ニックネーム:  パスワード:
| MyBlogトップ | Blogポータル | ブログガイド | よくある質問 | サポート |
学びあい、わかりあう 多文化共生センター東京ブログ
記事一覧イベント一覧
[ 総Blog数:521件 ] [ このMyBlogをブックマークする ] [ RSS0.91  RSS1.0  RSS2.0 ][ ATOM ]
2013/01/15のBlog
[ 18:41 ] [ アルの多文化日記 ]
12月25日はクリスマスだけど荒川区の小学校で特別学習補助員の仕事だった 。
僕の仕事はその小学校にいる外国人の子どもや勉強のお手伝いがいる子をわかりやすく学習指導することだ。
小学校での仕事が最終日だったから、僕がいつもみていた女の子が一緒に帰りたがっていた。

彼女は僕が2学期中ずっとみていた子で最後一緒に帰りたがっていたけが、社会保険の手続きを職員室でしないといけなかったから、途中まで彼女を送って僕は学校に引き返した。
僕は彼女を見守りボランティアの人に託し、小学校に向かった。
ムッとしてかなり不機嫌だったけど、僕が別の子どもをみて彼女を放ったらかしにしているといつも同じくムッとするから、僕は「いつもの事だ。」と思い学校にそのまま向かった。

小学校に着いて、これから帰る他の子たちに別れを済ませ、手続きを済まし、お世話になった先生方に挨拶を済ませて帰ろうとしていたけど、いつも放ったらかした後の彼女を考えるとちょっと不安になってあの場所に戻ることを決心した。
「彼女ならもう帰っている・・・ 踏切の方に行っても、彼女は帰っていておばちゃんは『もう、帰りましたよ。』と言うはずさ!」と、自分に言い聞かしていた。
踏切に彼女がもういなくて無事に帰っていることを祈っていたが、彼女は同じ場所に立ったままいた・・・
 
彼女はその場所で30分間泣いていて、見守りボランティアのおばちゃんもどうしていいのかわからなく困っていた。

僕は近寄り、しゃがんで、彼女の手を取って「帰ろっか。」と言った。彼女はずっと泣きながら黙り込んでいて、僕は彼女と一緒に帰る時いつも歌っていた歌を歌い始めた。歌詞はほとんど忘れていて、わからないところはあやふやに歌い、彼女が一緒に歌ってくれることを願った。

僕が歌詞をごまかして、もごもごしていたのを見て彼女は笑いながら歌を歌って歌詞を教えてくれた。彼女を笑って歌いながら家に送って、今度こそバイバイした。

これは、最初に彼女を泣かした僕が悪い。

だけど、最後に彼女を笑わせることができて良かった。
2013/01/09のBlog
[ 22:42 ] [ フリースクールの毎日 ]
2013年がはじまりました。
今年も、多文化共生センター東京をよろしくお願いいたします。

さて、新年と同時に、たぶんかフリースクールは受験シーズンを迎えます。
2週間の休みを過ごした子どもたち。
その間はあまり日本語を使っていなかったのか、初日はちらほらと初歩的ミスが。
今日はウォーミングアップのような一日になってしまいました。

が、そうも言ってられないのがこの季節。
放課後も残って、面接のための練習帳を作ります。
面接で想定される問題を集めた冊子を前に、考えこむ生徒たち。
「長所」「短所」などはじめて聞く日本語ばかり、
ましてや今まで考えてもこなかったことです。
先生方と何度もやり取りしながら、「自分のこと」を日本語で書いていきます。

この問題集は日本で中学に通っている子を想定したものがベースになっています。
そのため問題には「高校生がアルバイトをすることをどう思いますか」というものも。
その問題に取り組んでいたタイ出身の男の子は、「いいと思います」と答えました。
「どうしていいと思いましたか?」と問うと、彼はこう答えました。
「アルバイトをすると、将来、仕事をするときにいいです。
それにお父さんお母さんはいつもたくさん働いています。
お父さんお母さんが疲れた時、助けることができます」

彼のご両親はタイ料理屋で働いていて、面談も休憩時間に駆けつけてくるほどの忙しさ。
そんなご両親の姿を見ている彼は「働くこと」について自然に考えるようになったのでしょう。

模範回答は「高校生は勉強に専念できるようにアルバイトはしないほうがいいです」
けれどこの答えも、彼がしっかりと自分の考えを伝えられた立派な「回答」です。

一緒に取り組む私たちにとっても時間も手間もかかる「面接練習帳」ですが、
生徒たちの新たな一面を発見したり、答えに感心したりする楽しい時間でもあります。
2月23日の一般受検まで1ヶ月半、
日本語でしっかり「自分のこと」を伝えられるように、ひたすら練習です。
2012/12/24のBlog
[ 12:14 ] [ イベント ]
12月22日土曜日、たぶんかフリースクール本校で、
クリスマスパーティーがおこなわれました。
本校と新宿校の生徒、卒業生、土曜学習支援の子供たちなど,
約50人が集まってくれました。
毎年卒業生についてはとくに広報はしていないにも関わらず、
どこからか聞きつけて来てくれるので、
久しぶりに元気な顔が見られる嬉しい日でもあります。

会場にはボランティアさんが持ち寄って下さった食べ物がならび、
真ん中にはツリーと、理事と監事の方々からの大きなクリスマスケーキが。

乾杯と歓談の後には恒例のジェスチャーゲーム!!
カードは日本語と英語と中国語で書かれ、回答も3か国語でOK。
通訳のいないその他の母語の生徒にはサポートがつきます。
最後にプレゼントを選ぶ順番がかかっているので、ジェスチャーをする子と答える子は真剣、
まわりはそれを見て笑ったりヒントを言ったりで大盛り上がりでした。

最後は記念写真をして、ボランティアの皆さんが持ち寄ってくださったプレゼントを選び、
みんな笑顔で帰っていきました。

ご協力いただいた理事、監事の方々、フリースクール講師の先生方、
そしてボランティアの皆さま、ほんとうにありがとうございました。
2012/12/06のBlog
[ 17:24 ] [ フリースクールの毎日 ]
比喩表現について学んだ日本語クラス1。
せっかくだから使ってみよう!と先生が出したお題は「比喩表現をつかったラブレター」

みんな架空の恋人(具体的に思い描いている子がいるかもしれませんが)へ熱いラブレターを書きました。

「君が好き。君はおれの空だよ!おれの希望だ。君は野菊のような女の子」

「あなたの微笑はまるで太陽のようにまぶしすぎる。いつからか、私の暗やみの世界にわずかなあかりがともりました」

「あなたはチョコレートだ。私はチョコレートが大好きだから、まいにち私のとなりにチョコちゃんがいたら、うれしくなります。いないとぶるぶるしてしまいます」

「あなたを愛しているのは、死なないけれど死ぬように愛しています。あなたが私を愛していなくても、いじわるしても愛しています。私の心をあなたにあげているから、どんな時でも生きていけます。」

なんだかこっちが照れちゃいますね。
もしかしたら母語ではもっとロマンチックなラブレターを書いているのかも。
みんなまだまだ日本語の文章は拙いですが、
それぞれ豊かな表現の「種」を持っていることを感じられるラブレターでした。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/11/28のBlog
[ 18:28 ] [ フリースクールの毎日 ]
夜クラスに通っているK君。
夜クラスは18時から始まるのですが、「暇だー、暇だー。」と言って、
中学校が終わるとすぐに多文化にやってきます。

今週はテストウィークのようで、学校が終わる時間が早く、
2時くらいから多文化にいます。

今日も2時くらいにやって来て、廊下をぶらぶら。
昼クラスの授業をのぞき見、邪魔までしているようなので、1回目の注意。

2回、3回、何回言っても聞かないので、ついに雷が落ちました。

雷が落ちた後はご機嫌が相当悪くなったのが、表情をみたらわかります。
怒られたほうはもちろんですが、怒るほうだって嫌な気分になります。

そうじの時間。
雷が効いたのか、K君は私に寄ってきません。
怒りすぎたかしら?とちょっと反省。

自分も嫌な気分でそうじをしていたので、ぼーっとしていたのか、
大きなゴミ箱をひっくり返してしまいました。

天気も悪いし、今日は嫌な日だな・・・
ついてないなーと思っていると、「先生、大丈夫?どうする?」ととっさに
ほうきを持って駆け付けてくれた男の子がいました。
K君でした。

あっという間に「ちょっとうれしい一日」になりました。


たぶんかフリースクール本校
2012/11/20のBlog
[ 17:00 ]
10月に入学したKくんは無口でクール。

初日、教室に入ったKくんに、生徒たちはすぐ「こんにちは」と握手の手をさしだし、
次々に自分の話せる言葉をつなげて質問をしてきました。
彼はびっくりしたようで、少し身を引いた後にこわばった動きで握手をし、小さい声で答えていました。
そしてその後はほとんど返事しかしなかったKくん。
賑やかに何か国語もがとびかう教室の雰囲気に戸惑っているようでした。

それから一ヵ月、Kくんは教室の雰囲気にのまれることなく、相変わらず淡々と過ごしています。
でも授業中にわからないことがあればはっきり先生に質問し、時々は笑顔を見せてくれるようになりました。

日本と中国を行ったり来たりしていたKくん。
日本語も中国語も話せるのですが、その間に勉強はわからなくなってしまっていました。
それもあってか、最初の面談の時に「どこか行きたいと思っている高校はあるの?」と聞いても、
「いや、入れるならどこでもいいです。学校なんてどこもつまんないですよ。」と。

でもこの1ケ月で忘れていたことを思い出し、わからなかったところを理解し、自信がついてきたのでしょう、
先日の面談では「もっと英語の勉強がしたいから、英語の授業が多い学校に行きたい」と言っていました。
彼がはじめて口にした「目標」でした。

小学校の時の友達からは2年遅れてしまいましたが、
彼が日本で新たなスタートをきれるように、応援していきたいと思います。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/11/14のBlog
[ 19:13 ] [ フリースクールの毎日 ]
放課後の自習時間。
「4年生の漢字ドリル」で勉強をしていた生徒によばれました。

「救急車ってなんですか?」
“救”の字が4年生の配当なんですね。

そこで救急車が患者を搬送しようとしている場面の絵を見せて、「これが救急車です」と説明。
ふだんはそこで終わるのですが、Vくん、ストレッチャーを指さして、「これはなんですか?」

まだまだ続きます。

「これはなんですか?」「サイレンです」
「これはなんですか?」「テールランプです」
「これはなんですか?」「ヘルメットです」「救急隊員です」「タイヤです」…。

漢字の勉強だったはずなのですが…。

彼の「これはなんですか?」は=「これは日本語でなんといいますか」です。

たしかにあまり日常で出くわさない場面なので、名前を知らない物が多いのでしょう。
それだけにたぶんここで一度だけ聞いたのでは覚えられないでしょうが、
知りたい気持ちを大切にしたいので、それを承知の一問一答。
なにしろ身の回りの物の名前を覚え、学習用語を覚え漢字を覚えで、毎日大変な彼らですから。

でもVくん、それを全部やっちゃうと今日の宿題が終わらないよ…。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/11/06のBlog
[ 20:50 ] [ フリースクールの毎日 ]
文化の秋。都内の中学や高校では文化祭のシーズンです。

先日は高校見学も兼ねて生徒たちと一緒に都内の定時制高校の文化祭に行ってきました。
外国にルーツを持つ生徒の多いこの高校には「国際交流班」という活動があり、
当日は水餃子やタイ風春雨、コロンビア風ホットドックが販売され、
壁にはミャンマーの写真が貼られ…と国際色豊かで楽しそう。
そこで数年前の卒業生と会い、夢につながる専門学校に進学が決まったとの嬉しい報告もありました。

Jちゃんの通う中学の夜間学級でも今週末に文化祭があり、三味線部の彼女は練習にはげんでいる様子。
土曜日なのでスタッフは行けないのですが、先生方が聴きに行くよと話すと大喜び。
そういえば他の夜間学級に通っているBさんの公開授業の時に中学の先生に聞いたのですが、
Bさんは前日から「たぶんかの先生が来るかも」と話してそわそわしていたとのこと。
当日は目があうと笑顔でちいさく手を振ってくれました。
 
ほとんど知り合いがいない日本に来た生徒たち。
その日本で新しく知り合った誰かが自分のことを気にかけてくれている、
そのように感じられる出来事は生徒たちにとってうれしいことなのでしょう。
限られた時間の中ですが、そういう機会にはできるだけ足を運びたいと思っています。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/10/26のBlog
[ 18:46 ] [ フリースクールの毎日 ]
タイ出身のVくんの進路の相談のためにお父さんがいらっしゃいました。
通訳をしてくれる日本語学校のタイ人の学生さんも一緒です。

「Vくんはどこの学校に行きたいと言っていますか?」という問いに、
「彼はこの学校を愛していますから、他の学校に行きたくないです」、と。

たぶんかフリースクールでできた友達と一緒に勉強できる期間は長くても1年。
その先は別々にがんばらなければいけないということはじゅうぶんにわかっていての彼の答えです。
その強い気持ちを伝えたくて通訳の方が選んだ言葉が「愛しています」だったようです。

Vくんは言葉を覚えることが得意ではないので、お父さんは入学当初からとても心配していました。
今、友達と日本語で話すVくんの姿を見てすこし安心したとのこと。
でも、Vくんの日本語が上達したことへの私たちの功績は大きくありません。
言葉がなかなか出てこない彼をゆっくり待ってくれ、時には助けてくれる友だちと、
もっといろんな話がしたいという彼の気持ちがもたらした結果です。

通訳してくれていた女性が最後に言っていたこと。
「私も日本に来てすぐは友達ができないことがいちばん辛かった。
Vくんは大変だけど、楽しそうです。」

他にタイ出身の生徒がいない中でみんなと仲良くなっていったVくん。
次は日本の高校で日本人の友達をつくってほしいです。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/10/17のBlog
[ 19:09 ] [ フリースクールの毎日 ]
「“はにわ”はなんですか?」
放課後の自習時間、どこからか中学校の歴史の教科書を見つけたAくん、
どっかりと私の事務机の隣に座りこんでしまいました。
こうなるともう事務仕事はできません。
「この漢字はなんと読みますか」(日本の教科書なので全部にはルビがついていない)
「これはなんですか」(前方後円墳)etc.…。
質問にひとつひとつ答えているうちにあっというまに時間が過ぎていきます。
葛飾北斎の「富嶽三十六景」を指さして「これはなんという絵ですか」と聞かれた時には
すぐに名前が出てこず「うっ」となってしまいました。
するとAくん絵の中の富士山を指さして、「この山の絵です」、と。
それで私も名前を思い出したのですが、Aくんがそこまで知っていたことにびっくり。

16歳のAくんには知りたいことがたくさんあるのですが、
日本には彼の母語のミャンマー語の本はほとんどなく、
インターネットで得られる情報も多くないので、
知りたいことは一生懸命に日本語で質問します。
彼ほどではないですが、聞きたいことがたくさんあるのは他の生徒も同じ。
日本語を知らないだけで知識は身についている年頃の生徒たちなので、
質問内容もなかなか鋭く油断できません。

しかし、ひとり事務局の新宿校。
私にもたまに「これを終わらせないと今日は帰れない…」という仕事があります。
そんな時に頼りになるのが小学生を対象にしたニュース雑誌など。
Aくんにさりげなく「こういう記事」があるよと手渡します。
内容も時事問題から歴史までいろいろで受験やこれからの勉強にも役立ちそうですし、
ルビがあるので「この漢字はなんと読みますか」の質問は減ります。
ただ紙面の話題が豊富なので、内容への質問の量は増えている気がしますが…。

たまにそんな日もありますが、生徒たちの「知りたい」を気持ちを大切にしたいと思います。

たぶんかフリースクール新宿校