図書館の片隅から 3 〜大往生するなら医者と関わるな (中村仁一 著)

今年初めの出版当時から話題になっていたが、現在でも図書館の予約数ベスト10に入っているとは、関心の高さに驚かされる。既に読まれた方も多いと思うが、改めて紐解いてみた。

とかく避けがちな「死に方」を正面から議論する。一貫して根底にあるのは、日本人の過度な医者信奉への疑問と、自然の一部としての我々の在り方だ。歯に衣着せぬ表現と少し荒っぽい冗談には怯む向きもあろうが、それは著者の真っ直ぐな思いと人柄ならではか。
年を取れば体の各所に問題が生じるのは当然とし、「無理矢理生かす」のではなく自然に命が細る様を受け入れるべきだと説く。確かに!と思う半面、それが自分ではなく、家族・近親者に対しても同様に思えるか、と考えると一気に自信が薄れる。

著者の考えが100%正しいとは言わないまでも、そのような事実や考え方もあることを理解した上で、自らの、そして家族の終焉のあり方を、避けずに考えておくことが大切だと感じさせられる。