AAF的東北アートツーリズム紀行(4)〜いわきから東鳴子へ〜

一夜明けた、いわき市内のホテル。

今日は、AAFでは「GOTEN GOTEN アート湯治祭」でおなじみの東鳴子で、これまたAAF地域間交流で昨年近江八幡に来てくれた齋藤さんとお昼に待ち合わせをしている。「湯治」というのは私にとっても未体験の文化。前々から行きたかったのが、ついに実現した。
いわき市のある福島県と東鳴子のある宮城県とは隣同士なので楽観していたが、調べてみると、いわき駅を7時半に出る特急に乗らないと、お昼には間に合わないことがわかった。

早めの朝食をとり、身支度を整える。
なんだかんだしているうちに、時計を見ると、もう7時をかなり回っている。

急いでホテルをチェックアウト。駅までは徒歩10分ぐらい。スーツケースをコロコロ引きながら早足でいわき駅に到着。ここで素直にメイン階段を上っていればよかったのだが、荷物があるからエレベーターで改札へ向かおうと思ったのが失敗。駅の1階はどこもかしこも工事中で、探し回ったが結局エレベーターは見つからず、引き返して階段を上って改札へ。切符売り場に着いたときには、タッチの差で目当ての「スーパーひたち」はホームを出て行ってしまった。

仕方がないので、齋藤さんに携帯で1時間遅れることを伝え、原ノ町経由で仙台まで在来線に乗った。
原ノ町駅のホームでは、約25分の待ち合わせ。
天気はいいが、強風が吹きつける。ほどなく、急に鼻と目がムズムズ。花粉のせいか、昨日の三凾座のホコリのせいか、くしゃみ・鼻水・涙が止まらない!

そのままではちょっと温泉を楽しむ気分になれそうにないので、仙台駅で途中下車して、鼻炎薬と目薬を買うことにした。

仙台駅を降り立つと、巨大な空中回廊(歩道橋)と、立ち並ぶビル群が目に入った。正面にあるロフトのビルには、CMの映像が流れる巨大モニタがある(右の写真)。

初めて訪れた仙台駅前の様子は、まるでリトルトーキョーだな、と思った。

ほどなく、ビルの合間にマツモトキヨシの看板を発見。無事にクスリを買い、早速服用して駅に戻り、今度は古川駅まで新幹線に飛び乗った。東北新幹線に乗るのも、たぶんこれが初めてだ。

新幹線は雪の残る野山を駆け抜けて、すぐに古川駅に到着。
そこで、面白いものを見つけた(右の写真)。

う〜ん、滋賀県随一のゆるキャラ「ひこにゃん」と、どことなく雰囲気が…。

古川駅からは、陸羽東線というローカル線に乗り換える。通称「奥の細道湯けむりライン」とも呼ばれる、いかにもローカル線らしいかわいい電車。

子どもの遠足気分で、スナック菓子を買い、ワクワクして窓際の席を陣取った。
とんでもない峡谷の絶景を勝手に想像していたが、窓から見えるのは、のどかな田園風景ばかり。いよいよ、湯治の郷・東鳴子が近づいてくる。
 

鳴子御殿湯駅。

住民とJRとでデザインを何度も話し合って改築されたというだけあって、ここの駅舎はなんともすばらしい。

古すぎず、モダンすぎず、とにかく小気味よい。
待合室には畳まである。

「コミュニティカフェ」と言って、世代を超えていろんな人が溜まってコミュニケーションできる「居場所」「井戸端」をつくることがまちづくりの手法として流行っているが、ここでは、この駅がその役目を果たしているのではないか。

ここでコンサートをしたくなる気持ちがわかる気がする。

…さて、この駅舎で、予定通り、齋藤氏と、彼に同行してきたS氏に合流できた。ここからは、齋藤氏の車とナビゲートで、旅は進む。

(次の記事へ続く)