■座位保持椅子とチャイルドシート

ユニ育ライター こがにです♪

本日から、改正道路交通法が施行されました。
車の後部座席のシートベルトの着用が義務化!
条文は、以下のようになりました。
↓↓↓

第71条の3(改正後)
(略)
2 自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転席以外の乗車装置(中略)に
乗車させて自動車を運転してはならない。(以下略)

ハンドルを握るドライバーの責任は確かに増えましたが、諸外国ではすでに義務化済。
日本も、これでようやく諸外国に追いついたことになります。
平成24年までに、交通事故死者数を5000人以下にしようというのが政府の目標ですが、
今回の義務化で、少しでも交通事故による被害者の減少につながることを私も願っている一人です。

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後部座席のシートベルトが義務化される前から、シートベルトにガッチリガードされ
チャイルドシートにちょこんと座っているのが、我が家のユニ育ちゃん。
では、我が家のユニ育ちゃんを含めた、重症心身障害児であるユニ育KIDSたちの場合。
『座位を保持することが難しい子どものチャイルドシートはどうなっているの?』
と疑問に思うかもしれませんが・・・
実は、チャイルドシートを個々の障害に応じて制作する「座位保持装置」として
福祉事務所等に申請することが可能です。
(詳しいことは、医師や地域の福祉事務所の担当者にお問い合わせください)
もちろん補装具としての給付であるため、基準額を超える分については自己負担金額が発生しますが
体にあったチャイルドシートを制作できるので、我が家も安全で快適な椅子でドライブが楽しめます。

ただ・・・子どもの場合、申請にはいくつか注意点があります。
特に、ユニ育ちゃんたちのように、重度の身体障害がある場合。
車椅子の申請の際に「座位保持装置つき車椅子」として座位保持の項目を使って
福祉事務所に申請している時が問題

基準内での給付で申請する場合は、原則1点限り。
障害の程度によって、車椅子などは「室内用」と「室外用」として2台の申請までは
医師の意見所等があれば原則認められているものの、それ以上の申請は難しい〜。
しかも、給付品目ごとに耐用年数がこまかく決められており
座位保持装置の耐用年数は3年!!!!!!
たとえば、外出用の車椅子が急に体にあわなくなり作り変えたいと思っても
『車内で使うチャイルドシートで、この間座位保持装置をつかったでしょ?』ということになると
耐用年数などによっては、福祉事務所に認めてもらえない可能性もあります。

つまり、補装具の給付制度と実際のライフスタイルとが合致していない状態なのが、
このカーシート。チャイルドシートの問題なのです!!
法律や制度が現状と合致するまでにはまだ時間がかかると思われるので、
ぜひ福祉事務所の担当職員とよ〜く相談してから
給付制度の利用を検討してみてくださいね。

★ポイント★
座位を保持することが難しいユニ育KIDSたちが,
チャイルドシートを「座位保持装置」として補装具の申請をする場合。
●前回、座位保持装置の申請をした時期
●子どもの成長スピード
●成長対応できるか?
などを、購入前にじっくり考えることをオススメします。

また、「障害児用の既製品のチャイルドシートを試しに利用してみたい」と思う人には、
フランスベッドメディカルサービスが行っているレンタルサービスを!
月額5040円で「ユーロキャロット」を使用することができるので、
購入前にじっくり試乗しながら検討することができます。
フットサポートなどのオプションも、標準装備でレンタル可能。
福祉用具に詳しい専門スタッフの方とも相談できるようなので、
子どもにあった椅子を慎重に選択したい人にオススメです♪

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ところで、「座位保持装置」という言葉。
実は、正式に補装具給付制度の中に項目として誕生したのは1990年3月になってから!
つまり、まだ20年にも満たない制度と言葉であることは、ご存知でしょうか?

先日読んだ「注文でつくる−座位保持装置になった椅子−」(はる書房)によると
障害者の道具作りのために、でく工房の竹野廣行さんほか、工房いす制作に携わる人たちが集まり、
短期間で構成部品を名称を共通化し、項目の誕生に大きく貢献した経緯が書かれています。
クッションやベルトで辛うじて体を支えるものの、すぐにグニャッとつぶれてしまうのが、
座位を保持できない障害児の体。
それを「街のでえく(大工)」たちが、生活のための道具として障害児たちの椅子を製作。
そんな頃から、30年が経ちました。

座位保持椅子の制度と補装具の給付制度からこぼれたカーシートの問題が、
少しずつ障害児たちの生活の現状に近づくといい。
これからも工房いすの制作に携わる人たちと一緒に、こうした問題についても
取り組んでいければなぁ〜と考えています。

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さてさて、こちらのリレーブログ。
私の担当は、しばらくお休みとなります。
ブログは、のらりくらりとこれからも毎日更新予定。
何かありましたら「ユニ育ライフ」のブログまでお気軽にどうぞ。

★お読みいただき、ありがとうございました