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2008/06/01のBlog
[ 17:18 ]
[ ポジティブ子育て ]
ユニ育ライター こがにです♪
本日から、改正道路交通法が施行されました。
車の後部座席のシートベルトの着用が義務化!
条文は、以下のようになりました。
↓↓↓
第71条の3(改正後)
(略)
2 自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転席以外の乗車装置(中略)に
乗車させて自動車を運転してはならない。(以下略)
ハンドルを握るドライバーの責任は確かに増えましたが、諸外国ではすでに義務化済。
日本も、これでようやく諸外国に追いついたことになります。
平成24年までに、交通事故死者数を5000人以下にしようというのが政府の目標ですが、
今回の義務化で、少しでも交通事故による被害者の減少につながることを私も願っている一人です。
・・・・・・・・・
後部座席のシートベルトが義務化される前から、シートベルトにガッチリガードされ
チャイルドシートにちょこんと座っているのが、我が家のユニ育ちゃん。
では、我が家のユニ育ちゃんを含めた、重症心身障害児であるユニ育KIDSたちの場合。
『座位を保持することが難しい子どものチャイルドシートはどうなっているの?』
と疑問に思うかもしれませんが・・・
実は、チャイルドシートを個々の障害に応じて制作する「座位保持装置」として
福祉事務所等に申請することが可能です。
(詳しいことは、医師や地域の福祉事務所の担当者にお問い合わせください)
もちろん補装具としての給付であるため、基準額を超える分については自己負担金額が発生しますが
体にあったチャイルドシートを制作できるので、我が家も安全で快適な椅子でドライブが楽しめます。
ただ・・・子どもの場合、申請にはいくつか注意点があります。
特に、ユニ育ちゃんたちのように、重度の身体障害がある場合。
車椅子の申請の際に「座位保持装置つき車椅子」として座位保持の項目を使って
福祉事務所に申請している時が問題!
基準内での給付で申請する場合は、原則1点限り。
障害の程度によって、車椅子などは「室内用」と「室外用」として2台の申請までは
医師の意見所等があれば原則認められているものの、それ以上の申請は難しい~。
しかも、給付品目ごとに耐用年数がこまかく決められており
座位保持装置の耐用年数は3年!!!!!!
たとえば、外出用の車椅子が急に体にあわなくなり作り変えたいと思っても
『車内で使うチャイルドシートで、この間座位保持装置をつかったでしょ?』ということになると
耐用年数などによっては、福祉事務所に認めてもらえない可能性もあります。
つまり、補装具の給付制度と実際のライフスタイルとが合致していない状態なのが、
このカーシート。チャイルドシートの問題なのです!!
法律や制度が現状と合致するまでにはまだ時間がかかると思われるので、
ぜひ福祉事務所の担当職員とよ~く相談してから
給付制度の利用を検討してみてくださいね。
★ポイント★
座位を保持することが難しいユニ育KIDSたちが,
チャイルドシートを「座位保持装置」として補装具の申請をする場合。
●前回、座位保持装置の申請をした時期
●子どもの成長スピード
●成長対応できるか?
などを、購入前にじっくり考えることをオススメします。
また、「障害児用の既製品のチャイルドシートを試しに利用してみたい」と思う人には、
フランスベッドメディカルサービスが行っているレンタルサービスを!
月額5040円で「ユーロキャロット」を使用することができるので、
購入前にじっくり試乗しながら検討することができます。
フットサポートなどのオプションも、標準装備でレンタル可能。
福祉用具に詳しい専門スタッフの方とも相談できるようなので、
子どもにあった椅子を慎重に選択したい人にオススメです♪
・・・・・・・・・・
ところで、「座位保持装置」という言葉。
実は、正式に補装具給付制度の中に項目として誕生したのは1990年3月になってから!
つまり、まだ20年にも満たない制度と言葉であることは、ご存知でしょうか?
先日読んだ「注文でつくる-座位保持装置になった椅子-」(はる書房)によると
障害者の道具作りのために、でく工房の竹野廣行さんほか、工房いす制作に携わる人たちが集まり、
短期間で構成部品を名称を共通化し、項目の誕生に大きく貢献した経緯が書かれています。
クッションやベルトで辛うじて体を支えるものの、すぐにグニャッとつぶれてしまうのが、
座位を保持できない障害児の体。
それを「街のでえく(大工)」たちが、生活のための道具として障害児たちの椅子を製作。
そんな頃から、30年が経ちました。
座位保持椅子の制度と補装具の給付制度からこぼれたカーシートの問題が、
少しずつ障害児たちの生活の現状に近づくといい。
これからも工房いすの制作に携わる人たちと一緒に、こうした問題についても
取り組んでいければなぁ~と考えています。
・・・・・・・・・・・
さてさて、こちらのリレーブログ。
私の担当は、しばらくお休みとなります。
ブログは、のらりくらりとこれからも毎日更新予定。
何かありましたら「ユニ育ライフ」のブログまでお気軽にどうぞ。
★お読みいただき、ありがとうございました
本日から、改正道路交通法が施行されました。
車の後部座席のシートベルトの着用が義務化!
条文は、以下のようになりました。
↓↓↓
第71条の3(改正後)
(略)
2 自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転席以外の乗車装置(中略)に
乗車させて自動車を運転してはならない。(以下略)
ハンドルを握るドライバーの責任は確かに増えましたが、諸外国ではすでに義務化済。
日本も、これでようやく諸外国に追いついたことになります。
平成24年までに、交通事故死者数を5000人以下にしようというのが政府の目標ですが、
今回の義務化で、少しでも交通事故による被害者の減少につながることを私も願っている一人です。
・・・・・・・・・
後部座席のシートベルトが義務化される前から、シートベルトにガッチリガードされ
チャイルドシートにちょこんと座っているのが、我が家のユニ育ちゃん。
では、我が家のユニ育ちゃんを含めた、重症心身障害児であるユニ育KIDSたちの場合。
『座位を保持することが難しい子どものチャイルドシートはどうなっているの?』
と疑問に思うかもしれませんが・・・
実は、チャイルドシートを個々の障害に応じて制作する「座位保持装置」として
福祉事務所等に申請することが可能です。
(詳しいことは、医師や地域の福祉事務所の担当者にお問い合わせください)
もちろん補装具としての給付であるため、基準額を超える分については自己負担金額が発生しますが
体にあったチャイルドシートを制作できるので、我が家も安全で快適な椅子でドライブが楽しめます。
ただ・・・子どもの場合、申請にはいくつか注意点があります。
特に、ユニ育ちゃんたちのように、重度の身体障害がある場合。
車椅子の申請の際に「座位保持装置つき車椅子」として座位保持の項目を使って
福祉事務所に申請している時が問題!
基準内での給付で申請する場合は、原則1点限り。
障害の程度によって、車椅子などは「室内用」と「室外用」として2台の申請までは
医師の意見所等があれば原則認められているものの、それ以上の申請は難しい~。
しかも、給付品目ごとに耐用年数がこまかく決められており
座位保持装置の耐用年数は3年!!!!!!
たとえば、外出用の車椅子が急に体にあわなくなり作り変えたいと思っても
『車内で使うチャイルドシートで、この間座位保持装置をつかったでしょ?』ということになると
耐用年数などによっては、福祉事務所に認めてもらえない可能性もあります。
つまり、補装具の給付制度と実際のライフスタイルとが合致していない状態なのが、
このカーシート。チャイルドシートの問題なのです!!
法律や制度が現状と合致するまでにはまだ時間がかかると思われるので、
ぜひ福祉事務所の担当職員とよ~く相談してから
給付制度の利用を検討してみてくださいね。
★ポイント★
座位を保持することが難しいユニ育KIDSたちが,
チャイルドシートを「座位保持装置」として補装具の申請をする場合。
●前回、座位保持装置の申請をした時期
●子どもの成長スピード
●成長対応できるか?
などを、購入前にじっくり考えることをオススメします。
また、「障害児用の既製品のチャイルドシートを試しに利用してみたい」と思う人には、
フランスベッドメディカルサービスが行っているレンタルサービスを!
月額5040円で「ユーロキャロット」を使用することができるので、
購入前にじっくり試乗しながら検討することができます。
フットサポートなどのオプションも、標準装備でレンタル可能。
福祉用具に詳しい専門スタッフの方とも相談できるようなので、
子どもにあった椅子を慎重に選択したい人にオススメです♪
・・・・・・・・・・
ところで、「座位保持装置」という言葉。
実は、正式に補装具給付制度の中に項目として誕生したのは1990年3月になってから!
つまり、まだ20年にも満たない制度と言葉であることは、ご存知でしょうか?
先日読んだ「注文でつくる-座位保持装置になった椅子-」(はる書房)によると
障害者の道具作りのために、でく工房の竹野廣行さんほか、工房いす制作に携わる人たちが集まり、
短期間で構成部品を名称を共通化し、項目の誕生に大きく貢献した経緯が書かれています。
クッションやベルトで辛うじて体を支えるものの、すぐにグニャッとつぶれてしまうのが、
座位を保持できない障害児の体。
それを「街のでえく(大工)」たちが、生活のための道具として障害児たちの椅子を製作。
そんな頃から、30年が経ちました。
座位保持椅子の制度と補装具の給付制度からこぼれたカーシートの問題が、
少しずつ障害児たちの生活の現状に近づくといい。
これからも工房いすの制作に携わる人たちと一緒に、こうした問題についても
取り組んでいければなぁ~と考えています。
・・・・・・・・・・・
さてさて、こちらのリレーブログ。
私の担当は、しばらくお休みとなります。
ブログは、のらりくらりとこれからも毎日更新予定。
何かありましたら「ユニ育ライフ」のブログまでお気軽にどうぞ。
★お読みいただき、ありがとうございました
2008/05/19のBlog
[ 00:24 ]
[ ポジティブ子育て ]
ユニ育ライター こがにです♪
ガソリンの価格が高騰したこともあり、
今月に入ってからの我が家の週末は、もっぱら都内でのショッピングばかり。
ゴールデンウィークも、近場で楽しむ毎日でした。
「なーんだ、近場かぁ」と侮るなかれ。
4月にオープンした赤坂サカスに始まり、東京ミッドタウン、
アーバンドッグ・ららぽーと豊洲などなど。
三井不動産が開発したニュースポットは、バリアフリー面は完璧である上に
車椅子用のトイレには、オムツ交換のためのユニバーサルシートも完備。
車椅子用駐車場の台数も多いし、エレベーターとのアクセスもいいので
ユニ育ちゃんと買い物していても、ほとんど困ることがないんです♪
「三井不動産の人たちは、ずいぶんユニバーサル社会について研究しているな」と
この春は、家族で感心していました。
(※我が家は特に三井不動産の関係者ではありません。素直にスゴイと思いました)
画像にあるのが、赤坂サカス駐車場そばにある
「車椅子用多目的トイレ」です。
オストメイトの設備の横に、ユニバーサルシートがあるのがわかるでしょうか?
車椅子+介助者が一緒に入っても、まだまだゆとりのある多目的トイレの大きさ。
やはり、これぐらい広いと私も安心してオムツ交換ができます。
===
じゃあ、最近新しく都内に誕生したニュースポットが
すべてユニバーサルデザインとして完璧なもの???
・・かというと、まだまだそうではありません。
例えば、昨年10月に誕生したのが、東京駅構内にある「グランスタ」。
「銀の鈴」があった待ち合わせスポットの周辺に
お弁当や雑貨などを販売する47のショップが集まった、エキナカゾーンです。
乗客だけでも1日38万人が利用すると言われる東京駅のエキナカスポットなのに、
実は、このグランスタの中には車椅子用トイレが見当たりません。
東京駅の中には、確かに車椅子用トイレなどもありますが
何しろ、広い上に人の往来がひっきりなしにあるのが東京駅。
まだまだエレベーターの数も少ないので、移動するだけでも大変だというのに!
やっとの思いでニュースポットに訪れて、買い物を楽しんだとしても。
いざトイレに行こうとすると、車椅子ユーザーはそこから遠く離れたトイレまで
ガマンをしながら移動しなくてはいければならない・・・というのが現実です。
また、有楽町に新しくできた「イトシア」の中にあるのが、有楽町マルイ。
このマルイの良いところは、エレベーターを2箇所にわけたところ。
3機あるエレベーターの箇所は、通常のエレベーターとして。
1機のみのエレベーターの箇所は、「車椅子・ベビーカー専用」として
稼動させています。
この2箇所にわけたエレベーター、アイデアはとにかく素晴らしい!
車椅子ユーザーの人たちも、気兼ねなくエレベーターに乗れるまではいいのですが
残念ながら、車椅子・ベビーカー専用のエレベーターのある場所が
パッとみただけでは、どこにあるのか全くわからないのが悔しい~。。。。
しかたなく、3機あるエレベーターに乗り込んでいるベビーカーの家族連れをみるたびに
「これじゃ、意味ないじゃん」と、私なんかは一人でツッコミを入れています。
===
図面の上では段差がないバリアフリーということもあり、設計した人たちの立場からは
車椅子ユーザーにも、十分配慮しているように見えるのかもしれません。
けれども実際の現場は、常に図面で描いた通りに、人が動いているわけではありません。
まず、使う人のいる現場を見てほしい。
そして、動線を考えてほしい。
都内のニュースポットをユニ育ちゃんと見てまわるたびに、
開発に携わった会社によって、その利便性が大きく異なることを
ここ最近、改めて感じています。
★お読みいただき、ありがとうございました
ガソリンの価格が高騰したこともあり、
今月に入ってからの我が家の週末は、もっぱら都内でのショッピングばかり。
ゴールデンウィークも、近場で楽しむ毎日でした。
「なーんだ、近場かぁ」と侮るなかれ。
4月にオープンした赤坂サカスに始まり、東京ミッドタウン、
アーバンドッグ・ららぽーと豊洲などなど。
三井不動産が開発したニュースポットは、バリアフリー面は完璧である上に
車椅子用のトイレには、オムツ交換のためのユニバーサルシートも完備。
車椅子用駐車場の台数も多いし、エレベーターとのアクセスもいいので
ユニ育ちゃんと買い物していても、ほとんど困ることがないんです♪
「三井不動産の人たちは、ずいぶんユニバーサル社会について研究しているな」と
この春は、家族で感心していました。
(※我が家は特に三井不動産の関係者ではありません。素直にスゴイと思いました)
画像にあるのが、赤坂サカス駐車場そばにある
「車椅子用多目的トイレ」です。
オストメイトの設備の横に、ユニバーサルシートがあるのがわかるでしょうか?
車椅子+介助者が一緒に入っても、まだまだゆとりのある多目的トイレの大きさ。
やはり、これぐらい広いと私も安心してオムツ交換ができます。
===
じゃあ、最近新しく都内に誕生したニュースポットが
すべてユニバーサルデザインとして完璧なもの???
・・かというと、まだまだそうではありません。
例えば、昨年10月に誕生したのが、東京駅構内にある「グランスタ」。
「銀の鈴」があった待ち合わせスポットの周辺に
お弁当や雑貨などを販売する47のショップが集まった、エキナカゾーンです。
乗客だけでも1日38万人が利用すると言われる東京駅のエキナカスポットなのに、
実は、このグランスタの中には車椅子用トイレが見当たりません。
東京駅の中には、確かに車椅子用トイレなどもありますが
何しろ、広い上に人の往来がひっきりなしにあるのが東京駅。
まだまだエレベーターの数も少ないので、移動するだけでも大変だというのに!
やっとの思いでニュースポットに訪れて、買い物を楽しんだとしても。
いざトイレに行こうとすると、車椅子ユーザーはそこから遠く離れたトイレまで
ガマンをしながら移動しなくてはいければならない・・・というのが現実です。
また、有楽町に新しくできた「イトシア」の中にあるのが、有楽町マルイ。
このマルイの良いところは、エレベーターを2箇所にわけたところ。
3機あるエレベーターの箇所は、通常のエレベーターとして。
1機のみのエレベーターの箇所は、「車椅子・ベビーカー専用」として
稼動させています。
この2箇所にわけたエレベーター、アイデアはとにかく素晴らしい!
車椅子ユーザーの人たちも、気兼ねなくエレベーターに乗れるまではいいのですが
残念ながら、車椅子・ベビーカー専用のエレベーターのある場所が
パッとみただけでは、どこにあるのか全くわからないのが悔しい~。。。。
しかたなく、3機あるエレベーターに乗り込んでいるベビーカーの家族連れをみるたびに
「これじゃ、意味ないじゃん」と、私なんかは一人でツッコミを入れています。
===
図面の上では段差がないバリアフリーということもあり、設計した人たちの立場からは
車椅子ユーザーにも、十分配慮しているように見えるのかもしれません。
けれども実際の現場は、常に図面で描いた通りに、人が動いているわけではありません。
まず、使う人のいる現場を見てほしい。
そして、動線を考えてほしい。
都内のニュースポットをユニ育ちゃんと見てまわるたびに、
開発に携わった会社によって、その利便性が大きく異なることを
ここ最近、改めて感じています。
★お読みいただき、ありがとうございました
2008/04/30のBlog
[ 22:36 ]
[ ポジティブ子育て ]
ユニ育ライター こがにです♪
ガソリン税などの暫定税率を復活させる「税制改正関連法」が
本日の国会で再可決、成立しました。
明日からは、ガソリン1リットルあたり160円台になるという現実!!
肢体不自由児のいるユニ育ファミリーにとっては、もう”キャー”と
悲鳴をあげたくなるようなゴールデンウィークになりそうです。
我が家も、ガソリンを満タンにして明日からの高騰に備えました。
皆さんは、いかがですか?
ガソリンといえば、ユニ育ファミリーにとって身近な手当ての一つに
「自動車燃料費」(※)という手当てがあります。
(※タクシー券との選択制になっているなど、規定は自治体ごとで異なります)
『障害児・者の社会生活を広げるため』という目的の下で、
障害者本人または同一生計の人が、本人のために自動車を使用する場合の
ガソリン代を助成するものです。
対象となる人は、比較的障害の重い身体障害者や知的障害のある人ですが
実は・・・こうした助成金額は、自治体ごとで大きく異なることはご存知でしょうか?
例えば。東京23区内のいくつかの区を比較しただけでも以下の通り。
【自動車燃料費助成金額】
A区:月額2000円 (年間24000円)
B区:月額3500円 (年間42000円)
C区:年間40000円
東京都内の区内でも、助成金額に年間18000円の差額が発生しています。
もちろん、日本全国を見渡すと。
自分が住む地域によって、助成金額には天と地の差が!!
何を隠そう、以前私が住んでいたS県のとある自治体では、
ユニ育ちゃんが4才になるまでは、ガソリン助成の制度すらなかったほどですから。
そう考えると、年間0円の地域と東京都内の某区との差額は、年間42000円。
ここまでくると、『自助努力』だけではどうにもできない現実と直面せざるを得ません。
===
また、同じ自家用車に乗せていても、子どもの行き先によって
交通費の「財源」が異なるのも、ユニ育KIDSのよくある日常風景です。
例えば、特別支援学校への通学の場合。
ほとんどの子どもたちは、スクールバスに乗車して特別学校に通学することが多いのですが、
医療的ケアのあるユニ育KIDSの場合は、原則、スクールバスへの乗車が認められていません。
(※ユニ育ちゃんの通学する特別支援学校の場合)
こうした重度のユニ育KIDS場合。
自家用車や電車・バスなど、何らかの移動手段を用いて、
それぞれが特別支援学校に通学することになります。
もちろん、あらかじめ学校に交通手段と距離を申請することで、
こうした通学にかかる交通費は助成されます。
が!!
ここで注目してもらいたいのが、その財源。
特別支援学校への通学費の助成は、都道府県などの「教育」の財源から。
自治体が定めている『自動車燃料費』は「福祉」からの財源なので
これとは、まったく別のものになるのがポイント。
義務教育の交通費は「教育」の財源から助成。
でも、通院のための交通費は「福祉」からの助成。
しかも、18歳すぎれば学校を卒業するため
また「福祉」からの助成へ。
同じガソリンの助成でも、制度が複雑に絡み合うのも、
ユニ育ならではなのかもしれません。
===
おーっと!
そうこうしているうちに、もう5月1日になってしまいそうですね。
こうした助成も、今後は国や自治体の財源が苦しくなれば、
どんどんカットされてしまうのかもしれない・・・
そう考えるだけで、ハラハラドキドキしてきます。
「全国重症心身障害児・者を守る会」という会が掲げる3原則の一つに
「最も弱いものを一人ももれなく守る」というものがあります。
どんなに財源が苦しくなろうとも、すべてのユニ育KIDSたちの命が守られますように。
暫定税率の復活を前に、政治の動きに珍しく敏感になっている私です。
★お読みいただき、ありがとうございました
ガソリン税などの暫定税率を復活させる「税制改正関連法」が
本日の国会で再可決、成立しました。
明日からは、ガソリン1リットルあたり160円台になるという現実!!
肢体不自由児のいるユニ育ファミリーにとっては、もう”キャー”と
悲鳴をあげたくなるようなゴールデンウィークになりそうです。
我が家も、ガソリンを満タンにして明日からの高騰に備えました。
皆さんは、いかがですか?
ガソリンといえば、ユニ育ファミリーにとって身近な手当ての一つに
「自動車燃料費」(※)という手当てがあります。
(※タクシー券との選択制になっているなど、規定は自治体ごとで異なります)
『障害児・者の社会生活を広げるため』という目的の下で、
障害者本人または同一生計の人が、本人のために自動車を使用する場合の
ガソリン代を助成するものです。
対象となる人は、比較的障害の重い身体障害者や知的障害のある人ですが
実は・・・こうした助成金額は、自治体ごとで大きく異なることはご存知でしょうか?
例えば。東京23区内のいくつかの区を比較しただけでも以下の通り。
【自動車燃料費助成金額】
A区:月額2000円 (年間24000円)
B区:月額3500円 (年間42000円)
C区:年間40000円
東京都内の区内でも、助成金額に年間18000円の差額が発生しています。
もちろん、日本全国を見渡すと。
自分が住む地域によって、助成金額には天と地の差が!!
何を隠そう、以前私が住んでいたS県のとある自治体では、
ユニ育ちゃんが4才になるまでは、ガソリン助成の制度すらなかったほどですから。
そう考えると、年間0円の地域と東京都内の某区との差額は、年間42000円。
ここまでくると、『自助努力』だけではどうにもできない現実と直面せざるを得ません。
===
また、同じ自家用車に乗せていても、子どもの行き先によって
交通費の「財源」が異なるのも、ユニ育KIDSのよくある日常風景です。
例えば、特別支援学校への通学の場合。
ほとんどの子どもたちは、スクールバスに乗車して特別学校に通学することが多いのですが、
医療的ケアのあるユニ育KIDSの場合は、原則、スクールバスへの乗車が認められていません。
(※ユニ育ちゃんの通学する特別支援学校の場合)
こうした重度のユニ育KIDS場合。
自家用車や電車・バスなど、何らかの移動手段を用いて、
それぞれが特別支援学校に通学することになります。
もちろん、あらかじめ学校に交通手段と距離を申請することで、
こうした通学にかかる交通費は助成されます。
が!!
ここで注目してもらいたいのが、その財源。
特別支援学校への通学費の助成は、都道府県などの「教育」の財源から。
自治体が定めている『自動車燃料費』は「福祉」からの財源なので
これとは、まったく別のものになるのがポイント。
義務教育の交通費は「教育」の財源から助成。
でも、通院のための交通費は「福祉」からの助成。
しかも、18歳すぎれば学校を卒業するため
また「福祉」からの助成へ。
同じガソリンの助成でも、制度が複雑に絡み合うのも、
ユニ育ならではなのかもしれません。
===
おーっと!
そうこうしているうちに、もう5月1日になってしまいそうですね。
こうした助成も、今後は国や自治体の財源が苦しくなれば、
どんどんカットされてしまうのかもしれない・・・
そう考えるだけで、ハラハラドキドキしてきます。
「全国重症心身障害児・者を守る会」という会が掲げる3原則の一つに
「最も弱いものを一人ももれなく守る」というものがあります。
どんなに財源が苦しくなろうとも、すべてのユニ育KIDSたちの命が守られますように。
暫定税率の復活を前に、政治の動きに珍しく敏感になっている私です。
★お読みいただき、ありがとうございました
2008/04/22のBlog
[ 23:35 ]
[ ポジティブ子育て ]
ユニ育ライター こがにです♪
ゴールデンウィークを前に、どこへ行こうかと計画を立てている人も
たくさんいると思いますが。
ユニ育的に言えば、実はこの季節というのは、
夏休みに行われる障害児キャンプの募集がピークを迎えるシーズン。
例えば、日本肢体不自由児協会のサイトを覗いてみると・・・
●手足の不自由な子どものキャンプ
年齢別に7~8人の子どもと複数のリーダーが生活の単位としてのグループをつくり、
楽しいプログラムを創造し、心のふれ合う関係の中で
他では得られない体験をすることができます
●高木記念山中キャンプ
4~5人の子どものグループに、研修を重ねた大学生ボランティアがリーダーとして複数で担当。
比較的小規模であり、家庭的な雰囲気をもったキャンプです。
●フレンドシップキャンプ
山中湖の大自然に囲まれた「東京YMCA山中湖センター」にて、
肢体不自由児と健常児が共同生活を行う交流キャンプです。
管轄が「NPO法人朝日キャンプ」へと変わりましたが、
過去40年にわたって朝日新聞厚生文化事業団が主催していた朝日キャンプも
知的障害児・者を対象としたキャンプを、長く続けている団体の一つ。
(2008年の夏のキャンプの予定は、今の段階ではサイトに記載はありません)
また、この他にもさまざまな地域のNPO法人や社会福祉協議会などが
障害児者のためのキャンプを開催しています。
※小さなNPO法人だとすぐに募集がいっぱいになるので、私も把握しきれません~!
・・・・・・・・・・・・
実はこうしたキャンプの多くは、ボランティアによって支えられているもの。
障害児のキャンプを長く開催している団体の多くは、
大学や専門学校から学生を呼びよせるパイプを持っているのがメリット。
何度も講習会などを繰り返し、ある程度障害児についてのノウハウを学んだ後
夏休みにキャンプを実施しています。
もちろん、こうした充実した研修を行ったボランティアの下でのキャンプは、
参加する障害児者にとっても安心できるものですが、
実は、こうした費用を参加する障害児者の参加費だけではまかなうことが難しく
実際にかかる費用は、支払う参加費の3倍以上かかることも珍しくありません。
そのためキャンプ費用の多くは、企業からの寄付金などでまかなっています。
私も10歳になる長男くんがまだ小さかった頃、
NHK「おかあさんといっしょ」のファミリーコンサートに行った時。
はじめて、NHK厚生文化事業団が肢体不自由児のキャンプを支援していることを知りました。
しか~し!!!!!
こうしたキャンプのほとんどが、知的障害児や発達障害児。
また、肢体不自由児でも”医療的ケアのない子ども”が対象となっているものが、
ほとんどなんですよねぇ。
医師や看護師が同行する日本肢体不自由児協会のキャンプでさえ、
医療的ケアのある子供が単独で、しかもスムーズに参加できるものはありません。
まだまだ重症心身障害児と呼ばれる子どもたちが、自由にのびのびと
親元から離れて参加できるキャンプというのは、難しいのが現実です。
(我が家にとっては、ちょっと寂しい現実です)
・・・・・・・・・・・・・
でも、キャンプや旅行があきらめきれない・・・というあなた!
大丈夫です。
東京都の場合、「東京都障害者休養ホーム事業」を利用すれば
全国にある提携施設の宿泊料金が、一部助成されます。
また家族が元気ならば、参加できる旅行ツアーも最近は増えてきました。
夏休みは、大手旅行代理店も「待ってました!」と張り切る季節。
「バリアフリー旅行センター」のあるクラブツーリズムのサイトには、
北海道から沖縄はもちろん、ハワイやグアムまで。
国内・海外旅行を問わず、個人・団体旅行などなど、幅広くプランを取り揃えています。
これなら、車イスだからと旅行をあきらめることはありません。
あとは、夏のボーナスを待つだけ~♪
ゴールデンウィークも過ぎれば、夏はすぐそこに!
さあ、そろそろ夏休みの計画を立てるとしようっと(^O^)/
★お読みいただき、ありがとうございました
ゴールデンウィークを前に、どこへ行こうかと計画を立てている人も
たくさんいると思いますが。
ユニ育的に言えば、実はこの季節というのは、
夏休みに行われる障害児キャンプの募集がピークを迎えるシーズン。
例えば、日本肢体不自由児協会のサイトを覗いてみると・・・
●手足の不自由な子どものキャンプ
年齢別に7~8人の子どもと複数のリーダーが生活の単位としてのグループをつくり、
楽しいプログラムを創造し、心のふれ合う関係の中で
他では得られない体験をすることができます
●高木記念山中キャンプ
4~5人の子どものグループに、研修を重ねた大学生ボランティアがリーダーとして複数で担当。
比較的小規模であり、家庭的な雰囲気をもったキャンプです。
●フレンドシップキャンプ
山中湖の大自然に囲まれた「東京YMCA山中湖センター」にて、
肢体不自由児と健常児が共同生活を行う交流キャンプです。
管轄が「NPO法人朝日キャンプ」へと変わりましたが、
過去40年にわたって朝日新聞厚生文化事業団が主催していた朝日キャンプも
知的障害児・者を対象としたキャンプを、長く続けている団体の一つ。
(2008年の夏のキャンプの予定は、今の段階ではサイトに記載はありません)
また、この他にもさまざまな地域のNPO法人や社会福祉協議会などが
障害児者のためのキャンプを開催しています。
※小さなNPO法人だとすぐに募集がいっぱいになるので、私も把握しきれません~!
・・・・・・・・・・・・
実はこうしたキャンプの多くは、ボランティアによって支えられているもの。
障害児のキャンプを長く開催している団体の多くは、
大学や専門学校から学生を呼びよせるパイプを持っているのがメリット。
何度も講習会などを繰り返し、ある程度障害児についてのノウハウを学んだ後
夏休みにキャンプを実施しています。
もちろん、こうした充実した研修を行ったボランティアの下でのキャンプは、
参加する障害児者にとっても安心できるものですが、
実は、こうした費用を参加する障害児者の参加費だけではまかなうことが難しく
実際にかかる費用は、支払う参加費の3倍以上かかることも珍しくありません。
そのためキャンプ費用の多くは、企業からの寄付金などでまかなっています。
私も10歳になる長男くんがまだ小さかった頃、
NHK「おかあさんといっしょ」のファミリーコンサートに行った時。
はじめて、NHK厚生文化事業団が肢体不自由児のキャンプを支援していることを知りました。
しか~し!!!!!
こうしたキャンプのほとんどが、知的障害児や発達障害児。
また、肢体不自由児でも”医療的ケアのない子ども”が対象となっているものが、
ほとんどなんですよねぇ。
医師や看護師が同行する日本肢体不自由児協会のキャンプでさえ、
医療的ケアのある子供が単独で、しかもスムーズに参加できるものはありません。
まだまだ重症心身障害児と呼ばれる子どもたちが、自由にのびのびと
親元から離れて参加できるキャンプというのは、難しいのが現実です。
(我が家にとっては、ちょっと寂しい現実です)
・・・・・・・・・・・・・
でも、キャンプや旅行があきらめきれない・・・というあなた!
大丈夫です。
東京都の場合、「東京都障害者休養ホーム事業」を利用すれば
全国にある提携施設の宿泊料金が、一部助成されます。
また家族が元気ならば、参加できる旅行ツアーも最近は増えてきました。
夏休みは、大手旅行代理店も「待ってました!」と張り切る季節。
「バリアフリー旅行センター」のあるクラブツーリズムのサイトには、
北海道から沖縄はもちろん、ハワイやグアムまで。
国内・海外旅行を問わず、個人・団体旅行などなど、幅広くプランを取り揃えています。
これなら、車イスだからと旅行をあきらめることはありません。
あとは、夏のボーナスを待つだけ~♪
ゴールデンウィークも過ぎれば、夏はすぐそこに!
さあ、そろそろ夏休みの計画を立てるとしようっと(^O^)/
★お読みいただき、ありがとうございました
2008/03/31のBlog
[ 10:28 ]
[ ポジティブ子育て ]
ユニ育ライター こがにです♪
3月24日にホテルニューオータニで開催されました
「ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム」に参加してきました。
シンポジウムに参加した方々の発言は、私のブログに書いた通りなのですが。
日本の社会保障のあり方を考える意味でも、非常に興味深い内容であったこと。
また、ADA法のあるアメリカは・・
「すべての人が誇りを持って生きられるようになること。それが、国防の第一歩」と、米国防総省CAP理事長のダイナー・コーエンさんの発言にあったように、
「技術と設備を整備することで、優秀な人たちの能力を活かす」という発想。
日本とアメリカとは、社会保障の考え方そのものが大きく異なる
・・・ということを、感じました。
===
このシンポジウムでは、日本版ADA法である「ユニバーサル社会基本法」制定に向けて
ユニバーサル社会への思いを、政治・経済・司法に携わる方々が意見を述べているのですが
もし、このユニーバサル社会基本法が制定された場合。
いわゆるチャレンジド(障害者)の雇用が促進される上に、地域で暮らす環境整備が
法的にも保障されることで、在宅で暮らすチャレンジド(障害者)の支援も行き渡る!
参加者の発言を聞きながら、それを予感させる法律であるようにも思えたのですが。
ただ、1つ!
私は「介護者の人権」というものに誰もふれていなかったことが気になっています。
例えば、このシンポジウムの進行役でもあった竹中ナミさんから、
「プロップステーションでは、家族で介護が必要とされている人も、仕事をしている」という
発言がありました。
確かに身体に重度の障害がある人も、介護を受けながら在宅で仕事ができるという意味では
非常に大きな意味があります。
でも、その家族はどうでしょう?
在宅で暮らすALS(筋萎縮性側索硬化症)の場合は、ヘルパーも痰の吸引が認められています。
また、学校看護師のいる特別支援学校では、「痰の吸引」「栄養剤の注入」「導尿」の3行為のみ
教員にも医療的ケアが認められています。
けれども、在宅で暮らすそれ以外の疾患の場合。また、ヘルパーのいない時間帯などの場合。
同居する家族に、その負担が一気にかかります。
特別支援学校でも、決められた3行為以外の医療的ケアが必要な場合、
やはりここでも、家族の介護負担は軽減することがありません。
24時間、休む間のなく介護を強いられている家族。
もしチャレンジド(障害者)の就労のチャンスが、そういった家族の疲労困憊のもとでの就労であった場合
それは必ずしも、本当の意味でのユニバーサル社会とは言えない部分があると思われます。
医療行為の根源である医師法第17条の解釈が変わらなければ、
このユニバーサル基本法が制定されても、在宅の主たる介護者である家族の人権は守られない。
このあたりも含めて、今後は法律の解釈に一石を投じなければならないかもしれません。
===
また、「介護者の人権」という意味では「介護報酬」という面で、
まだまだ考慮すべき問題が山積しています。
例えば、若い介護職員(ヘルパー)の年収が200万円台であるという現実。
確かに、介護報酬を引き下げることで、国はこれからの高齢化社会の財源を
しっかり確保できるかもしれません。
けれども、それによって得られるスタッフの報酬は、労働と見合うものでしょうか?
「安ければいい」という理由だけで、今後はこの「介護」の部分を、
海外からの労働者に頼ろうとしていないでしょうか?
現場のスタッフは、いくら介護にやりがいを感じていても、
結婚して家族を養うことができないという理由から
「男性職員の結婚退職」が後を絶たないということも、問題となっています。
しかも、厚生労働省が行った診療報酬の改定によって、大学病院でも看護師不足が問題となっている今。
福祉や療育現場でも、その余波を受け慢性的な看護師不足となっています。
やる気のあるスタッフがどんどん去り、募集してもヘルパーやスタッフが集まらないという現状は、
「ホスピタリティ」とか「ボランティア」という体裁の良い名前の精神論だけでは、
絶対に解決しない福祉の現実を、映し出しているのかもしれません。
===
このシンポウジウムでも取り上げられた「ユニバーサル社会基本法」(仮)は、
▼国民一人ひとりが、その個性や能力を生かして活躍できる環境を整備することにより
個人を元気にしよう
▼個性や能力の違う個人が、互いに助け合うことにより生きやすい、
暮らしやすい環境を生み出し、地域や職場を元気にしよう
▼個人と地域や職場が元気になることにより日本を元気にしよう
こうした考え方を取り入れた法律です。
障害の種別や年齢、男女の性差・・・という各分野の壁を取り払ったトータルな法制は、
これからの社会の考え方を根底から変える、非常に意味のある法律です。
けれども、医療の高度化によって、どんなに重度な障害があっても
在宅で暮らすことが可能となっているからこそ!!
私たちは、チャレンジド(障害者)だけではなく
それに関わるすべての人たちがHAPPYになることを考えていかなければならないのではないか?
そんな風にも、感じています。
何はともあれ、このユニバーサル社会基本法が日本という社会を牽引することで
「日本が元気になる!!」。
プロップステーション理事長でもあり、この法律の起草委員でもある竹中ナミさんの
力強い宣言が、とても印象的でした。
この法律が制定された日本は、これからどうなるのか?
ユニバーサル育児、略して「ユニ育」母ちゃんの1人でもある私は、
この法律の行く末が、楽しみで仕方がありません。
さあ、日本の社会は、法律によってどうなる??そして、私たちはどうする???
★お読みいただき、ありがとうございました
3月24日にホテルニューオータニで開催されました
「ユニバーサル社会の実現をめざすシンポジウム」に参加してきました。
シンポジウムに参加した方々の発言は、私のブログに書いた通りなのですが。
日本の社会保障のあり方を考える意味でも、非常に興味深い内容であったこと。
また、ADA法のあるアメリカは・・
「すべての人が誇りを持って生きられるようになること。それが、国防の第一歩」と、米国防総省CAP理事長のダイナー・コーエンさんの発言にあったように、
「技術と設備を整備することで、優秀な人たちの能力を活かす」という発想。
日本とアメリカとは、社会保障の考え方そのものが大きく異なる
・・・ということを、感じました。
===
このシンポジウムでは、日本版ADA法である「ユニバーサル社会基本法」制定に向けて
ユニバーサル社会への思いを、政治・経済・司法に携わる方々が意見を述べているのですが
もし、このユニーバサル社会基本法が制定された場合。
いわゆるチャレンジド(障害者)の雇用が促進される上に、地域で暮らす環境整備が
法的にも保障されることで、在宅で暮らすチャレンジド(障害者)の支援も行き渡る!
参加者の発言を聞きながら、それを予感させる法律であるようにも思えたのですが。
ただ、1つ!
私は「介護者の人権」というものに誰もふれていなかったことが気になっています。
例えば、このシンポジウムの進行役でもあった竹中ナミさんから、
「プロップステーションでは、家族で介護が必要とされている人も、仕事をしている」という
発言がありました。
確かに身体に重度の障害がある人も、介護を受けながら在宅で仕事ができるという意味では
非常に大きな意味があります。
でも、その家族はどうでしょう?
在宅で暮らすALS(筋萎縮性側索硬化症)の場合は、ヘルパーも痰の吸引が認められています。
また、学校看護師のいる特別支援学校では、「痰の吸引」「栄養剤の注入」「導尿」の3行為のみ
教員にも医療的ケアが認められています。
けれども、在宅で暮らすそれ以外の疾患の場合。また、ヘルパーのいない時間帯などの場合。
同居する家族に、その負担が一気にかかります。
特別支援学校でも、決められた3行為以外の医療的ケアが必要な場合、
やはりここでも、家族の介護負担は軽減することがありません。
24時間、休む間のなく介護を強いられている家族。
もしチャレンジド(障害者)の就労のチャンスが、そういった家族の疲労困憊のもとでの就労であった場合
それは必ずしも、本当の意味でのユニバーサル社会とは言えない部分があると思われます。
医療行為の根源である医師法第17条の解釈が変わらなければ、
このユニバーサル基本法が制定されても、在宅の主たる介護者である家族の人権は守られない。
このあたりも含めて、今後は法律の解釈に一石を投じなければならないかもしれません。
===
また、「介護者の人権」という意味では「介護報酬」という面で、
まだまだ考慮すべき問題が山積しています。
例えば、若い介護職員(ヘルパー)の年収が200万円台であるという現実。
確かに、介護報酬を引き下げることで、国はこれからの高齢化社会の財源を
しっかり確保できるかもしれません。
けれども、それによって得られるスタッフの報酬は、労働と見合うものでしょうか?
「安ければいい」という理由だけで、今後はこの「介護」の部分を、
海外からの労働者に頼ろうとしていないでしょうか?
現場のスタッフは、いくら介護にやりがいを感じていても、
結婚して家族を養うことができないという理由から
「男性職員の結婚退職」が後を絶たないということも、問題となっています。
しかも、厚生労働省が行った診療報酬の改定によって、大学病院でも看護師不足が問題となっている今。
福祉や療育現場でも、その余波を受け慢性的な看護師不足となっています。
やる気のあるスタッフがどんどん去り、募集してもヘルパーやスタッフが集まらないという現状は、
「ホスピタリティ」とか「ボランティア」という体裁の良い名前の精神論だけでは、
絶対に解決しない福祉の現実を、映し出しているのかもしれません。
===
このシンポウジウムでも取り上げられた「ユニバーサル社会基本法」(仮)は、
▼国民一人ひとりが、その個性や能力を生かして活躍できる環境を整備することにより
個人を元気にしよう
▼個性や能力の違う個人が、互いに助け合うことにより生きやすい、
暮らしやすい環境を生み出し、地域や職場を元気にしよう
▼個人と地域や職場が元気になることにより日本を元気にしよう
こうした考え方を取り入れた法律です。
障害の種別や年齢、男女の性差・・・という各分野の壁を取り払ったトータルな法制は、
これからの社会の考え方を根底から変える、非常に意味のある法律です。
けれども、医療の高度化によって、どんなに重度な障害があっても
在宅で暮らすことが可能となっているからこそ!!
私たちは、チャレンジド(障害者)だけではなく
それに関わるすべての人たちがHAPPYになることを考えていかなければならないのではないか?
そんな風にも、感じています。
何はともあれ、このユニバーサル社会基本法が日本という社会を牽引することで
「日本が元気になる!!」。
プロップステーション理事長でもあり、この法律の起草委員でもある竹中ナミさんの
力強い宣言が、とても印象的でした。
この法律が制定された日本は、これからどうなるのか?
ユニバーサル育児、略して「ユニ育」母ちゃんの1人でもある私は、
この法律の行く末が、楽しみで仕方がありません。
さあ、日本の社会は、法律によってどうなる??そして、私たちはどうする???
★お読みいただき、ありがとうございました
[ 03:26 ]
[ 海外の子育て事情 ]
「統合保育戦略」その5
イラストライターの大枝桂子です
今、サンフランシスコ空港にいます。
1年間の滞米生活も今日で終わり、いよいよ帰国となりました。
ここで最後の戦略について
アップしておきますね。
6>予防的方策
小さいお子さんには多いのですが、
とくに障碍を持った子の中には、
注意力が散漫だったり、
ほかの子にちょっかいを出したり、
環境からの刺激過剰で騒いだり部屋から飛び出したりという
いわゆる「問題行動」と言われてしまう状態を引き起こすケースが
あるようです。
幼稚園や保育園に入ってそういう状態が続くと、
クラスになじむのが難しくなることがあるため、
園の先生(あるいはご両親、支援センターのスタッフ)は、
そういう状態になる前に手を尽くしましょうというのが、
この6>予防的方策の意図です。
いくつかある中から、整理してここに書き留めておきます。
1… スケジュールに一貫性をもたせる
できうる限り曜日などによってアクティビティを決めておき、
それを前もって知らせておきます。
絵やシンボルマークでカレンダーのように貼っておくといい。
>>>例
「今日は月曜日だね。月曜日の午前中は散歩だね」と絵を見せながら
確認します。
2… 言語以外のコミュニケーションツールを利用する
こちらの統合保育では、
耳の聞こえない子や小児まひの子も当然対象となりますから、
手話やコンピュータデバイスも園の中で使われることが推奨されています。
でも、そういう子どもたちの参加はやはり多いわけではないので、
やはり言語以外のコミュニケーションツールで一番利用度が高いのは絵やシンボルといったものになります。
とくにPECS( Picture Exchange Communication System)
絵カード交換式コミュニケーション
というのが、よく使われているようです。
具体的には2日間の研修が必要なほど深い内容のようですが、
(参考 http://www.pecs-japan.com/)
クラスの中で学んだのは、マジックテープの上に
私(の絵) 飲みたい(の絵) ミルク(の絵)
を貼って、お互いの考えを伝え合うというもの。
クラスで先生に見せてもらったのは先生の手作り?みたいな
簡単なものでした。
普段の遊びの中でも使えそうです。
3…環境の刺激が過剰にならないように配慮する
クラスで習ってこれは面白いなと思ったのは
「Space Buffer」スペースバッファの利用。(Bufferは「緩衝装置」の意味)
接触障碍などがあり、
多くの子の中で遊ぶのが苦手な子のために
その子専用のバスタオルやマットを敷いて
その子専用のエリアとして遊んでもらうという工夫です。
もちろん、他の子どもたちにはあらかじめ
「ここは◎ちゃんの場所だから、◎ちゃんがいいよって
言わなかったら入っちゃだめなのね」と伝えておきます。
たとえば、「◎ちゃんはお友達が近くにいるとダメなんだって。
だから近くに行かないでね」
と伝えると、なんか誤解を招きそうですよね。
でも、目に見える「Space Buffer」を用いれば、
子どもは難しい説明がなくても理解しやすい。
ちょっとしたお家ごっこみたいですし、
他にやりたい子がいたらもちろん、まねっこすればいいですし。
まだまだお伝えしたいことはあるのですが、
最後にひとつだけ。
クラスの中で先生が紹介した本の中の一節。
「私たち(障碍のある子とその子を連れた親)を見たら、
目をそらさないでください。
私たちを見つめて、
そしてにっこり微笑みかけてください」
障碍のあるお子さんを連れて街に出たとき、
日本人のお母さん、お父さんはどう感じられるのでしょうか。
見つめられで微笑みかけられたら、いやですか?
むしろ、目をそらしてほしいと思うのでしょうか。
アメリカと日本は文化が違うから私には分からないのですが、
私は微笑みかけたいなと思うのだけど…。
さて、そろそろ飛行機に向かわなくては!
また機会があったら、ご一緒させてくださいね。
ありがとうございました!
イラストライターの大枝桂子


今、サンフランシスコ空港にいます。
1年間の滞米生活も今日で終わり、いよいよ帰国となりました。
ここで最後の戦略について
アップしておきますね。

小さいお子さんには多いのですが、
とくに障碍を持った子の中には、
注意力が散漫だったり、
ほかの子にちょっかいを出したり、
環境からの刺激過剰で騒いだり部屋から飛び出したりという
いわゆる「問題行動」と言われてしまう状態を引き起こすケースが
あるようです。
幼稚園や保育園に入ってそういう状態が続くと、
クラスになじむのが難しくなることがあるため、
園の先生(あるいはご両親、支援センターのスタッフ)は、
そういう状態になる前に手を尽くしましょうというのが、
この6>予防的方策の意図です。
いくつかある中から、整理してここに書き留めておきます。

できうる限り曜日などによってアクティビティを決めておき、
それを前もって知らせておきます。
絵やシンボルマークでカレンダーのように貼っておくといい。
>>>例
「今日は月曜日だね。月曜日の午前中は散歩だね」と絵を見せながら
確認します。

こちらの統合保育では、
耳の聞こえない子や小児まひの子も当然対象となりますから、
手話やコンピュータデバイスも園の中で使われることが推奨されています。
でも、そういう子どもたちの参加はやはり多いわけではないので、
やはり言語以外のコミュニケーションツールで一番利用度が高いのは絵やシンボルといったものになります。
とくにPECS( Picture Exchange Communication System)
絵カード交換式コミュニケーション
というのが、よく使われているようです。
具体的には2日間の研修が必要なほど深い内容のようですが、
(参考 http://www.pecs-japan.com/)
クラスの中で学んだのは、マジックテープの上に
私(の絵) 飲みたい(の絵) ミルク(の絵)
を貼って、お互いの考えを伝え合うというもの。
クラスで先生に見せてもらったのは先生の手作り?みたいな
簡単なものでした。
普段の遊びの中でも使えそうです。

クラスで習ってこれは面白いなと思ったのは
「Space Buffer」スペースバッファの利用。(Bufferは「緩衝装置」の意味)
接触障碍などがあり、
多くの子の中で遊ぶのが苦手な子のために
その子専用のバスタオルやマットを敷いて
その子専用のエリアとして遊んでもらうという工夫です。
もちろん、他の子どもたちにはあらかじめ
「ここは◎ちゃんの場所だから、◎ちゃんがいいよって
言わなかったら入っちゃだめなのね」と伝えておきます。
たとえば、「◎ちゃんはお友達が近くにいるとダメなんだって。
だから近くに行かないでね」
と伝えると、なんか誤解を招きそうですよね。
でも、目に見える「Space Buffer」を用いれば、
子どもは難しい説明がなくても理解しやすい。
ちょっとしたお家ごっこみたいですし、
他にやりたい子がいたらもちろん、まねっこすればいいですし。
まだまだお伝えしたいことはあるのですが、
最後にひとつだけ。
クラスの中で先生が紹介した本の中の一節。
「私たち(障碍のある子とその子を連れた親)を見たら、
目をそらさないでください。
私たちを見つめて、
そしてにっこり微笑みかけてください」
障碍のあるお子さんを連れて街に出たとき、
日本人のお母さん、お父さんはどう感じられるのでしょうか。
見つめられで微笑みかけられたら、いやですか?
むしろ、目をそらしてほしいと思うのでしょうか。
アメリカと日本は文化が違うから私には分からないのですが、
私は微笑みかけたいなと思うのだけど…。
さて、そろそろ飛行機に向かわなくては!
また機会があったら、ご一緒させてくださいね。
ありがとうございました!


2008/03/26のBlog
[ 18:32 ]
[ 「障害児」改名キャンペーン ]
ご無沙汰しています。ライターの弾丸ひろこです。
だいぶブランクができてしまいました~。(^^;
そのエクスキューズではありませんが、私は実は、東京都内の某特別支援学校のPTAのリーダーをしています。この1月から3月、つまり3学期は、いわゆる「地域交流」「理解促進」の催しが目白押しでした。
PTAレベルだけでなく、地域のNPOレベルの活動も合わせると、ほぼ毎週のように、主催したり、参加したりしていました。
このペースは、かなりハードで、夫から「いつも駆けずり回って落ち着かないなぁ」と散々小言を言われましたが、それでもやはり、充実した日々でした。
おおげさに言うと、私はいつもこうした活動に「使命」、自分の命を使うに値する確かなものを感じます。
じゃ、「地域交流」「理解促進」の活動って何か‥。
PTAレベルでの例を挙げると、特別支援学校には「交流授業」といって、地域の小学校の生徒さんたちが特別支援学校にやってきて、一緒に授業をする機会があります。
交流授業をする地域の学校は決まっていて、「交流校」と呼びます。
その交流校の生徒さんたちと一緒に、そのお母さん方も特別支援学校にいらしていただき、交流授業を見学していただきます。
その後、私たち特別支援学校のお母さんと交流校のお母さんたちが、交流授業の感想を語り合う時間を設けています。
つまり、子供だけでなく、お母さん同士の交流も同時に行うようにしているのです。
あるいは、区の小学校のPTA連合会に協力をお願いし、交流校だけでなく、区内全域の小学校のPTAに特別支援学校への見学と理解促進のレクチャーへの参加を呼びかけたこともあります。交通アクセスの悪い辺鄙な場所にある学校にどれだけ参加してくれるか心配でしたが、参加定員をはるかに上回り、思いもかけず大規模な催しになったということもありました。
この地域の子供同士、お母さん同士の交流の日々の中での発見、感動を、その都度このブログに書く余裕がなかったのが本当に悔やまれてなりません。(このブログも3月で終了ですものね)。
今回、ひとつだけ、ある場面を紹介します。
「交流授業」を見学した後、交流校のお母さんたちと特別支援学校のお母さんたち合わせて20人弱ですが、保護者控え室で交流授業見学の感想を一人ずつ順番に語っている時のこと。
「最初は緊張しながらも、授業の最後の方はどの子がどの学校の子かわからないくらい打ち溶け合っている子供たちの姿に感動した」、
そんな感想が異口同音に語られる中、ふと気がつくと、交流校のお母さんたちも特別支援学校のお母さんたちも皆、涙を流している。
子どもたちの柔軟な心のあり方を目の当たりにし、
その姿に突き動かされ、
膝をつき合わせながら感想を互いに語り合う中で、
母親たちもまた、自分の子供にハンディがあるなしを超え、
子育てをしている同じ母親として人間として、
深い感動や気づきを共有できた、
そんな密度の濃い時間でした。
私は以前、活動の中で一番力を入れているのは、子供向けのユニバーサルなイベント作りであり、その理由のひとつに大人はもう手遅れだからと書きました。
でも、大人も決して手遅れじゃない。
きちんと、ハンディのある大人や子どもを理解する場を設ければ、
子供よりちょっと時間がかかるかもしれないけれど、
心のバリアは必ず溶けていく。
今までそういう機会がなかっただけなのだ、
そう実感した日々でした。
総務省のある調査によると、この国で「障害者」を手助けしたことがない理由として、
“「障害者」を見たこともなければ触れたこともないから”と答えた人が8割
だというデータがあります。
つまり「差別以前」なのです。見たことも触れたこともないのですから。
だから、まずは見る、出会う、そしてきちんと理解してもらう場を、あらゆるレベルで設けること。これは、まず当事者から働きかけるより他ないのです。
奇しくも、東京都では、特別支援学校に通う子どもが居住地校に副次的に籍を置く副籍制度がスタート。
今学期うちの子も、ハンディがなかったら通っていたであろう、自宅から徒歩5分の小学校で副籍デビューを果たしました。
詳しくはまたいつか機会があったら書きたいですが、ここでも子供たちの心の柔軟さを実感、副籍先のクラスの子供たちのキラキラした目が忘れられません。
素晴らしい制度だと思うのですが、特別支援学校でこの副籍制度に参加することを望む親は決して多くないと以前も書きました。
「障害児」の世界を見にきてもらうことも、その世界からよっこらしょと、子供を外に出すことも、親にとっては並大抵のエネルギーではないのです。
お子さんのハンディによっては、それが不可能な場合もあります。
だから、なんとかそれができる私たち親子(幸いにも、うちの子は、私に似て交流するのも大勢の注目を浴びるのも、どこか新しい場に行くのも大好き!)は、それができない方たちの分も頑張って、地道にやっていきたいと思っています。
そして、そして、「障害児」改名に関するアクションもあきらめません!!
こうした地域での理解促進の活動の方にエネルギーを使い果たし、改名キャンペーンに時間を割けなかったのが本当に残念ですが、
まさにその活動の日々の中で、理屈抜きで、素朴に、どのような子供であれ、人であれ、人間に対して「障害」という言葉をつけるべきではないということを改めて確信しています。
「障害」という言葉は人につけてはいけない言葉なのです。
それに何の疑問も持たない社会や人の心にむしろ「障害」があるというべきです。
改名キャンペーンをして本当に良かったことは、当事者以外の人も熱く賛同してくださる方がたくさんいたこと。
呼ばれる方も嫌なら呼ぶ方も嫌なのだとわかり、随分と励まされました。ありがとう、本当にありがとうございます。
どのような分野であれ、いわゆる日本における「当事者の運動」って、当事者以外の人はかかわりにくいようですね。
下手にかかわると、ヒステリックな当事者に「あなたに何がわかるの」とばかりにピシャリとやられる。やがて、その運動の理念も活動も、使われているボキャブラリーさえ、当事者という「狭い囲い」だけにしか通用しないものとなる・・・。
しかし、東京大学大学院教授の上野千鶴子さんも「当事者主権」という本で書いていますが、今のこの「超高齢化社会」の日本で、福祉をめぐる問題に関して、純粋に当事者でない人なんて果たしているのでしょうか?
私はこの問題を、当事者か否かにかかわらず、関心を持った全ての方、その人自身の問題として、よりオープンに提起していきたいと思います。
いずれにせよ、「障害児」改名キャンペーンは、もう一度戦略を練り直し、何らかの形で継続していきますので、少しでもご関心のある方は、どうぞこれからも伴走してください!
宜しくお願いします。
ご精読ありがとうございました!

だいぶブランクができてしまいました~。(^^;
そのエクスキューズではありませんが、私は実は、東京都内の某特別支援学校のPTAのリーダーをしています。この1月から3月、つまり3学期は、いわゆる「地域交流」「理解促進」の催しが目白押しでした。
PTAレベルだけでなく、地域のNPOレベルの活動も合わせると、ほぼ毎週のように、主催したり、参加したりしていました。
このペースは、かなりハードで、夫から「いつも駆けずり回って落ち着かないなぁ」と散々小言を言われましたが、それでもやはり、充実した日々でした。
おおげさに言うと、私はいつもこうした活動に「使命」、自分の命を使うに値する確かなものを感じます。
じゃ、「地域交流」「理解促進」の活動って何か‥。
PTAレベルでの例を挙げると、特別支援学校には「交流授業」といって、地域の小学校の生徒さんたちが特別支援学校にやってきて、一緒に授業をする機会があります。
交流授業をする地域の学校は決まっていて、「交流校」と呼びます。
その交流校の生徒さんたちと一緒に、そのお母さん方も特別支援学校にいらしていただき、交流授業を見学していただきます。
その後、私たち特別支援学校のお母さんと交流校のお母さんたちが、交流授業の感想を語り合う時間を設けています。
つまり、子供だけでなく、お母さん同士の交流も同時に行うようにしているのです。
あるいは、区の小学校のPTA連合会に協力をお願いし、交流校だけでなく、区内全域の小学校のPTAに特別支援学校への見学と理解促進のレクチャーへの参加を呼びかけたこともあります。交通アクセスの悪い辺鄙な場所にある学校にどれだけ参加してくれるか心配でしたが、参加定員をはるかに上回り、思いもかけず大規模な催しになったということもありました。
この地域の子供同士、お母さん同士の交流の日々の中での発見、感動を、その都度このブログに書く余裕がなかったのが本当に悔やまれてなりません。(このブログも3月で終了ですものね)。

今回、ひとつだけ、ある場面を紹介します。
「交流授業」を見学した後、交流校のお母さんたちと特別支援学校のお母さんたち合わせて20人弱ですが、保護者控え室で交流授業見学の感想を一人ずつ順番に語っている時のこと。
「最初は緊張しながらも、授業の最後の方はどの子がどの学校の子かわからないくらい打ち溶け合っている子供たちの姿に感動した」、
そんな感想が異口同音に語られる中、ふと気がつくと、交流校のお母さんたちも特別支援学校のお母さんたちも皆、涙を流している。
子どもたちの柔軟な心のあり方を目の当たりにし、
その姿に突き動かされ、
膝をつき合わせながら感想を互いに語り合う中で、
母親たちもまた、自分の子供にハンディがあるなしを超え、
子育てをしている同じ母親として人間として、
深い感動や気づきを共有できた、
そんな密度の濃い時間でした。
私は以前、活動の中で一番力を入れているのは、子供向けのユニバーサルなイベント作りであり、その理由のひとつに大人はもう手遅れだからと書きました。
でも、大人も決して手遅れじゃない。
きちんと、ハンディのある大人や子どもを理解する場を設ければ、
子供よりちょっと時間がかかるかもしれないけれど、
心のバリアは必ず溶けていく。
今までそういう機会がなかっただけなのだ、
そう実感した日々でした。
総務省のある調査によると、この国で「障害者」を手助けしたことがない理由として、
“「障害者」を見たこともなければ触れたこともないから”と答えた人が8割
だというデータがあります。
つまり「差別以前」なのです。見たことも触れたこともないのですから。
だから、まずは見る、出会う、そしてきちんと理解してもらう場を、あらゆるレベルで設けること。これは、まず当事者から働きかけるより他ないのです。
奇しくも、東京都では、特別支援学校に通う子どもが居住地校に副次的に籍を置く副籍制度がスタート。
今学期うちの子も、ハンディがなかったら通っていたであろう、自宅から徒歩5分の小学校で副籍デビューを果たしました。
詳しくはまたいつか機会があったら書きたいですが、ここでも子供たちの心の柔軟さを実感、副籍先のクラスの子供たちのキラキラした目が忘れられません。
素晴らしい制度だと思うのですが、特別支援学校でこの副籍制度に参加することを望む親は決して多くないと以前も書きました。
「障害児」の世界を見にきてもらうことも、その世界からよっこらしょと、子供を外に出すことも、親にとっては並大抵のエネルギーではないのです。
お子さんのハンディによっては、それが不可能な場合もあります。
だから、なんとかそれができる私たち親子(幸いにも、うちの子は、私に似て交流するのも大勢の注目を浴びるのも、どこか新しい場に行くのも大好き!)は、それができない方たちの分も頑張って、地道にやっていきたいと思っています。
そして、そして、「障害児」改名に関するアクションもあきらめません!!
こうした地域での理解促進の活動の方にエネルギーを使い果たし、改名キャンペーンに時間を割けなかったのが本当に残念ですが、
まさにその活動の日々の中で、理屈抜きで、素朴に、どのような子供であれ、人であれ、人間に対して「障害」という言葉をつけるべきではないということを改めて確信しています。
「障害」という言葉は人につけてはいけない言葉なのです。
それに何の疑問も持たない社会や人の心にむしろ「障害」があるというべきです。
改名キャンペーンをして本当に良かったことは、当事者以外の人も熱く賛同してくださる方がたくさんいたこと。

呼ばれる方も嫌なら呼ぶ方も嫌なのだとわかり、随分と励まされました。ありがとう、本当にありがとうございます。
どのような分野であれ、いわゆる日本における「当事者の運動」って、当事者以外の人はかかわりにくいようですね。
下手にかかわると、ヒステリックな当事者に「あなたに何がわかるの」とばかりにピシャリとやられる。やがて、その運動の理念も活動も、使われているボキャブラリーさえ、当事者という「狭い囲い」だけにしか通用しないものとなる・・・。
しかし、東京大学大学院教授の上野千鶴子さんも「当事者主権」という本で書いていますが、今のこの「超高齢化社会」の日本で、福祉をめぐる問題に関して、純粋に当事者でない人なんて果たしているのでしょうか?
私はこの問題を、当事者か否かにかかわらず、関心を持った全ての方、その人自身の問題として、よりオープンに提起していきたいと思います。
いずれにせよ、「障害児」改名キャンペーンは、もう一度戦略を練り直し、何らかの形で継続していきますので、少しでもご関心のある方は、どうぞこれからも伴走してください!
宜しくお願いします。
ご精読ありがとうございました!
2008/03/21のBlog
[ 22:34 ]
[ ポジティブ子育て ]
ユニ育ライター こがにです♪
東京都立東部療育センターで、最近配布されているのが
カラフルでかわいらしい、この花模様のシール。
なんだか春の訪れを感じさせる、ワクワクするもののようにも思えます。
けれども、ここに描かれているこのシールの中には
「We Need Nurse」
「最も弱いものを、ひとりももれなく守る」
そう・・・療育センターの悲鳴ともとれるような
そんなメッセージが書かれているシールです。
『看護師不足』
全国的にも問題視されているこの看護師不足。
原因の発端は、医療費を削減させようと厚生労働省が考えた
「診療報酬の改定」と、「手厚い看護体制」の新基準にあります。
実はこの「診療報酬の改定」というのは、入院病棟の看護師配置によって
病院が受けられる入院基本料が増減するというもの。
特に診療報酬がアップする、いわゆる「7対1」という手厚い看護を推奨することで
病院側も診療報酬がアップし、患者にとっても、メリットの大きいものだと
当初、厚生労働省は考えていたようですが・・・
蓋を開けてみると、とんでもない!
診療報酬をアップさせようと、大学病院を初め、大きな病院が躍起になるありさま。
現場では、主任クラスの看護師が何人も引き抜かれ、次々とやめていくという顛末に。
そのため、実は、全国の中小病院が悲鳴を上げ・・・次々に閉鎖に追い込まれる始末。
しかも、なんとか診療報酬を確保した大病院も、悠々自適とはいかず。
ベテランスタッフが離職してもなんとかやりくりするものの、
現場は悲鳴を上げるほど忙しい毎日。
そのハードな仕事のためか、離職者は後を絶たず、また看護師の確保に躍起になる。
そんな悪循環が起きています。
そして、この悪循環の連鎖は・・・
我が家のユニ育事情でさえ、脅かしています。
===
◆療育センターの場合
大学病院や大きな病院でさえ不足している看護師ということもあり
療育センターなどでも、慢性的に不足している状態が続いています。
特に、療育センターなどの場合。
すでに施設入所している人たちの看護師数を削減するわけにもいかないため、
仕方なく看護師を調整できるのは、「短期入所」を受け入れる数。
このため、「在宅」で生活する我が家のようなタイプの家庭が、思うように短期入所できず
24時間365日休む間もなく介護を継続的に強いられる状態が続いています。
また、都内のある施設では短期入所などに利用していた病棟を
まるごと1つ閉鎖した事例も起きています。
◆訪問看護
医療的ケアのある障害児者を支えるのは、なんといっても訪問看護。
けれども、訪問看護師をかかえる訪問看護ステーションが、
肝心の親病院の病棟に看護師をとられ、看護師不足に!
「募集をかけてもかけても、こないのよ」と
こちらも、悲鳴を上げています。
在宅の生命線でもある訪問看護のサービスがうけられず、
しかも介護者が疲労困憊しても、短期入所がうけられないという現実。
痰の吸引や栄養剤の注入といった医療的ケアがあるために、
家族は24時間休む間もなく、介護を強いられるのに・・
これでは、医療的ケアのある障害児者や家族の命を縮めることにもつながる緊急事態!!
このままだと、せっかく築いてきた在宅で暮らすという道さえ、
閉ざされてしまうことにもなりかねません。
「読売新聞ONLINE」2007年1月14日の記事によると、厚労省の発表では、
2005年の看護職員(看護師、保健師、助産師、准看護師)の
就業者数は130万8409人。
06年から5年間の需給見通しでは、需要に対し97~99%の供給が可能とされているようです。
けれども、過酷な労働実態であるためか、毎年約5万人が看護学校などを卒業し、
新たに看護職員になっているものの!!!!!
1年以内の離職率(病院間の移動も含む)は、9・3%(04年)に上るとされています。
しかも、資格を持ちながら現在は働いていない看護職員は、全国で約55万人。
この実態こそ、なんとかしなければ・・・
===
東部療育センターで配布されているこのシールには
「共にあゆむ看護を実践」という言葉も書かれています。
重症心身障害児者という、重度の身体障害と知的障害をあわせもつ我が家のユニ育ちゃんも含め
社会的にも「最も弱い」立場である人たちの生命が守られない現状は、
もしかしたら、大切な何かを置き去りにしているのではないでしょうか。
医療によって救われ、医療によって生きる喜びとチャンスを得られたからこそ
医療に携わる人たちの現実をなんとかしたい。。
そう感じている毎日です。
『We Need Nurse』
東部療育センターからの叫びを、どうぞ皆様ご理解いただき
看護師の確保に向けて、ご協力いただけたら幸いです。
重症心身障害児と呼ばれる子どもを持つ、1人の親のつぶやきでした。
★お読みいただき、ありがとうございました
東京都立東部療育センターで、最近配布されているのが
カラフルでかわいらしい、この花模様のシール。
なんだか春の訪れを感じさせる、ワクワクするもののようにも思えます。
けれども、ここに描かれているこのシールの中には
「We Need Nurse」
「最も弱いものを、ひとりももれなく守る」
そう・・・療育センターの悲鳴ともとれるような
そんなメッセージが書かれているシールです。
『看護師不足』
全国的にも問題視されているこの看護師不足。
原因の発端は、医療費を削減させようと厚生労働省が考えた
「診療報酬の改定」と、「手厚い看護体制」の新基準にあります。
実はこの「診療報酬の改定」というのは、入院病棟の看護師配置によって
病院が受けられる入院基本料が増減するというもの。
特に診療報酬がアップする、いわゆる「7対1」という手厚い看護を推奨することで
病院側も診療報酬がアップし、患者にとっても、メリットの大きいものだと
当初、厚生労働省は考えていたようですが・・・
蓋を開けてみると、とんでもない!
診療報酬をアップさせようと、大学病院を初め、大きな病院が躍起になるありさま。
現場では、主任クラスの看護師が何人も引き抜かれ、次々とやめていくという顛末に。
そのため、実は、全国の中小病院が悲鳴を上げ・・・次々に閉鎖に追い込まれる始末。
しかも、なんとか診療報酬を確保した大病院も、悠々自適とはいかず。
ベテランスタッフが離職してもなんとかやりくりするものの、
現場は悲鳴を上げるほど忙しい毎日。
そのハードな仕事のためか、離職者は後を絶たず、また看護師の確保に躍起になる。
そんな悪循環が起きています。
そして、この悪循環の連鎖は・・・
我が家のユニ育事情でさえ、脅かしています。
===
◆療育センターの場合
大学病院や大きな病院でさえ不足している看護師ということもあり
療育センターなどでも、慢性的に不足している状態が続いています。
特に、療育センターなどの場合。
すでに施設入所している人たちの看護師数を削減するわけにもいかないため、
仕方なく看護師を調整できるのは、「短期入所」を受け入れる数。
このため、「在宅」で生活する我が家のようなタイプの家庭が、思うように短期入所できず
24時間365日休む間もなく介護を継続的に強いられる状態が続いています。
また、都内のある施設では短期入所などに利用していた病棟を
まるごと1つ閉鎖した事例も起きています。
◆訪問看護
医療的ケアのある障害児者を支えるのは、なんといっても訪問看護。
けれども、訪問看護師をかかえる訪問看護ステーションが、
肝心の親病院の病棟に看護師をとられ、看護師不足に!
「募集をかけてもかけても、こないのよ」と
こちらも、悲鳴を上げています。
在宅の生命線でもある訪問看護のサービスがうけられず、
しかも介護者が疲労困憊しても、短期入所がうけられないという現実。
痰の吸引や栄養剤の注入といった医療的ケアがあるために、
家族は24時間休む間もなく、介護を強いられるのに・・
これでは、医療的ケアのある障害児者や家族の命を縮めることにもつながる緊急事態!!
このままだと、せっかく築いてきた在宅で暮らすという道さえ、
閉ざされてしまうことにもなりかねません。
「読売新聞ONLINE」2007年1月14日の記事によると、厚労省の発表では、
2005年の看護職員(看護師、保健師、助産師、准看護師)の
就業者数は130万8409人。
06年から5年間の需給見通しでは、需要に対し97~99%の供給が可能とされているようです。
けれども、過酷な労働実態であるためか、毎年約5万人が看護学校などを卒業し、
新たに看護職員になっているものの!!!!!
1年以内の離職率(病院間の移動も含む)は、9・3%(04年)に上るとされています。
しかも、資格を持ちながら現在は働いていない看護職員は、全国で約55万人。
この実態こそ、なんとかしなければ・・・
===
東部療育センターで配布されているこのシールには
「共にあゆむ看護を実践」という言葉も書かれています。
重症心身障害児者という、重度の身体障害と知的障害をあわせもつ我が家のユニ育ちゃんも含め
社会的にも「最も弱い」立場である人たちの生命が守られない現状は、
もしかしたら、大切な何かを置き去りにしているのではないでしょうか。
医療によって救われ、医療によって生きる喜びとチャンスを得られたからこそ
医療に携わる人たちの現実をなんとかしたい。。
そう感じている毎日です。
『We Need Nurse』
東部療育センターからの叫びを、どうぞ皆様ご理解いただき
看護師の確保に向けて、ご協力いただけたら幸いです。
重症心身障害児と呼ばれる子どもを持つ、1人の親のつぶやきでした。
★お読みいただき、ありがとうございました
2008/03/10のBlog
[ 21:35 ]
[ 海外の子育て事情 ]
こんにちは。
イラストライターの大枝桂子
です。
本日のお題は、
5>発達を促すコミュニケーション
。
さっそく参ります。
発達を促す介入法として紹介されたコンテンツは、
1子どもの興味のあることを話題にする
2子どもの発達に合わせた会話を心がける
3「それ」などの抽象的な言葉をさけ、明確な言葉、文章で話す
4同じ言葉や文章を繰り返して、覚える機会を増やす
5ゆっくり話す
6子どもにもゆっくり考え、話す時間を与える
7会話する機会を作り出す 等
以上、どれも分かり切ったような内容だと思うのですが、
7の「会話する機会を作り出す」のテクに含まれる
“Request for more strategy”は、ちょっと以外でした。(^_^;)
訳すと、「お願いもっと作戦」?
例1>子どもが好きなオモチャを
わざと手に届かない棚の上などに置いておき、
「またあのオモチャを取って!」という指さしや
発語を促す。
例2>ブランコを押してあげているときに、
わざと途中でその手を休める。
こうすることで、子どもの「もっとこいで!」という
言葉を引き出す。
例3>ランチのときに、
フォークだけテーブルに用意して
スプーンをわざと置き忘れる。
こうして子どもに
「スプーンもちょうだい!」と言わせる状況を作り出す。
つまり、欲しいものを手に入れるために
コミュニケーションを必要とさせるシチュエーションを
あえて作ってしまうという戦略ですね。
かなり不自然な気がしますが
「欲求」「要求」は発語の原点ですから、
なかなか言葉の出にくいお子さんには
効果があるのかもしれません。
「不自然」と言えば、
4番目の同じ言葉や文章を繰り返すというのも
こちらはやりかたが半端でないので、
少々不自然な印象を受けます。
園に観察しに行ったときも、
リンダ先生がくどいくらい同じ言葉、フレーズを繰り返していましたから。
(メーガフォン、メーガフォン、言ってごらん、
メーーガフォン!(^_^;))
実際、町でも何回かそういうシーンに出会ってます。
たとえば、あるおじいちゃん。
自分の孫に(ちょうど1才になったばかりくらいの子、
たぶん、この子には障碍はない)
近くにあった彫像の体の部位を指さしながら……
Granpa「イッツァ ショルダー。ショルダー。ショルダー」
Baby「ア~」
Granpa「イエース! (?)
ショルダー。イッツァ ショルダー。
ショルダー。ショールダー」
いかにも「インプット」って感じでしたよ。(笑)
受験期に何度も聞いた
「反復は力なり」とはまさにこのことかと思いました。
でも、それで英単語が覚えられるなら、
私も耳元で繰り返して欲しいと思った私・・。
右上にアップした図は、記憶のメカニズムを私が勝手に
イメージしたものです。
実用、もしくは練習の場面で出くわした言葉は、
記憶のエリアに向かってドンドントンネルを延ばしていく。
そして実用と記憶のエリアがつながって
しっかりしたトンネルができると、
その言葉を聞いて理解したり、使えたりするようになる。
ただし、
一度聞いただけでトンネルが貫通してしまうお得な人もいれば、
30回以上聞かないと通じない人もいる。(←私)
また、若いウチは地盤が軟らかいので、トンネル掘りも楽だから、
ドンドントンネルが増えるということもいえそうです。
(逆に年齢がいって地盤が固くなってくると、
トンネルが掘りにくくなるどころか
既存のトンネルが落盤を起こして
「ど忘れ」なんてことも頻繁に起こったり?(^_^;))
とまれ、トンネルを記憶のエリアにまで延ばすには、
何度もアクセスする必要がある。
しかも(これは私の経験によるものですが)、
同じ言葉やことがらを、同じ場所で学んだ場合より、
回数は同じでも違う場所で(違う人から)聞いた方が断然記憶に残りやすい。
つまり、園で「メガフォーン」を10回聞くより、
園の先生から5回、オウチのママから違うシチュエーションで5回聞いた方が
(あちこちで経験を重ねた方が)
より早く、トンネル工事が進むんですよね!
アメリカ式意識的リピート掘削法の善し悪しは別として、
よりたくさんの人がその子に関わることの大切さって、
そこにもあるのかなって思いました。
ではでは本日はこの辺で~。



本日のお題は、


さっそく参ります。
発達を促す介入法として紹介されたコンテンツは、
1子どもの興味のあることを話題にする
2子どもの発達に合わせた会話を心がける
3「それ」などの抽象的な言葉をさけ、明確な言葉、文章で話す
4同じ言葉や文章を繰り返して、覚える機会を増やす
5ゆっくり話す
6子どもにもゆっくり考え、話す時間を与える
7会話する機会を作り出す 等
以上、どれも分かり切ったような内容だと思うのですが、
7の「会話する機会を作り出す」のテクに含まれる
“Request for more strategy”は、ちょっと以外でした。(^_^;)
訳すと、「お願いもっと作戦」?
例1>子どもが好きなオモチャを
わざと手に届かない棚の上などに置いておき、
「またあのオモチャを取って!」という指さしや
発語を促す。
例2>ブランコを押してあげているときに、
わざと途中でその手を休める。
こうすることで、子どもの「もっとこいで!」という
言葉を引き出す。
例3>ランチのときに、
フォークだけテーブルに用意して
スプーンをわざと置き忘れる。
こうして子どもに
「スプーンもちょうだい!」と言わせる状況を作り出す。
つまり、欲しいものを手に入れるために
コミュニケーションを必要とさせるシチュエーションを
あえて作ってしまうという戦略ですね。
かなり不自然な気がしますが
「欲求」「要求」は発語の原点ですから、
なかなか言葉の出にくいお子さんには
効果があるのかもしれません。
「不自然」と言えば、
4番目の同じ言葉や文章を繰り返すというのも
こちらはやりかたが半端でないので、
少々不自然な印象を受けます。
園に観察しに行ったときも、
リンダ先生がくどいくらい同じ言葉、フレーズを繰り返していましたから。
(メーガフォン、メーガフォン、言ってごらん、
メーーガフォン!(^_^;))
実際、町でも何回かそういうシーンに出会ってます。
たとえば、あるおじいちゃん。
自分の孫に(ちょうど1才になったばかりくらいの子、
たぶん、この子には障碍はない)
近くにあった彫像の体の部位を指さしながら……
Granpa「イッツァ ショルダー。ショルダー。ショルダー」
Baby「ア~」
Granpa「イエース! (?)
ショルダー。イッツァ ショルダー。
ショルダー。ショールダー」
いかにも「インプット」って感じでしたよ。(笑)
受験期に何度も聞いた
「反復は力なり」とはまさにこのことかと思いました。
でも、それで英単語が覚えられるなら、
私も耳元で繰り返して欲しいと思った私・・。
右上にアップした図は、記憶のメカニズムを私が勝手に
イメージしたものです。
実用、もしくは練習の場面で出くわした言葉は、
記憶のエリアに向かってドンドントンネルを延ばしていく。
そして実用と記憶のエリアがつながって
しっかりしたトンネルができると、
その言葉を聞いて理解したり、使えたりするようになる。
ただし、
一度聞いただけでトンネルが貫通してしまうお得な人もいれば、
30回以上聞かないと通じない人もいる。(←私)
また、若いウチは地盤が軟らかいので、トンネル掘りも楽だから、
ドンドントンネルが増えるということもいえそうです。
(逆に年齢がいって地盤が固くなってくると、
トンネルが掘りにくくなるどころか
既存のトンネルが落盤を起こして
「ど忘れ」なんてことも頻繁に起こったり?(^_^;))
とまれ、トンネルを記憶のエリアにまで延ばすには、
何度もアクセスする必要がある。
しかも(これは私の経験によるものですが)、
同じ言葉やことがらを、同じ場所で学んだ場合より、
回数は同じでも違う場所で(違う人から)聞いた方が断然記憶に残りやすい。
つまり、園で「メガフォーン」を10回聞くより、
園の先生から5回、オウチのママから違うシチュエーションで5回聞いた方が
(あちこちで経験を重ねた方が)
より早く、トンネル工事が進むんですよね!
アメリカ式意識的リピート掘削法の善し悪しは別として、
よりたくさんの人がその子に関わることの大切さって、
そこにもあるのかなって思いました。
ではでは本日はこの辺で~。
2008/03/04のBlog
[ 19:22 ]
[ 海外の子育て事情 ]


前回、「統合保育における汎用的指導戦略」Generic Instructional Strategiesについて、2月中にアップすると書いておいて、
もう3月になってるじゃないですか!
なんでかな~

とにかく、気を取り直し、4>課題分析(課題の細分化)について書きますね。


課題分析(Task analysis)というのは、
平たく言うと、「やるべき行動がどんな流れ(Sequence)で構成されているか」を見てみましょう、といいうことです。
たとえば、一人で手を洗えない子に「自分で洗えるようになる」ことが
目標としてセットされた場合、
いきなり「はい、やってごらーん」という一言ではうまくいかないですよね。
どんな場合でも、まず大人がモデルを示すことになると思いますが、
それでも、ただ見ただけでは覚えきれないことがある。
というのは、ふだん私たちが何気なくやっている「手を洗う行動」も、
実は一連の行動の流れから成り立っていて、
知的にちょっと遅れがあるお子さんの場合、
全部一気に覚えきれないかもしれないんですね。
実際、「手を洗う行動」を細分化してみるとこんな感じです。
ステップ1

ステップ2

ステップ3

ステップ4

ステップ5

ステップ6

(手洗いの歌や、数を数える、砂時計を使うなどで、
必要十分な手洗いの時間をキープする)
ステップ7

ステップ8

ステップ9

こうやって書くと、けっこう大変なんだ~って思いませんか?
どんな行動(課題)でもだいたいはこんなふうに、
一つ一つの動作が鎖状につながって成り立ってるんです。
このうち、どのステップを飛ばしてしまっても、
ちゃんと手が洗えたことにならないんですから、
それができるようになるって、相当えらいことですよ。
一つの行動をマスターするための「課題分析の方略」としては、
1、その子に身につけて欲しい行動を目標として設定する
(手を洗う、食後のお片付けをする、など)
2、上のようにその行動をステップに細分化して書き出す
3、まず、ステップ1がひとりでできるように、サポートし、
それがひとりでできるようになったら、
次はステップ2…というように、
少しずつ一人でできるステップを増やしていく。
さらにもう一つ、
これは面白いな、と思ったのですが、
バックワードチェーンニングBackward Chaining という方法もあります。
「逆ステップ法」と訳すといいかもしれません。
つまり、ステップの後ろから、
9>8>7>…と、逆にマスターしていってもらうという方法ですね。
手洗いの例でいいますと、
まず、ステップ8までは大人と一緒に行い、
最後の「手を拭く」ことだけは一人でできるように覚えてもらう。
それができるようになったら、
次はステップ7まで大人がサポートし、
ステップ8

ステップ9

この二つをお子さんにひとりでやるように促す。
こうすると、最後のステップを先にクリアするので、
達成感も味わいやすくてモチベーションもあがる、という利点があるのだと
思います。
ところで、
こういったサポートを大人がするとき(特に日本人は?(^_^;))
ついつい、手は出さないまでも口であれこれ言いたくなりますよね。
まだ慣れないウチは、口頭で次の行動を示唆することが
必要かも知れませんが、
前にお話しした「足場理論」Scaffoldingに乗っ取って、
言葉の指示も少しずつ減らしていく必要があります。
そうでないと、指示されないとできなくなってしまうので。
余談ですが、
こちらでは、「自立」というのがすべての子どもの最終目標として
きっちりセットされています。
日本の保育者さんは、「子どもと一緒にあそぶ」というモードで
保育されるシーンがけっこうあるようですが、
こちらではそういうのはあんまり歓迎されていません。
子どもがコツをつかんだな、と思ったら、
「その子を見ない」「その場を離れる」ことが推奨されているんですよ。
おもしろいですね。
ではでは、本日はこの辺で!
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