを撮影しました

前回 (6月9日)は、なんと午後7時前まで作業をされていたとの事。
その結果前回お知らせした225匹という数字になって表れたという事で、ただただ驚くばかりです。
お疲れ様です。

 帰りがけバーベキュー広場の池に立ち寄ると、今年もモリアオガエルの卵塊を見つけました。右側に4個、左側に3個合計7個でした (記;伊藤格)

 写真5 モリアオガエルの卵塊の1つ

6月22日府立大学からの新着情報
 2回目(6/20)の調査では捕獲による確認数は284匹(1回目マークしたもの117、新規マーキング167)。マークした総個体数は392匹(225+167)となるとの事でした

・期 日 2021年6月19日(土)
・場 所 松尾湿原
・参加者 川本、東田、森川(久)、伊藤(格)、伊藤(千)、西川、安藤、湯浅、能勢、西村(昭)、山本、藤田、西村(ア)、浜地さんご夫妻(湯浅さんの友人)、松田さん、村上さん(宝塚市自然保護協会)、小宮
 福井先生と息子さん、平井先生(大阪府立大教授) 、千原係長(社会教育課)

 あいにくの雨にも関わらず、大勢のメンバーが湿原に集結しました。皆手慣れたもので、雨カッパに雨靴等しっかり雨対策をして臨みましたが、作業を始めるころには、いつの間にか雨は止んでいました。コロナのせいで足止めを余儀なくされた会員たちの熱気に押されて、さすがの雨も退散したかに見えました。

 3月以来久しぶりの湿原では、ハッチョウトンボが元気よく飛び回っています。急遽ハッチョウトンボの数合わせからスタートした本日の活動は、足元のぬかるみに気を付け乍ら慎重に湿原内に入って調査を始めました。 湿原内にはいつものエリアを示すロープはありませんが、それぞれが割り当てられた場所に陣取り、トンボの数を数えていきます。
 よく見ると羽に何やら数字のようなものが描かれているトンボがいくつか目につきました。 先日(6月9日)平井先生たちがマーキングしたハッチョウトンボたちです! 2週間から50日の寿命と言われる小さなトンボの生命力に思わず感無量の思いを抱きました。 今日は165匹のハッチョウトンボが確認できました。
続いて本日の植生調査は、モウセンゴケ、オオミズゴケ、オニスゲ、ノハナショウブ、ササユリ、アリマウマノスズクサ、カキラン、オオバノトンボソウの8種類で、それぞれ2人1組になって調査を開始しました。去年の地図の上に新たなエリアや花数、株数等を書き込んでいくお馴染みの光景が繰り広げられます。 
 担当したノハナショウブの花は2輪だけでしたが、よく見ると株元から直立する平たく凛とした葉の佇まいが他の株との違いを浮き立たせて、花はなくても多くの株数を記録することができました。
リーダーハウスの跡地に、会員が珍しいものを発見したと聞いて、急いで駆けつけると、シオカラトンボの羽化が正に始まったところでした。 思わずカメラを向けましたが、その後も羽化は続いていて、終に羽を広げた姿をカメラに収めたY会員の快挙に脱帽です。
午後は、昼食の後平井先生から、先日(9日)に実施したハッチョウトンボの標識調査の説明がありました。 網でハッチョウトンボを捕獲した後、小さなトンボの左下の羽に細い黒のサインペンで鏡文字を使って数字を書き込んでいくマーキング方式や、4種類(砂、水苔、水のみ、人工芝)のトレイに水を張ってトンボの好む生息環境を調べる実験等、興味深い話に参加者は釘付けになりました。 
 まだまだ解明されていないハッチョウトンボの生態調査を行うに当たっては、TENが杭を打って作り上げた地図がとても役立っていると知って、誇らしく思いました。
 トレイの中身を全て人工物にして既存の生態系への影響に配慮するなど、さまざまな未知の取組でハッチョウトンボの謎に迫る研究の成果に期待したいと思います。
その後、来月のハッチョウトンボの観察会や2020年度の植生調査報告書の進捗状況等の報告や話し合いを得て、本日の活動は無事終了しました。

 今日も松尾湿原の周りには、モリアオガエルやその卵に、チビクワガタやさまざまなトンボたちの姿が見られました。 生物多様性のこの場所に大勢の子どもたちの笑い声が戻って来ることを願って湿原を後にしました。
参加された皆さま、お疲れ様でした。 (記 小宮)