武道を体験した気づき / 笑って小噺

コロナウィルスの影響で
江戸小噺の依頼も、中止が続いています。
世界中の終息を願いながら
心は明るく持って、1つ1つ今できることに集中しています。
あなたは いかがでしょうか?

さて、ご縁あって無限塾風武流という武道の体験をする
機会がありました。
主宰は、73歳になる土居清塾長で、66年の武道歴を
今こども達の無限の可能性を引き出すために役立てたいと一念発起して、
始められたところです。

当日、武道体験のはじめの1っ歩は まず準備。
袴をはく前にする 下帯を締めますが、きつく締めた後は
ぐっと体が締まります。
同時に、「さあ、これから」の気持ちまで引き締まります。
腹をくくる、そう感じました。(日本語は、よく出来ていますね)
この下帯は、後でわかったことですが
木刀を差すさやをこの下に通す役目もあります。

そして道着と袴を着ます。
気分は、武士。 気持ちが入り、変身したような立ち姿。

最初は けがをしないように、各自でストレッチをします。

そして、立ち姿から 挨拶の手順。
右足から先に座る動作 座った後の礼の作法。
立ち上がり方。

瞑想の時間が少し。 足の組み方の指導。

最初にやったのが、木刀をもって
上から真下に振る動作。
上からでも、斜めしたに振る動作。
下から、斜め上に振る動作。
横から横へ振る動作。

模擬刀も 握って振らせていただきました。
木刀とは違う まず重さにびっくり。
使いこなすには
日々の鍛錬があるからこそと 思いました。

模範演技も 見せていただきました。
最後に挨拶と 本来は掃除で終了します。

武道は刀を扱いますから
戦国の世であれば、切るか 切られるかの世界です。
ですから、
木刀の練習の場合でも 相手に切られないように
この位置から ここまで振るという指導があります。

さて、木刀を持っているのは「手」です。
そして 木刀を振る時には 足を1歩前に出しながら振りおろします。
胸も張ったほうがいいそうです。
その時、「こうかしら?」と
頭で考えすぎてしまうと 「あれ?」となってしまいます。
そして、手の振りのタイミングが遅れてしまったり
かすかな違和感が残ります。

土居先生は「考えるな!感じろ」と言います。

心技体が、1つになって
「こうしよう」の心のままに 手足を動かしている時は
一連の流れがあり それに任せて タイミングが合っている感覚がつかめます。

武道は、自分の中で
自分の心技体を一致させる体験ができることを 感じました。

終了の挨拶をした時の
すがすがしい気分 爽快感!は格別でした。

ところで今 私たちは日常でストレスを感じることがあります。
これは
「本当はこうしたい」という思いがあっても それが叶わずに
そうではない行動をとらざるを得ない状況の時です。
心技体 さらに 言葉も一致せずに ずれが生じていることも多いです。

人は、言っている言葉 心で感じている事 実際にやっている行動
そのすべてがつながっていると
いつも すっきりと気持ちの良い自分でいられます。

すべて 毎時間 そうはいかないまでも
その時間を出来るだけ 増やすことは 大事だと思っています。
長く 自分の中の分離が続くと、
心の素直さも失われていき 傷つき 病気になる場合もあるからです。

今回、私が体験した武道は 思った以上に繊細で
これは ど素人の私が感じたことですが
型を繰り返し学びながら、
実は 自分の中のかすかなズレに気づいて 修正をしていく
心技体を一致させていく鍛錬のようでもあり、
それを極めることが 一瞬の動作に集中して 相手を倒すことに
つながっていくことを 感じさせていただきました。
とても 貴重な体験になりました。
続けたら 精神の鍛錬と生きる姿勢そのものに 良い影響があることでしょう。 

無限塾風武流(5分映像)
https://www.youtube.com/watch?v=QMfMOJrIr7k
映像の最後に、土居先生が心のあり様としている詩が 土居先生の声で紹介されています。
涙があふれ、心に残ります。ぜひお聞きください。
命の大切さを学び、大きな愛情にあふれています。

※大人もこども共に 武道の体験にご興味ある方は
無限塾風武流
フェイスブックページに 案内があります。
(日曜日の午後2時〜4時 中目黒駅そば)
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では、小噺をどうぞ〜♪

【匂い代】

うなぎの蒲焼屋の前を毎日通るたびに、
まったく旨いにおいだと、鼻をひょこつかせてとおったら、
大晦日に、鰻屋が呼び込んで、毎日の匂いのかぎ代を、1日1文として、
365文よこせと催促した。
そこで、「それは安い」と、ふところから財布を出し、
365文かぞえて、両手にのせ、ちゃらちゃらと音を聞かせて
「さあ、これで払いがすみましたよ」

【寺子屋】

寺子屋のこどもが一人席を立って、師匠の前に手をつき、
「お師匠様、ちょっと用事がありますので、家へ帰ってまいります」と
ことわって出ていった。
すると、また一人席を立ってきた。師匠がそれを見て
「太郎くん、お前も用があるといって 帰るのか。」
「ハイ、ちょっと帰りたいと思いまして」
「フーム、何をしに帰るのだ。用はあるまい」
「ハイ、ちょっと帰りまして」
「どうするのだ」
「ハイ、用があるかどうか、聞いてみたいと思いまして・・・」

出典「思わず笑ってしまう本 江戸小噺傑作集」 田辺貞之助著

お後がよろしいようで・・