なぜ自信が持てないのか 自己価値感の心理学 根本橘夫より その2

・自己価値観を修復する実践法

これまでの自分を否定したところに救われた新たな
自分があるわけではありません。
ですから、過去と現在における自分を受け容れ
その上でこれからどう生きるのか、と問うことです

ある人は、これまでの人生を
「つらかったのに、よくがんばってきたな」と自分をほめたたえながら
受け止めることができるでしょう

ある人は「意気地がない、だめな自分だった」と
悔恨ばかりが感じられるかもしれません

ある人は「別な環境が与えられていたらもっとましな人生が
送れたはずなのに」と恨みがましい気持ちが強いかもしれません

またある人は演技し、迎合し、自分を生きられなかったと
恥じる気持ちが強いかもしれません

そのいずれにせよ、自分だけに責任があるわけではありません
幼く無力な存在であった自分と、圧倒的に強力な外界という
力関係の中で、それぞれの人が置かれた状況により
そうならざるを得なかった自分なのです

そう考えれば、それほど否定的な人生ではなかったと
いえるのではないでしょうか

どのような人生を生きてきた人でも「健気にもがんばってきた自分」と
ほめることができるのではないでしょうか

自分の人生は、誰も代わりに引き受けてはくれません
誰を恨もうと妬もうと自分の人生が変わるわけではありません

自分と自分の人生を受け入れること。
これだけでも自己価値の感慨が湧いてくるはずです

自分で自分の人生を愛さなかったら、誰が自分の人生を
愛してくれるでしょうか