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ふれあい塾あびこレポ-ト
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2019/10/07のBlog
シェイクスピア『リア王』にみられる高齢者問題 
元茨城キリスト教大学教授・文学博士 清宮倫子さん

清宮講師は「世界文学史上最高の作品のひとつであるシェイクスピアの『リア王』は、現代日本の、高齢化社会の老人問題に数々の鋭い示唆を与えてくれています。
主人公リア王は三人の娘に領土と統治権を分け与え、身軽になりたいと欲するのですが、それは裸になるということでもありました。結局、粗末に扱われ、狂気に陥り、破滅するという彼の判断の、どこに誤りがあったのでしょうか? 読めば読むほど他人事ではない、と感じられてくるはずです。」と前置きされて次のように解説されました。

*シェイクスピア4大悲劇のひとつである「リア王」の登場人物とあらすじを解説され、膨大な台詞の中からリア王の特徴的なセリフを抽出されました。

*抽出したセリフをさらに考察されて、
-判断力を無くしていき、耳触りの良い言葉を好む
-感情のコントロールを失い、大声を出し、子供のように泣き叫ぶ
-怒りやすく、怒声を吐くようになる
-常軌を逸した行為や行動を取るようになる
-AさんをBさんと思い込み、誤認識を起こす
-他人には見えないものが見える、幻覚を起こすようになる
ことから、ドラマの節々に認知症の症状が出ていることを指摘されました。

*これら老人特有の言動や行動は今に通じる話であり、高齢者への接し方や私たちの行く先への警鐘を鳴らされました。

清宮講師は「避けることが出来ない認知症の問題を、420年前にシェイクスピアは描こうとしたのではないか、人間として会話することが如何に大事なことか、相手の存在を認めてプライドを傷つけず、なるだけ環境を変えずに、一日一日を大切にして最後まで生きて行きましょう」と結ばれて講座を終えられました。

ご参加のみなさまからのご感想です:
*人間の業は、ギリシャ時代から変わっていない。ギリシャ悲劇から続く、数々の悲劇は、この人間の業をえぐり、人々の心をゆさぶってきたのだと思っている。

*有名なリア王を老人という視点から見られて面白かった。又よろしくお願いします。映像もよかった。

*古今東西、いつの時代も、今後も、親と子、権力、カネ、武力など強いものが勝つ。しかし人の幸せは異なる。カネでも力でもない。高齢者となると、いろいろな問題が発生する。今日の講義を聞いて考えさせられました。

*シェイクスピアの時代は、認知症に対する理解など無かったと思う。その中でリア王の話を書き上げたのはすごいと思った。現代の問題とここまでつながりすぎているなんて大きな発見だった。

2019/09/28のBlog
地域包括医療について -救急から在宅医療に向けて-
社会医療法人社団蛍水会副理事長 名戸ヶ谷あびこ病院総長 
高橋一昭氏
「我孫子市の現状について」我孫子市役所健康福祉部高齢者支援課

平成30年度の我孫子市における緊急搬送された人の数は6,000人近く、その80%を高齢者が占めていました。我孫子市内の医療施設が受け入れた搬送者は、全体の57%に過ぎません。

国の推計値で日本の65才以上の人口は、2060年には人口の40%を占めると言われています。しかし急性期や慢性期の受け入れ可能な病床数は、足りていません。

この現状から急性期以外の治療は、在宅での治療へシフトせざるを得ません。自分自身で支える、ご近所も支える、社会も支える、自治体も支える、地域で相互にケアーをする仕組み作りが喫緊の課題となります。

この在宅医療の仕組みや訪問診療の実際、関心の高い看取りについて、名戸ヶ谷あびこ病院総長 高橋一昭氏は豊富な経験から具体例を用いて分かりやすく解説下さいました。
2019/09/20のBlog
谷川賢作、父俊太郎を語り、歌う
現代を代表する詩人のひとり谷川俊太郎さんを父に持つ作/編曲家・ピアニストの谷川賢作さんが、父や家族について語り、数々の親子共作の楽曲などを歌ってくださいました。

「世間は『偉大な父をお持ちになるとさぞプレッシャーが』、などと言うが、本人はいたってのんきにマイペースでやっています」と話されて、ピアノの弾き語り、父上の事、ご自身の事を含めて、楽しいトークと歌が全開の90分でした。

埴生の宿 里見 義作詞・ヘンリ-・ビショップ作曲
とんびのぴーひょろろ 谷川俊太郎作詞・寺嶋尚彦作曲
鉄腕アトム 谷川俊太郎作詞・高井達夫作曲
火の鳥 谷川俊太郎作詞・ミッシェル・ルグラン作曲
Five monks in paradise 谷川賢作作曲
その時歴史が動いた 谷川賢作作曲
国立第七小学校校歌 谷川俊太郎作詞・谷川賢作作曲
母のまなざし父のひとこと谷川俊太郎作詞・谷川賢作作曲
よりあいの森の歌 谷川俊太郎作詞・谷川賢作作曲
イソップさん 谷川俊太郎作詞・谷川賢作作曲

ご参加下さった方々から頂いたご感想の一部を、ご紹介致します。
*久々のアビスタ、青空の下白い雲を眺めながら賢作さんの美しいピアノの音色を
聴けて幸せでした。谷川俊太郎さんの歌詞は、深いなと感じました。言葉だけで聴く
よりもメロディの乗った方が心にスッと入ってくるかもしれません。Jazzの音楽の魅力が
アンサンブルとおっしゃっていて賢作さんの生き方、お話の仕方にもそれが表れていて
とてもひきつけられました!また我孫子にいらしてください。

*ユーモアあふれるお話とピアノ演奏、歌と大変聴きごたえがありました。クラシックと
ジャズの違いの話も面白かったです。国立第七小学校校歌 素敵、ホーム、短大の歌
いいですね。茶化しの中の愛情、よくわかります。

*谷川俊太郎さんの事は、朝日新聞でくわしく知りました。詩も読ませていただいています。その息子さん、明るく素直で(大人の方に失礼!)気持ちのいい方で楽しい時間でした。素晴らしい曲ばかりでした。
2019/09/13のBlog
[ 14:25 ] [ ふれあい塾講座記録 ]
量子コンピュータ その光と影
―実現した時の威力とくらしへの影響―
東京工業大学名誉教授 細谷暁夫氏

未来のコンピュータとして、各国が研究・開発を競っている量子コンピュータについて、その開発の現状と、実現した時の威力と暮らしへの影響について、長い間携わってこられた細谷暁夫氏にお話をして頂きました。

現在インタ-ネットのセキュリティに使われているRAS(発案者の頭文字に由来)公開鍵暗号は、素因数の分解に手間がかかることを利用しています。

ところがいま話題の量子計算機が実用化されると、素因数の分解が短時間で可能になります。短時間で分解が可能になるということは、RAS公開鍵暗号が崩壊してセキュリティに打撃と危機をもたらすことに他なりません。

一方で量子計算機が得意なことは素因数分解や、Traveling Salesman Problem(巡回セ-ルスマン問題)と言われる解けない難問や課題の最適化であると言われています。

量子的とはなにか、デ-ビッド・ドイチが唱えた量子計算は何か、などを解説されたあと、
「量子計算機は確率的にしか正しい答えを出してくれないが、検算をして間違いを排除することのできる問題に適している」
と結ばれて講座を終えられました。
台風15号の被害が大きかった千葉県ですが、量子計算機は天気予報には向いていないそうです。

ご参加頂いた方から頂いた、ご感想の一部をご紹介致します。
*最近よく耳目にする課題について原理(は理解までにはいきませんでしたが)や課題、現状、歴史等を知ることができるよい機会でした。

*難しく全く判らなかったが、何となく楽しい講座でした。

*講座に参加する前から、相当難しい講義とは予想していたが、確かに小生の如く文系の人間にはほとんど理解できないことが多かった。しかし、さすがに参加された方々の中に詳しいご質問が次々出て、我孫子市内に多くの専門家がおられることに驚きました。社会問題として「量子計算機」が取り上げられているので、これから色々参考書で勉強しようと云う気にさせる講義に出席出来て幸せでした。
2019/09/10のBlog
新シリーズ「再訪・絵画を観る喜び」⑥ ロココ美術 
美術愛好家 長野一隆氏

大好評の長野絵画解説新シリーズの6回目は、前回のバロック絵画に対してより繊細かつ装飾的になった様式で、18世紀ルイ15世のフランス宮廷から始まり、ヨーロッパ全域に広まったロココ(Rococo)絵画をお話頂きました。

今回も長野講師が、40年近くにわたって訪問された42ヶ国、2135ヶ所に及ぶ美術館、博物館、美術品のある邸宅や教会などで実際に観てこられた世界中の名画のなかの代表作をスライド80数枚を用いて解説下さいました。

ロココ時代の代表的な画家12名を採り上げ、作者、作品の特徴、歴史的背景、収蔵施設、所在地などを丁寧にご紹介いただきました。

ヴァトー(1684-1721) 「シテール島への巡礼(雅やかな宴)」 ルーヴル美術館、パリ 1717年 129 x 194cm
ロココ絵画を代表する画家、「雅宴画」の確立者、後の画家達に多大な影響を与えた

ランクレ(1690-1743) 「踊るカマルゴ」ワシントン・ナショナル・ギャラリー 1730年頃 76 x 107cm
ヴァトゥー後の雅宴画の代表者、1719年、王立絵画・彫刻アカデミーの会員に
フランス国王ルイ15世を始め、プロイセン王フリードリヒ2世 などの有力者から人気を博す

ナティエ 「フランスの王女たち、ヴィクトワール姫:水」サンパウロ美術館、ブラジル 1751年106 x 138cm
フランスで最も成功した肖像画家のひとり、王室肖像画家、神話的肖像画で肖像画の地位向上に寄与

ブーシェ(1703-1770) 「ヴィーナスの勝利」ストックホルム国立美術館、スウェーデン 1740年 130 x 162cm
ロココを代表する画家、ルイ15世の主席宮廷画家、アカデミーの院長
神話画、肖像画、寓意画、宗教画、風俗画、風景画、タピスリーや磁器の下絵制作など多作

シャルダン(1699-1779) 「赤エイ」 ルーヴル美術館、パリ 1728年 114 x 146cm
18世紀フランス絵画を代表する巨匠、風俗画、静物画の名手
国王ルイ15世やロシア女帝エカテリーナ2世等から絶大な信頼を得ながら数多くの作品を手がける

フラゴナール(1732-1806) 「ぶらんこ」 ウォーレス・コレクション、ロンドン 1766年 81× 65cm
ロココの最後を飾った画家、ブーシェとシャルダン2人の巨匠に短期間ながら師事
歴史画、神話画、宗教画、肖像画、風俗画、風景画、寓意画など多彩な活動

ホガース(1697-1764) 「当世風の結婚-2」 ロンドン・ナショナル・ギャラリー 1743年 70 x 91cm
イギリス画壇を代表する国民的画家、版画家、風刺画の父
イギリス近代絵画の創始者、ホガース法、美学理論書「美の分析」出版

レイノルズ(1723-1792) 「サラ・キャンベルの肖像」イェール英国芸術センター、アメリカ 1778年 128 x 102cm
イギリス画壇の創設者、英国ロイヤル・アカデミー初代会長、肖像画家として社交界で絶大な人気を誇った

ゲインズバラ(1727-1788) 「アンドリューズ夫妻」ロンドン・ナショナル・ギャラリー 1749年頃69 x 115cm
イギリス画壇でレイノルズと並ぶ肖像画家、英国ロイヤル・アカデミー創立に寄与、風景画家としても一流

カナレット(1697-1768) 「大聖堂前のサン・マルコ広場」ハーヴァード大学付属美術館、ケンブリッジ
1734年頃 76 x 119cm
イタリアを代表する稀代の景観画家、10年間イギリスに滞在、カメラ・オブスクラ使用による正確な下図

ティエポロ(1696-1770) 「アルミーダと眠るリナルド」シカゴ美術館、アメリカ合衆国 1742年 187.5 x 217cm
18世紀イタリア絵画最大の巨匠、イタリア・ルネサンスの伝統を継ぐ最後の巨匠
稀代のフレスコ画の名手、息子のドメニコとロレンツォも画家

ドメニコ・ティエポロ 「アブラハムと三天使」 アカデミア美術館、ヴェネツィア 1773-74年 203 x 284cm
13歳で父の一番弟子になり、ドイツ、スペインにも同行、父の死後はヴェネツィアで独自の画風に進む

台風15号の影響で交通機関が乱れ、気温32度の我孫子市でしたが、大勢の方々にお楽しみ頂けたようです。
*大変に勉強になりました。いつも乍ら講師の長野先生の記憶力・表現力に驚かされます。
*いつも、とても興味深くお話を伺っています。素晴らしい絵ばかりで、ありがとうございました。
*いつも博識に溢れた口上に感銘を受けます。引き続き継続される由、有難いことです。
*1ケ月のお休みのあとのふれあい塾として長野講師のお話は最高でした。相変わらず素晴らしい絵と興味深いお話をありがとうございました。