ユニ育ライター こがにです(%音符1%)

ユニ育ちゃんも、来月で8歳。つまり私のユニ育歴も、あと少しで8年になります。
この8年の間に、医療や福祉といった数々のサービスのお世話になっていますが
その中で、唯一変わらないものというのが・・・いわゆる「訓練」のペース。
今でも、療育機関に月1回のペースで通院し、訓練を継続して行っています。

訓練とはいっても、高齢者のリハビリとはちょっと異なるのがユニ育の訓練。
その違いは、文字にも現れているのはご存知でしょうか?

高齢者の「リハビリ」は、「rehabilitation」。
頭に「re」という文字がつくように、
すでに獲得していた能力や機能が、何らかの原因で低下した場合。
その能力を回復させるために行う訓練です。
一方、ユニ育KIDSたちの「訓練」というのは、「habilitation」。
アルファベットの頭に、「re」がありません。
つまり、能力そのものを獲得する訓練になります。
そのため、子どもによっては短期間の訓練で終わる場合もあるし、
場合によっては、一生をかけてさまざまな訓練を取り組む必要がある。
ユニ育KIDSがもつ個性の違いによって、訓練の期間も方法もバラバラ・・・
それが、ユニ育KIDSの「訓練」の姿です。

身体障害の中でも、特に重度の知的障害も伴う肢体不自由児のユニ育KIDSの場合。
主にPT・OT・STという3種類の訓練を組み合わせて行うことがあります。
我が家がこれまでお世話になってきた訓練は、以下の通りです。

●PT(理学療法)
主に、下肢の訓練になります。
我が家のユニ育ちゃんの場合は、今でも首がすわっていないため
うつぶせになったり横に向くだけでも訓練になるのですが。
子どもによっては、下肢全体を装具で固定するので・・・
まるで、ロボット状態になりながら!歩行訓練をすることもあったり。
いわゆる健常児なら、あっという間に卒業してしまう歩行器も、PTでは大活躍。
そのため、療育センターでも広いスペースをとっているところが多いのが特徴です。
特に子どもは成長が早いため、装具は毎年のように作り変える必要があるのがネック。
整形外科との連携が、非常に重要になります。

●OT(作業療法)
主に、手や腕の運び方の訓練になります。
ユニ育ちゃんが幼い頃は、手や指がふれたら振動するような機械や
スイッチを入れるだけで、何か物が動くような・・・
そんなグッズを使いながら、感覚遊びを取り入れた訓練でした。
子どもによっては姿勢を維持しながら手が動くよう、訓練の先生がサポートしたり
お絵かきなどを取り入れることもあるようです。

●ST(言語療法)
言葉やコミュニケーションの訓練をするのが、主な目的ですが。
療育機関によっては、言語聴覚士の先生が摂食指導を行う場合もあるようです。
我が家の場合は、主にこの摂食指導をうけていました。
(今は、歯科医師に摂食指導をお願いしています)
食べ物をうまくとりこみ、ゴックンと嚥下するまでの口の中の動きというものを
実際に食べ物を食べながら、摂食指導をおこないます。
そのため、ランチタイムに行うことが多いのがこの訓練の特徴です。

===

東京都の場合。
就学してからは、特別支援学校にこうした専門家がオブザーバーとして入るので
学校の教育の中にこうした訓練の要素を取り込むことができるのが
通学籍の最大のメリットになりますが。
残念ながら、訪問籍になると・・・訓練士によるサポートがつかないのが悩み。

それぞれの訓練を療育機関などで継続して行う場合は、やはりここでも家族。
特に母親が!
訓練の予約、通院、訓練の付き添い、自宅のサポート方法を聞く・・・といったことを
ずっとずっと一手に引き受けのも、ユニ育KIDSの訓練の特徴です。

===

我が家のユニ育ちゃんは、生後6ヶ月のころからPTをスタートしたこともあり、
訓練歴は7年ちょっと。
その間、本当にたくさんの子どもたちの訓練風景を見てきました。

今、振り返り・・・ただ、一つ言えること。
それは・・・
ユニ育KIDSの成長は、ユニークな個性であるということ。

例えば毎日訓練を積み重ねることで、ゆっくりペースで歩けるようになった子どももいれば、
何年訓練を重ねても、歩けない子どももいます。
それは、母親の熱心さ・家族の愛情とは・・・また別のものではないかと思っています。
もちろん、機能を獲得することはすばらしいことです。
けれども、たとえ訓練を重ねて、思うように機能を獲得できない場合でも・・・
それを悲観したり、母親である自分のせいだと思う必要はない。
最近の私は、そう感じています。

ユニ育だからこそ、訓練に熱心になりすぎるあまり、リハビリを強要してしまったり
逆に、家族が「燃え尽き症候群」になるまで、熱心に取り組みすぎてしまうことのないように。
habilitation」だからこそ、今ある機能をうまく活かしながら
のんびりのんびり成長を楽しむ・・・そんな時間を、大切にしてほしい。
ユニ育ちゃんと訓練に通院する今、ふとそんなことを感じているこがに家です。

★お読みいただき、ありがとうございました