「いじめないこども」にする教育

こんにちは。
渡辺由美子@有限会社WAFFLE@キープラ社会貢献事業部です。

仕事とPTAでバタバタしてしまい、更新が遅れてすいません。
「こどもと社会をつなぐポータルサイト Kids’ DOOR」のほうも
ゆっくりですが、確実に進んでいます。
早く皆さんにおみせしたいです。

ところで、相変わらず「いじめ」が続いています。
まるで申し合わせたような学校&行政側の対応には、
本当に気が滅入ります。
ただ、ここでいまの学校管理のシステムに間違いがある
(地方の教育行政と公立学校の関係)ことが
だいぶ明白になってきたと思うので、これをきっかけに
いい関係を作り出せればと願ってやみません。

個人的には、自校の生徒がいじめによる自殺という悲しい状況、
将来有望なこどもが亡くなっているのに、
校長先生が心からそれを悲しんでいる様子がまったく見られないのが
大変気になります。
まずは人として本当にショックを受けているのか、
人の命をどう考えているのかを聞いてみたいです。

マスメディアでは、相次ぐ自殺に

「とにかく死なないで」「自殺はいけない」
といじめられているこどもに対するメッセージをたくさん流しています。

それも大切だと思いますが、
今、苦しいいじめにあっている子どもたちに
「耐えろ」というだけでは、あまりにもかわいそうです。

日本ではあまり重要視されていませんが、
「いじめ」があるということは
「いじめる」こどもがいるからです。
私は教育の専門家ではありませんが、
書籍などを読むと
欧米では

「人をいじめることは、決してやってはいけない悪いこと。」

であるという立場で、いじめが発生した場合には
いじめられた子のケアではなく、
いじめたほうの子どもに対しての働きかけがたくさん行われています。

「いじめない」こどもを育てるということ。

なぜ友達をいじめるような卑劣な行為をするのかを
カウンセラーに見てもらったり、心理テストをしたりと
徹底的に調べるそうです。

もし、いじめの現場を学校で見たり、いじめられているというような相談が
あった場合には、
すぐにいじめたほうのこどもの親を呼び出して
話し合いがもたれます。
そしてスクールカウンセラーや
スクールドクターとの面談など
学校に通い詰めるのは
いじめたほうの親です。
だから、親も学校に呼び出されたりするのは
たまらないので、
友達をいじめるのは絶対にいけないと
家でも厳しく教えます。
いじめが起こって転校するのは
いじめられたほうではなくて、いじめたほうの子どもです。
いじめられる子に注目するのではなく、いじめたほうの子に注目がいく。

なぜ、いじめるのかを真剣に皆で考えて
いじめるこどもがいなくなれば
いじめもなくなります。

わたしは4年ほど前に、こどもがイギリスの公立小学校で1年間過ごしましたが
保護者に渡される学校のルールに
「本校はいじめに対しては特に厳しくあたります。いじめを行っていることが
わかった場合には退学となります。」
(イギリスでは小学校でも退学処分があり、その場合は受け入れてくれる学校を親が探すそうです)
ときっちりと書かれています。

そういうことが行き渡っているからでしょうか、
こどもたちは非常にフェアな精神を持っていて、
人をいじめるような行為は非常に卑怯なものだと考えています。

誰かがちょっと他人をいじめるようなことをすると
かならず注意するような行動が見られました。

最初の小学校生活がイギリスだったので
日本の小学1年生に転入したときは
かなり驚きました。
友達の悪口をいったり、こづいたりというようなことが
普通に行われていることに、かなりびっくりしました。

イギリスのこどもがいい子で、日本の子どもが悪い子だとは思いません。
やはり回りの大人の接し方だと思います。

今は、「いじめを認める・認めない」などというくだらないことに
議論が集中していますが、早くそこから抜け出して
「いじめはいけないことだ」
ということをはっきりということが大切だと思います。

日本のTVドラマでは、いじめが発生した場合に
「いじめた犯人を徹底的に探す」ということを
先生が避けているのが普通の情景です。
「あえて犯人は探しませんが、こういうことは二度とやらないように」
などというごまかし方をします。
しかし、悪いのはいじめられたほうではなく、いじめたほう。
悪いことをしているのに、無罪放免がまかり通っているというのは
どう考えてもおかしくないですが。

「とにかく犯人を探します。誰がやったか言いなさい。」
といじめを許さないという態度をきっちりと見せることで
たとえその事件の犯人は見つからなくても
次のいじめの抑制にはなるのではないでしょうか?

まずは「いじめを許さない」態度を大人がきっぱりと見せることが
大切だと思います。

親としては
「自分のこどもがいじめられていないか」
を気にするのはもちろんですが、
それと同じくらい
「友達をいじめていないか?」
「友達がいやがることをしていないか?」
ということを自分のこどもに聞くことが大切ではないでしょうか?

いじめに関するコメンテーターの中には

「いじめは決してなくならないので、いじめに負けないこどもを作る」

とか

「いじめられたときの逃げ道をたくさん作る」

というような論調も多いですが、これではいじめられる子が本当にかわいそうです。

悪いのは「いじめる子」です。
そこをきちんとさせることが、まず大切だと思います。

私が読んだ本で、日本人の子どもがデンマークの学校に行って
デンマーク人のこどもにちょっとしたいやがらせ(いじめのはじまり)を
された時、その学校の担任電話で相談したところ、
翌日の朝、校長先生から電話がありこどもと一緒に呼び出され、事情を聞かれたそうです。
そのうえで校長先生はすぐに、こう答えたそうです。

「すぐにいじめた子を呼び出して、私から直接話します。
このまま、他人をいじめてもいいというような大人になっては困るので
厳しく対応します。」

とおっしゃって、本当にすぐに対応してくださったそうです。

「いじめに耐えろ。強くなれ!」

ではなくて

「人をいじめてはいけない」

ということを徹底させることは、なによりも大切だと思います。

その意味でも、
自らが率先して生徒をいじめて自殺に追いやったような先生は
少なくとも、先生という職を辞すべきだと思います。

「一生をかけてつぐないます」

とおっしゃったそうですが、
先生を続けながら償おうというような甘い考えは、
もう立派な大人なのですから許されないと思います。

身内をかばうのではなく、まずは自ら手本を示して
いじめに対して厳しくあたらなければ
こどもたちの間でいじめがなくなるはずがありません。

大人が責任の取り方を示す、重要なポイントだと思います。