映画づくりの現場が、子ども達を変えていく。

実は、今回のワークショップに参加している子ども達のうち2人は、いじめによる不登校の経験者です。

そのうち一人のお母さんが、初日の撮影現場を見学され、撮影終了後にに少し話をしました。

何年も見ることができなかった、わが子の生き生きとした表情、映画づくりに真剣に打ち込む姿勢、他のメンバーと楽しく交流する姿を見ることができた。

誰一人甘やかさず、一人の人間としてすべきことを、ひとりひとりが相当高いレベルで要求される撮影現場。
原監督が作り出してくれたこの「映画づくり」という厳しくも温かい現場の一員になることで、いやおうなしに今まで出し切れなかった自分を出し切り、今まで乗り越えられなかったカベを乗り越えられたような気がする—。

今回、参加させてもらって本当によかった。

…そんなお母さんの言葉を聞いて、私も、いろんな意味で想像していた以上に大変だった今回のワークショップをやってよかった、と改めて思いました。

実は、その2人は、今回のワークショップに参加していた7人のなかでも、やはり攻撃されやすく、端から見ていじめの前兆と思われるやりとりもあり、心配していた時期もありました。

教育現場に関しては素人の私ですが、このぐらいの時期の子どもは、罪の意識なく異質なものに対して排除的・攻撃的になってしまいがちなものなのだ、ということを実感しました。

そこをどうコントロールすべきか。
原監督のやり方は、ひとつのたしかな答えだと思いました。
撮影現場に入ると、そういったいじめ的風潮や思考はほとんど感じられません。

いじめた側の子も、いじめられた側の子も、7人全員が、この短期間で随分成長したように感じます。
撮影は、お盆をはさんでまだ一週間近く続きます。彼らのさらなる成長を見るのが楽しみです。