日本語で育つ「日本語人の脳」の特徴 &ラジオ第18回&小噺

今注目している脳の本をご紹介します。
東京医科歯科大学名誉教授
角田忠信先生の本を2冊 読みました。

角田先生は、
その研究経過の中で、9歳までに日本語で育った人の脳の使い方が、
欧米人や欧米で育った日本人とは異なることに気づきました。

内容はこのようです。

角田先生は、耳で聞くさまざまな「音」に反応する
脳の部位を調べてみました。

注目したい違いがあります。

まずは、欧米人や9歳まで欧米で育った日本人の脳の特徴・・・

バイオリン、フルートなどの洋楽器や和楽器は 
すべて右脳が反応していて
単純に「音」として 同じ回路で認識されています。
こおろぎなど生き物の鳴き声や、母音「あ」も 同じです。 

ところが 日本語で育った日本語人とポリネシア人(だけ)の脳の反応は 異なります。

洋楽器や機械音は、右脳で反応しますが、
和楽器、尺八やお琴 こおろぎなどの生きものの鳴き声、風水など自然音や
あいうえおの母音
これらは、左脳の言語脳が反応しているのです。

昔から 生きとし生けるものすべて、自然の中にさえ命を見出して、愛おしく思い
その息遣いを感じてきた日本人の歴史と
繊細な情景描写などの言葉の表現ができることと つながりがあるように感じます。

単なる「音」以上の何かを
日本語人は感じ取りながら 長く生きて来ました。

左脳の言語脳で捉えるからこそ、それらを言葉で表現してきたのではないでしょうか。

風のそよぐ音を さらさら
水の音は びちゃぴちゃ ざあざあ しとしと
オノマトペの表現は 日本人特有だと 聞いたように思います。

私の中には 感動がありました。

感情豊かな繊細な言葉の表現が だんだん身に付いたのは
こどもの頃に、自然に触れながら 感じる心を育てつつ
多くの日本語に触れる環境と脳の働きがあったこと。

そして大切にしたい「和の心」は 日本語の中にあり そう感じました。
あなたは どう思われますか?

これは、角田先生の研究では 母国語が日本語の場合ということで、
外国人でも、日本と言う社会で9歳くらいまで暮らしていると日本語脳になり、
逆に 海外に生まれて育った日本人は、欧米型の脳の使い方に
なっているそうです。

これら 角田先生の驚くような研究発表は 
1度は欧米諸国や一部の日本人に受け入れられませんでしたが
角田先生は研究を続けて、90歳になった時、
もう1度、「日本語人の脳」を発表されました。
今、息子の角田晃一先生によって研究は引き継がれ、
この理論は、さらに解明されていくことでしょう。

おとなも子どもも
日本語を 心で感じて もっともっと 楽しみましょう!ご一緒に。
小さい頃にこそ きれいな日本語にふれてほしいいものです。

江戸小噺もその1つ・・ということで。

〇●〇
先週に続いて、スマホでも聞ける インターネット・ホンマルラジオ
「そよ風の笑いはここから 10秒小噺を話そう」
第18回も、本日公開されました。
ゲストは、活動メンバーの
笑楽さん、3休さん、もたもちさんです。
楽しい小噺をぜひ聞いてみて下さい。

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では 小噺をどうぞ・・・

【 雷鳥 】

「鶴は雷鳥ですよ。
ならんで飛びながら、雄が『ツウ』と鳴けば雌が『ルウ』と
こたえます。ここからツルという名になりましたな」
いいことを聞いたと、はりきった男、別のところに行って、
「ならんで飛びながら、雄が『ツウル』と鳴きます、すると雌が・・・」
「雌は、どう鳴きますかな?」
「・・・・・」
「さあさあ、雌はどう鳴きますか?」
「雌は無口がよろしい」

【数の限界】

主人にいわれて、呉服屋へ着物を取りにいった丁稚。
「値段を聞いてこいと・・・」
「5匁5分でございます」
「ちょっと書きつけてくれませんか」
「覚えにくいかね。ほーれ、右手の指を5本折って5匁、
左の指が5本で5分だ。
あわせて5匁5分」
「これで覚えた」
まもなく戻ってきて、
「2分ほど、負けてくれませんか?}
「どうして?」
「店に帰っても、これでは戸があけられない」

 出典「江戸の笑い話」 人文書院

お後がよろしいとようで・・・。