・期 日 2020年10月17日
・場 所 松尾湿原
・参加者 川本 安藤 西川 西村(昭) 東田 三科 伊藤(格) 藤田 山本 森川(久) 岡澤 湯浅 西村(アツ) 能勢 小宮 
 福井先生とご子息 千原係長(社会教育課) 石井さん

 あいにくの雨にも関わらず、今日も10人以上のメンバーがバスや車で自然の家に集結しました。皆手慣れたもので、カッパに雨靴、傘をさして湿原に向かいます。道中マルバハギやアキノキリンソウなどの花々が秋の風情を醸し出す中、たどり着いた松尾湿原はしっとりと雨に濡れて思わず見とれてしまいました。
 屋根のある小屋で本日の作業予定を確認し合い、まずは植生調査を中心に雨の降り具合を見て他の作業を柔軟に行うことになりました。

毎年10月はリンドウ、ツルリンドウ、センブリ、ヤマラッキョウ、ウメバチソウの5種類の植生調査を行っていますが、今年もこの5種類に2,3人でチームを組んで、去年のマップのコピーを手に湿原へと散っていきました。
 足元のぬかるみに気を付け乍ら植物を確認する者、マップが雨に濡れないように気を配りながら慎重に地図に記録する者と皆手慣れた手つきで調査は進みます。 去年は見られなかったところに新たな株を発見して喜んだり、去年あったところに見当たらなくてがっかりしながら夢中で湿原やその周りに目を凝らします。 「ここに○○があるよ」「ここにも△△があるよ」と、自分の担当以外の植物を見かけると声を掛け合いながら、賑やかに湿原の小さな花のマップが出来上がっていきます。
 初めの頃は自分の担当している植物以外は目に入らなかったものでしたが、慣れてくると他のメンバーの担当植物にも目が行き届き声を掛け合う光景に、10年以上を経た植生調査がすっかり定着してきたことを実感しました。

ウメバチソウの新たな株に可憐な花が咲いている姿や、まだまだ蕾の多いヤマラッキョウやセンブリ、リンドウたちの雨に打たれた瑞々しい姿に思わず目を奪われました。
 これらの花たちの一番の見ごろが掲示板を飾っています。 会員手作りの看板で湿原の魅力や会の活動を多くの人たちに知ってもらい、会員もさらに増えるといいなと思いました。

雨の中でも湿原の周りにはいろいろな発見がありました。
 会員が湿原横の通路に不思議なものを発見してカメラに収めてくれました。 苔の表面に何やら奇妙な赤い花、イオウゴケ(別名モンローリップ)と言うそうです。 何やらマリリンモンローの赤い唇のような魅惑的な姿が目を引きます。
 他にもリーダーハウス跡地の草地には十数個のホコリダケが見つかりました。
 そしてその近くになんと蛇の抜け殻が3つも! 蛇は成長の過程で何度も脱皮するので、「死と再生」「復活」の象徴とされてきた最強の縁起物だそうです。
 TENの活動にも明るい未来を感じさせてくれます。

昼食の後、午後からは恒例となった石井さんの軽トラック一杯に積まれた西谷産の黒枝豆が到着しました。 各自予め注文した枝豆の余分な葉や茎を切り落として思い思いに袋に詰めると思わず笑顔がこぼれました。
 最後まで降りやまない雨の中、今日も無事に作業を終えることができました。参加された皆さまお疲れ様でした。 (記 小宮)