西日本豪雨災害 活動報告(第2報)

岡山県倉敷市真備に行きました。お手伝いしつつ、今後のボランティア活動の見通しを立てるための情報を集める先遣隊です。
ポリタンクに入れた生活用水、ペットボトルの水、お茶などを車に積めるだけ積み込んで、同僚の稲場圭信教授と私の研究室からボランティアとして参加してくれた林亦中さんと一緒に吹田を8時45分に出発しましたが、真備に入る直前の橋が大渋滞し、到着したのは14時前になりました。被害の甚大さは、報道で知っていたつもりではありましたが、現地に行ってみて、見渡す限りの被災状況に改めて驚き、心を痛めました。通りという通りはどこもかしこも泥が流れ、そして猛暑快晴の中で乾いて砂埃が舞っていました。その中で、住民の方々が懸命に泥かきや家具の持ち出しなどをされていました。どの方の顔にも疲労が滲み出ていました。

ボランティアの姿はありませんでした。すぐに手伝いたいと思いましたが、途中、「真備の社会福祉協議会では、災害ボランティアセンターを立ち上げる予定なので協力して欲しい」という連絡を受けていたこともあり、倉敷市真備支所に向かいました。しかし、建物は浸水で使える状態にはなく、玄関口で給水がなされているだけでした。倉敷市中心部にある倉敷市役所、倉敷市社会福祉協議会に移動して業務をされていることが後でわかりました。また、その後、社協では既に災害ボランティアセンターの立ち上げについて、経験のある災害NPOも入って進めておられることもわかりました。
そこで、救援物資を受け入れて住民に配っているという真備総合公園体育館に向かいました。水や食品など大量に物資はありましたが、やはりボランティアはまだ到着しておらず、すべて市職員で対応しているということでした。被害の大きかった地域から少し離れているし、片付けに懸命の住民がそこまで物資を取りに行くのは大変だろうと考えて、パンやご飯(水を入れて調理できるタイプ)などを受け取って車で出向いて片付け中の皆さんに配らせていただくことにしました。

被災中心部、真備町岡田・有井にもどりましたが、どこもかしこも片付け作業中でしたので、先ほど通った道で見かけた方々に次から次へと声をかけて、持ってきた水や受け取ってきた食品をお渡ししながら話を伺いました。「ありがとう」「本当に助かる」「え〜西宮から・・・ありがとう」「もっとひどい被害の所にも配ってあげて」と頭を下げてくださる方々。「屋根に逃げてボートで救出された。でもどうやって屋根に出たか覚えてない。そのボートがあと少しのところで揺れて、最後は泳いだ」と話してくださった高齢の女性、「家は2階までやったけど、あそこの家は2階の天井まできたんや」とその方角を指さしながら「もうどうしていいか・・・」と汗をぬぐう男性・・・。「大変でしたねぇ・・・手伝わなあかんけど、今日はとりあえず配らせてもらいますね」とお応えしつつまわりました。車1台で配れる範囲はほんの少し。同じようなご苦労がこの広大な真備の町のあちらこちらにあるのだと思い、後ろ髪を引かれる思いで町をあとにしました。未だに停電で、水道も復旧していないので、大変な状況が続いています。
 街を歩けば目の前に苦労されている方々がいらっしゃいます。NVNADでは、引き続き、ボランティアの皆さんと一緒に、お手伝いをさせていただきます。