10月に「気候変動」と「未来の食」を考える [食品ロス]なのに[食料不足]

私たちは普段の生活において、さまざまな理由で食べ物を捨てています。
買った野菜を冷蔵庫の中で傷ませてしまったり、飲食店で食べ切れない量の
料理を注文して残してしまったり(もちろん残飯として処分されます)……。
こうして捨てられていく食品の量は無視できないほどに多く、「食品ロス問題」と
いう新たな社会問題が浮上しています。
しかし実は、地球に住むすべての人が食べるのに必要な食料は生産されています。
世界では「食料不足」の問題と「食品ロス」の問題が同時に発生しているのです。

食料自給率が低い日本
国連は毎年10月16日を「世界食料デー」に定めました。1979年の第20回「国連食糧農業機関」(FAO)総会での決議に基づき、1981年に制定されました。日本でも2008年から10月を「世界食料デー」月間としてさまざまな啓発活動に取り組んでいます。
農林水産省によると、日本の食料自給率はカロリーベースで約38 %しかありません。残りの6割強は世界各国で生産される食料に頼っていて、その分を賄うために、日本の総農地面積(約454ヘクタール)の約2.4倍にあたる海外の農地(約1080 ヘクタール)が必要だと試算されています。食料の多くを世界に依存する私たちにとって、世界の食料不足の問題はそのまま私たちの食卓に関係してくる問題ともいえるでしょう。

気候変動がもたらす食料危機
私たちが排出する温室効果ガスが地球の平均気温を上昇させ、世界各地に気候変動をもたらしているからです。地球温暖化は食料生産に直接・間接的に影響します。
気温の上昇に伴う水蒸気量の増加によって、台風の大型化や降雨量の増加など雨をめぐる様相も変化しています。
農林水産省の報告書によると、すでに夏の高温・少雨が果樹生産に影響を及ぼしています。ブドウやリンゴ、柿、ウンシュウミカンは、強い日射と高温による日焼けや着色不良などの事例が報告されています。海外に目を向けると、農業生産については、ヨーロッパなどの高緯度地域よりもアジアやアフリカなどの低緯度地域の方が気候変動の影響を受けやすいとされています。

100億に膨れ上がる人口分の食料を賄えるか?
 2050年には地球上の人口は約100億人に膨れ上がると推定され、それだけの人たちに食料を供給する必要が出てきます。そのために、私たちがいま食料問題としっかり向き合うことが、誰もが飢えることなく食を楽しめる人類の未来につながるのです。
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191014-00010002-wordleaf-
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